コラム Column

デジタル×地域課題への取組み「北海道DX」について

3.札幌での取組み「札Navi」とは

札Naviロゴ

本実証サービス「札Navi 」ロゴ

皆さん、はじめましてTISの牟田です。札Navi(サツナビ)の取組みについては、私からご紹介します。

 

TISが地域課題の解決を目指して開発支援を行った、ユーザーの趣味趣向に応じた札幌の観光施設や飲食店をレコメンド・旅程提案するWebアプリ「札Navi(https://sapporo4mobility.com/)」についてです。

札幌を訪れたことのある観光客に対して札幌市が実施したアンケートから、観光客は市内の移動に関して最も不満を持っていることがわかりました。特に、観光スポット間の距離が離れている、公共交通機関の乗継が不便でわかりにくい、といった課題が挙げられました。
こうした背景の中、ユーザーが求めている観光スポット情報と公共交通機関を使った最適な移動方法・旅程を提案することで、観光シーンにおける移動課題を解消、市内観光における円滑な移動を支援するサービスとして「札Navi」を企画・開発し、2021年2月に実証実験を実施しました。

実証実験の実施結果をご報告するプレスリリース


ユーザーの趣味趣向に合わせた観光地を提示できる観光型MaaS「札Navi」を札幌で実証事業
を行い、2022年には、観光客だけでなく地域住民にも利便性の高いサービスを提供するため、「札幌市データ活用プラットフォーム」のオープンデータを一部活用し、「札Navi」に飲食店やトイレ・おむつ交換所などの立ち寄りスポット情報を追加・拡充しました。また新たに電子チケット機能と決済機能を追加し、自身のスマートフォン上で交通系チケットや飲食チケットの販売・利用が可能となりました。(2022年2月に期間限定で事業実施)。

【図4】札Naviサービス全体イメージ

図4-札navi

■札Naviの主な機能としては下記の通りです。
 ・観光施設、飲食店のレコメンド(推薦)
  ユーザーの趣味趣向、来札経験に合わせて札幌のおすすめスポットをAIがレコメンドします。
 ・自動旅程作成機能、旅程編集機能
  訪れたい観光スポットと旅行の開始/終了時刻を設定すると、最適な旅程を自動で生成します。
 ・立ち寄りスポット情報の検索
  トイレやおむつ交換所、公衆wi-fiなど、外出時に必要な情報を検索できます。観光客だけでなく地元住民にも役立つ情報を提供します。
 ・電子チケット、決済機能
  札Naviを使って乗車券や飲食券などのチケットをオンラインで購入・利用が可能となります(クレジットカードによる事前決済)。本実証期間では、札幌市電の1日乗車券や、すすきのエリアの飲食店で使えるプレミアム付きデジタル飲食券「すすきのデジタルパス」を販売しました。

※「すすきのデジタルパス」は新型コロナウイルス感染拡大に伴い、自治体の要請を受け、販売中止となりました。

本事業で構築した「札Navi」は、観光周遊を促すツールとしてだけでなく、札幌市の観光に関連したさまざまなデータの収集・活用機能として地域に貢献しています。「札Navi」は「札幌市データ活用プラットフォーム」のオープンデータを一部活用しており、札Navi事業で新たに収集した観光情報や立ち寄りスポット情報などは「札幌市データ活用プラットフォーム」にオープンデータとして提供します。オープンデータの蓄積、利活用促進のため、観光情報や立ち寄りスポット情報整理のデファクト化、施設IDや住所表記などの統一を目指します。

【図5】札幌市データ活用プラットフォームとのデータ連携について

図5-プラットフォーム連携図

また、今回新しい価値提供の一環として、経済的基準ではない新しい「移動計画の提案」を可能とする特許を申請中です。ユーザーのウェルネス向上意欲に応じた移動提案を実現出来るなどの内容となっておりますが、詳しくはまた別のコラムなどでご紹介したいと思います。

4.今後の展開について

再び、畑から今後の展開について、ご紹介します。

札Naviの「ナビゲーション」は観光客向けだけでなく、地元住民である生活者に対しても有益な情報がお届け出来るよう「生活アプリ」として「なくてはならない存在」となれるよう、引き続きTISとしての「価値提供」を図っていきます。その中で、我々が注目しているトピックは、「地域のブランド力向上」と「行政運用の効率化(コスト削減)」の2点です。
いずれも行政からの情報発信だけでは魅力含めて訴求しきれない部分を複数の民間企業と連携して推進していきます。理想は地元企業が主体となることですが、私たちが最新テクノロジー面を含め後方支援させていただきながら、「サービスドリブン」で利用者、地域住民の方々から評価・支持されるサービス提供を目指しています。
結果、これらサービス提供により蓄積されたデータを利活用することで、新たなサービスが持続的に創出されるような地域経済の好循環サイクルを確立することが重要と考えています。

前回のコラム(「デジタル×地方創生」の取組みについて)でもお話しましたが、各地域における人口減少をどのように抑制し、減少を前提とした運用コストや運用手段を確立していくことが出来るかが今後の鍵となります。行政がより「タウンマーケティング」の視点を持ち、リアルとデジタルを融合させた「行政版OMO(*4)」の取組みを実行し、今以上の住民や観光客とのコミュニケーションツールを確立させることが重要です。地域住民向けにはマイナンバーカード連携などによる居住歴に応じたコミュニケーションやインセンティブプログラムなどを提供し、住民とのエンゲージメント向上を図ることで、ブランド力向上とコスト削減を実現させることが可能と考えています。

最終的には「お金もデータも地産地消」出来るようなエコシステムの提供となるよう、引き続き行政/住民のDX化推進を地元企業と連携しながら進めていきます。今後の活動や進捗などもあらためてご報告させていただきますので、次回以降のコラムにもご期待ください。

(*4)Online Merges with Offlineオンラインとオフラインの統合して行くマーケティングの手法を行政に向けて提供して行くこと。

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