コラム Column

待望のSuica対応でますます便利に
スマートウォッチ「wena 3」の魅力に迫る

TISの決済ソリューションでSuica対応を可能に

モバイル決済機能で「Suica」に対応したことも大きなトピックだ。従来モデルもFeliCaを搭載し、おサイフリンクアプリを利用して楽天Edy、iD、QUICPayといった電子マネーに対応していたが、wena 3ではwenaアプリでSuicaの発行やチャージなどが行える。

suica対応

 

Suicaに対応できるようになったのには、外的要因と内的要因があるという。

 外的要因の1つは、おサイフケータイの機能を提供しているフェリカネットワークスのモバイルFeliCaプラットフォームが、ウェアラブル端末にも拡張されたことだ。

 ただ、wena 3からモバイルFeliCaプラットフォームに接続するために必要となる中間のサーバは、ソニー側で作れるものではなかったという。「高いセキュリティ要件があり、専門的なノウハウが必要でした」と鎌田氏は振り返る。

 そこで、デジタルウォレットサービスを提供しているTISとパートナーを組んだ。TISがウォレットサーバを立ち上げたことで技術的に対応できる準備が整った。このウォレットサーバはフェリカネットワークスのモバイルFeliCaプラットフォームとつなぐためのゲートウェイに位置付けられる。

TISシステム

 

FeliCaの指定している高い技術要件を満たし、サービスを提供する上での厳しいセキュリティ要件を担保するために、今回のwena案件についてはPCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)を取得したプラットフォームでサービスを実現しています。TISのSDKを使ったデバイスしかウォレットサーバに接続できないという制約で、モバイルFeliCaプラットフォームとの接続を確立し、FeliCaの各種データをwenaのアプリに渡すという仕組みです」(TIS DXビジネスユニット DX営業企画ユニット DX企画部 エキスパートの久保田恭介氏)

TIS-久保田恭介氏

 

wenaの接続先を限定することで外部へのデータ漏えいを防ぎ、セキュリティを担保する。通信を暗号化することに加え、データ自体も高いセキュリティ仕様で担保している。LCM(ライフサイクルマネジメント)システムも提供し、ユーザーが万が一、wena 3を紛失した際に遠隔でデータを消去するといった対応もTISが担っている。

 wenaのアプリで決済サービスの設定ができるのはSuicaのみだが、他の決済サービスへの対応については、互いに協議しながら進めていくという。

高いアンテナ性能を実現するのに第3世代モデルまでかかった

一方、内部要因は大きく2つある。まずはハードウェア。Suicaに対応できずとも、初代のwena wristからFeliCaを搭載し、金属ボディーの中にアンテナを作り込み、通信する技術を蓄積してきた。Suicaに対応するには、改札にかざしたときに、素早く、誤作動なく反応する高い基準を達成する必要がある。「それが実現できるようになるのに第3世代モデルのwena 3までかかったということです」と鎌田氏。

 FeliCaのアンテナは心拍センサーの裏に配置されている。wena 3は基本的に左手に着けるので、改札の読み取り部分と逆になるが、若干離れていても反応するように配慮している。

もう1つはソフトウェア。モバイルFeliCaプラットフォームへの対応にあたり、wena 3では新たに、NFC Type A/B/F(FeliCa)の全てに対応する国際規格に準拠したFeliCaチップを使っている。

 「あまり知られていないのですが、実はwena wrist pro/wena wrist activeは海外で展開していて英国で販売しています。その際に国際規格に対応したチップを使って、英国向けに決済機能を開発しました。そこでソフトウェア的な知見が高められ、培ったノウハウをwena 3で活用しています」(鎌田氏)

 「Suicaの機能については特に大きな問題は発生しておらず、TISさんには非常に品質の高いものを提供していただいています」(對馬氏)

ガジェット好きから嗜好を大事にする人まで幅広い人におすすめ

Suicaへの対応やフィットネス機能の拡充で、一般的なスマートウォッチと同等の機能を提供できるようになったwena 3。ビジネスパーソンはもちろん、健康に気を遣う人など幅広いユーザーにアピールできる製品に進化した。

 wenaシリーズは時計のヘッド部分は一般のアナログ腕時計そのものなので、時計好きやファッションに気を遣う人にも受け入れられるアイテムだ。

 

「腕時計は洋服や靴、メガネのように、自分の嗜好(しこう)を大事にする商品。スマートフォンやPCのように、数社に集約される世界にはならないと思っています。時計メーカーさんと一緒に、スマートウォッチ、腕時計だけじゃない、第三の選択肢を提供していきたいですね」(對馬氏)

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