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金融トークナイゼーション 用語集

ステーブルコイン・CBDC・RWA・規制・プロトコルなど、金融トークン化に登場するキーワードを網羅的に収録。実務担当者が現場で使える定義を提供します。

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A

AML / CFT Anti-Money Laundering / Countering the Financing of Terrorism

マネーロンダリング対策(AML)およびテロ資金供与対策(CFT)の総称。金融機関は顧客確認(KYC)と取引モニタリングが義務付けられており、トークン化資産を扱う事業者も同様の対応が求められる。ブロックチェーン上ではトレーサビリティを活用したオンチェーンAMLツールが台頭している。

関連語: KYC ステーブルコイン
API Application Programming Interface

異なるシステム間でデータや機能を連携するための接続仕様。金融トークン化では勘定系とブロックチェーンノードを接続するAPIが重要な役割を担い、ISO 20022準拠のAPIがインフラ標準として普及しつつある。

関連語:ISO20022 オラクル

B

Blockchain(ブロックチェーン) Blockchain

取引データをブロック単位でチェーン状に連結し、分散したノードで管理する台帳技術。改ざん耐性と透明性を持ち、金融機関においてはトークン発行・移転・決済の基盤として活用される。パブリック・プライベート・コンソーシアムの3類型がある。

関連語: スマートコントラクト DLT

C

CBDC Central Bank Digital Currency

中央銀行が発行するデジタル通貨。法定通貨と1対1で価値が担保される。小売向け(リテールCBDC)と金融機関向け(ホールセールCBDC)に分かれる。日本では日本銀行が2021年からパイロット実験を実施しており、2025年度に大規模実証フェーズに移行。民間ステーブルコインとの役割分担が国際的な議論の焦点になっている。
※出典:日本銀行「パイロット実験の進捗状況について」(2025年10月)

関連語:ステーブルコイン トークン化預金
コンソーシアムチェーン Consortium Chain / Permissioned Blockchain

特定の参加者グループが共同で管理するブロックチェーン。完全公開のパブリックチェーンと単一組織管理のプライベートチェーンの中間に位置する。地域銀行連合や貿易金融での活用が見られる。代表例はHyperledger FabricやCordaなどが知られている。

D

DLT Distributed Ledger Technology

分散型台帳技術(distributed ledger technology、DLT)は、金融資産や金融取引等のデータを記録するための技術であり、単一の中央管理システムを置くことなく、ネットワークでつながれた複数のコンピュータがデータの検証・更新を行うことを可能とする。

関連語:MPCマルチシグウォレット

E

電子決済手段(でんしけっさいしゅだん) Electronic Payment Instrument

2023年改正資金決済法が新設した分類。法定通貨と1対1で価値が連動し、不特定多数との間で使用できるデジタル資産を指す。ステーブルコインがこれに該当し、発行者は銀行・資金移動業者・信託会社に限定される。取扱業者の登録制度も整備された。

関連語:ステーブルコイン 資金決済法

F

FATF Financial Action Task Force

マネーロンダリング・テロ資金供与対策の国際基準を策定する政府間機関(本部:パリ)。仮想資産サービスプロバイダー(VASP)に対する規制ガイダンスを策定し、FATF勧告を踏まえ各国で関連法制度の整備が進められている。国際的な規制議論においても役割を担っている。
※出典:金融庁「金融活動作業部会(FATF)」

関連語: AML/CFT

I

ISO20022 ISO20022

金融メッセージングの国際標準規格。XML形式で構造化されたデータを扱い、SWIFT・各国の決済インフラが順次移行中。トークン化インフラとの接続においても、既存の勘定系・決済系との互換性を保つためのキーとなる規格
※出典:日本銀行「ISO 20022 の概要 」(2015年3月)

関連語: API

K

KYC Know Your Customer

金融機関が顧客の本人確認・身元調査を行う義務的なプロセス。ステーブルコインや暗号資産の取引においても適用され、オンチェーンKYC(ウォレットアドレスに本人確認情報を紐付けるスキーム)に関する取り組みや議論が進められている。MiCA規制やFATFガイダンスにおいてAML/CFTやKYC対応に関する要件が提示されている。

関連語: AML/CFT FATF

M

MAS Monetary Authority of Singapore

シンガポール金融管理局。アジアにおけるデジタル資産規制などに取り組む機関の一つ。Project Guardian(資産トークン化の産官連携実証)やProject Nexus(多国間インスタント決済接続)などの取り組みを推進している。

関連語: Project Nexus CBDC
MPC Multi-Party Computation

秘密鍵を複数の参加者に分散して保管し、誰も単独では鍵全体を知ることなく署名を生成できる暗号技術。単一障害点を排除できるため、カストディや機関投資家向けウォレット管理領域などで活用されている。HSMとの組み合わせで利用されるケースもある。

関連語: マルチシグ

O

オラクル Oracle

外部(オフチェーン)のデータをブロックチェーン上のスマートコントラクトに提供する仕組み。為替レート・金利・資産価格など、リアルワールドのデータを取り込むためのデータ・レポジトリ。

関連語: スマートコントラクト RWA

P

Project Nexus Project Nexus

MAS(シンガポール金融管理局)主導による多国間インスタント決済ネットワーク接続プロジェクト。各国の即時決済システム(IPS)を標準APIで接続し、クロスボーダー送金のコスト・速度を大幅に改善することを目指す。インド・マレーシア・タイなどが参加する予定。

関連語: MAS

R

RWA Real World Assets

不動産・債券・株式・コモディティ・インフラなどの現実世界の資産をブロックチェーン上でトークン化したもの。資産の小口化やデジタル上での管理・流通を可能にする概念として注目されている。

関連語: セキュリティトークン オラクル

S

スマートコントラクト Smart Contract

契約条件をコードとしてブロックチェーン上に記述し、条件成立時に自動実行されるプログラム。人手を介さずに利息支払い・担保解放・決済などを自動化できる。金融実務ではバグや脆弱性リスクへの対応としてコード監査や形式検証が実施されるケースもある。

関連語: ブロックチェーン オラクル
ステーブルコイン Stablecoin

価格の安定性を維持するよう設計された暗号資産の一形態。法定通貨(USD・JPYなど)に価値を連動させるタイプが多い(例:USDC・JPYC)。日本では2023年改正資金決済法により電子決済手段として法的に位置づけられ、発行者・取扱業者に規制が整備されている。

関連語: 電子決済手段 CBDC トークン化預金
STO / セキュリティトークン Security Token Offering / Security Token

有価証券(株式・社債・不動産ファンド持分など)をトークン化して発行・流通させること。日本では金融商品取引法上の「電子記録移転権利」として規制され、第一種金融商品取引業の登録が必要。デジタル社債の発行が国内で複数実施されている。

関連語: RWA

U

USDC USD Coin

Circle社が発行するドル連動型ステーブルコイン。1USDC=1USDの価値が保証され、米国財務省短期証券などの現金同等物によって裏付けられている。企業間決済・クロスボーダー送金・DeFi領域などで利用されており、世界的に流通量の多いドル建てステーブルコインの一つ。

関連語: ステーブルコイン 電子決済手段

W

ウォレット(デジタル資産ウォレット) Digital Asset Wallet

デジタル資産の送受信・保管に用いる秘密鍵を管理するソフトウェアまたはハードウェア。金融機関向けでは、カストディアル・ウォレット(鍵を機関が管理)とセルフカストディを区別して整理することが多い。鍵管理方式としてはHSM・MPC・マルチシグなどが利用される。

関連語: MPC マルチシグ

あ行

アトミックスワップ Atomic Swap

仲介者を介さずに、異なるブロックチェーン上の資産を同時に(アトミックに)交換する仕組み。「DVP(Delivery versus Payment)」のオンチェーン実装のひとつとして注目されており、決済リスクの低減が期待されている。

関連語: スマートコントラクト STO

か行

金融商品取引法(金商法) Financial Instruments and Exchange Act

日本の証券規制の基幹法。日本では、一定のデジタル証券(セキュリティトークン)が電子記録移転権利として金融商品取引法の適用対象となる。発行・販売スキームに応じて金融商品取引業登録が必要となる場合がある。2020年の法改正でデジタル証券に関する条項が整備された。

関連語: STO

さ行

資金決済に関する法律(資金決済法) Payment Services Act

電子マネー・前払式支払手段・資金移動業・暗号資産などを規制する日本の法律。2022年改正資金決済法(2023年施行)により電子決済手段(ステーブルコイン)に関する制度が整備された。日本では、電子決済手段の発行主体として、銀行・資金移動業者・信託会社等が位置づけられており、取扱業者は登録制となっている。

関連語:電子決済手段ステーブルコイン

た行

トークン化(金融トークナイゼーション) Financial Tokenization

資産の権利や価値をブロックチェーン上のデジタルトークンとして表現・記録するプロセス。通貨・証券・不動産・債権など、さまざまな資産が対象となる。決済の効率化・担保管理の高度化・流動性の向上などへの活用が期待される。単なる「速くて安い送金」ではなく、金融インフラの構造的再設計として捉えるべき概念。

関連語: スマートコントラクト RWA STO
トークン化預金(Tokenized Deposit) Tokenized Deposit

銀行預金を、ブロックチェーン(分散型台帳)技術を用いてデジタルトークンとして表象(トークン化)するプロセスや仕組み。従来の銀行預金債権そのものがトークン化されるため、安全性や規制の観点では従来の銀行預金との関係性を維持した形で設計されるケースが多い。

関連語: ステーブルコイン CBDC

な行

ノード Node

ブロックチェーンネットワークに参加し、取引の検証・台帳の複製を保持するコンピュータ。金融機関が自行ノードを運用することで、ネットワークへの直接参加し取引データを確認できる。バリデーターノードは、ネットワーク上で取引検証やブロック生成を担う。

関連語: ブロックチェーン

ま行

マルチシグ(マルチシグネチャ) Multi-Signature

複数の秘密鍵のうち、あらかじめ定めた数(m-of-n)の署名がそろった場合のみ取引を承認できる仕組み。単一の鍵紛失・漏洩リスクの低減を目的として利用される。金融機関向けウォレットなどでは、内部統制や承認フローとの組み合わせを考慮して採用されるケースが多い。

関連語: MPC

ら行

流動性プール / 流動性(金融) Liquidity Pool / Liquidity

(1)金融における流動性:資産を損失なく現金化しやすい性質。トークン化によって従来流動性が限定的だった資産(不動産・社債等)の取引機会拡大や流動性向上が期待されている。 (2)DeFiにおける流動性プール:スマートコントラクトにトークンを預け入れ、AMM(自動マーケットメーカー)などを通じた取引を可能にする仕組み。

関連語: RWA スマートコントラクト