コラム Column

金融と非金融の融合によるデジタル口座ユースケースの広がりと展望

●デジタル口座のユースケース研究「業界特化プラットフォーム型のデジタル口座」

デジタル口座事例 WEX Health Payment Card

次にデジタル口座のユースケースの2つ目として、米国の健康保険ペイメント『WEX Health Payment Card』を事例に業界特化プラットフォームを紹介しました。

WEX

米国では医療費の負担が増え、それに伴いルールの複雑化、申請や清算の手間が問題視されていました。
ユーザーはWEXが提供しているHealth Payment Cardを使って支払うだけで自動的に保険の適用や所得税控除の申請などが手助けされ、場合によっては医療費が払い戻されるサービスを利用する事ができます。
医療費の負担が増大していく社会課題を解決するためのサービスとしてできたもので、今後このようなビジネスが大きく増えていくと予想しています。

その他デジタル口座事例としては特定の業種・使い方にフォーカスしたものが目立ちます。例えばライブコマース(インフルエンサーへの報酬支払・ファンへの投げ銭)、トラベル口座、従業員向け口座、医療費支払い等さまざまです。これらは自社のネットワークだけではなく、他の機能と連携する事でサービスにプラスαの価値をつけ、更にはデータを活用し、サービスの魅力向上に努めています。

●デジタル口座、その先へ

デジタル口座

デジタル口座の類型は一般論として上記のチャートのように分類することができます。縦軸が安心安全。横軸は左側になればなるほどお金の管理・支払いなどに特化してる口座。右側になると他の事業者と連携をしている口座のタイプに分けて作成しました。
このチャートの中で、最も重要となるのが一番右端にある「デジタル通貨」です。「デジタル口座、その先へ」という観点からもこの先登場するのがデジタル通貨であろうと考えています。

デジタル通貨は、おそらく銀行が発行すると考えられるため、極めて安心安全なものです。そして、口座単体ではなく、付加領域と合わせた形(他事業者との連携を想定)が設定されるのでデジタル通貨の登場は極めてエポックメイキングだと捉えています。

「帆船効果」を意識して、業界動向を見極めていく

今後、デジタル通貨が新しい時代のデジタル口座の姿になっていく場合、現在の仕組みはどうなってしまうのかでしょうか?

「帆船効果」という言葉がありますが、これは革新的な技術が出現すると、旧来産業がそれに負けないように、既存の技術を改良して競争力を高める結果、旧来の技術が新技術を上回るスピードで長期にわたり技術革新をしていくことがあるということです。

デジタル通貨が普及するまでには時間がかかりますが、社会課題解決をしていくためにも今の技術を引き続き改善しながら進めていく必要があります。その中でデジタル口座を使った多くの事業者DXが登場し、新しい業界に特化したプラットフォーム事業者がでてくると確信しています。これが帆船効果として世の中に生み出され、来るべき時代の土台を作っていくのではないでしょうか。

TISは、新デジタル通貨はもちろんデジタル口座を使った社会変革、社会課題解決に注力をして皆様とともに社会作りに貢献していきたいと思っています。

※講演資料
資料maas

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