コラム Column

ミニアプリがもたらす新しいUX、サービスのカタチ

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2021年7月8日(木)、TISインテックグループはオンラインイベント『TIS INTEC Group BUSINESS SUMMIT 2021 ITで、社会の願い叶えよう。』を開催し、持続可能なデジタル社会の実現に向けTISインテックグループの先進技術・ノウハウを駆使したサービスや取り組みを紹介しました。

本コラムでは3週にわたり、3つのセッションをレポートとしてまとめて掲載しています。
1.「金融と非金融の融合によるデジタル口座ユースケースの拡がりと展望」
2.「ミニアプリがもたらす新しいUX、サービスの形~エンドユーザーに使われるアプリ構築~」
3.「MaaSで実現する多サービス連携 沖縄MaaSにおける交通と商業/観光等の連携実現」

先週の 1.「金融と非金融の融合によるデジタル口座ユースケースの拡がりと展望」に引き続き、今週は2.「ミニアプリがもたらす新しいUX、サービスのカタチ~エンドユーザーに使われるアプリ構築~」というテーマについてです。今、世界中に広まりつつある「スーパーアプリ」とそれを構成する「ミニアプリ」の基本的な概念、ユーザーの購買行動から見たスーパーアプリ・ミニアプリ戦略のメリットなどを解説しています。

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プロフィール
TIS 岩崎 貴司
https://service.paycierge.com/column/writer/iwasaki-takashi/

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●スーパーアプリ・ミニアプリの基本的な概念の整理

スーパーアプリとは

スーパーアプリとは、日常生活のあらゆる場面で活用できる統合的なアプリのことです。特徴はスマートフォンで一般的に行えるサービスが、全てひとつのアプリケーションで一貫したユーザー体験(UX)のもとで統合されていることです。

スーパーアプリの概念図

上図はひとつのアプリを立ち上げた際のイメージですが、金融・公共サービスなどの送金や、レンタルバイク予約、テイクアウトの予約など多種多様なサービス利用が可能となります。さまざまなジャンルがひとつのアプリケーションで行えるのがスーパーアプリの定義であり、メリットとなっています。

ミニアプリとは

ミニアプリとは、スーパーアプリから起動し、別のアプリケーションのようにして利用できる個々の機能のことです。限られた機能を提供することからミニアプリと呼ばれ、WebViewを用いた軽量なアプリケーションとして実装されることが多いのが特徴となっています。

実際にネイティブアプリ(App Store等のアプリストアでインストールするアプリ)の機能として実装されているような例もあり、WEBアプリケーションである必要なく、スーパーアプリと連動してひとつの世界を構築していることがポイントとなります。

海外での実例

海外の実例として、中国では「WeChat」と「Alipay」が2大スーパーアプリとして台頭し、巨大な経済圏を形成しています。中国特有のインターネット環境があり、海外企業が参入しにくいことも2大スーパーアプリの成長を後押ししている理由の1つです。

東南アジアでは「Grab」「Gojek」といった配車サービスが中核となってスタートしたスーパーアプリが成長を遂げ市場の開拓に成功しています。中核となる機能があり相性の良いサービスを巻き込んで成長していくスーパーアプリという概念は、今後東南アジア以外でも広まっていくことが予測できます。

日本国内の状況

日本国内では、「LINE(LINE Pay)」や「PayPay」といった決済機能を持ったアプリがスーパーアプリ戦略を公表しています。NTTドコモの「d払い」やKDDIの「au Pay」といったキャリア系でも、同様の戦略を表明しています。

上記以外にも、スーパーアプリへの動きを見せている企業が現れ、大きな発展が期待されているのが日本国内の状況となっています。

なぜスーパーアプリなのか?

自社の持っているサービスなどを自社決済アプリを中心に集約していく動きが見られています。自社決済アプリの経済圏拡大による収益の最大化を図るため、自社決済アプリを軸にスーパーアプリを構築していくのが主な狙いです。

au戦略図

参照元:https://www.coindeskjapan.com/59972/
例えばauのスマートマネー構想では、「au Pay」を中核として自社の経済圏を広げていく動きが見られています。これに自社サービスだけではカバーできない領域をミニアプリで連携することで、自社の経済圏のさらなる拡大を狙うことが可能になります。このように日本のスーパーアプリ展開は決済系を中心に広がりを見せており、今後の発展が期待されています。