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IRF(インターチェンジフィー)とは?クレジットカード決済の仕組みやコストを削減するポイントも解説

店舗でクレジットカード決済を導入・運用する上で、見過ごせないのが「IRF(インターチェンジフィー)」の存在です。IRFは加盟店が支払う手数料に大きく関わる仕組みであり、その構造や変動要因を理解することは、コスト削減の第一歩となります。

本コラムでは、IRFの基本的な意味や決済の仕組み、そしてコストを抑える実践的な方法について分かりやすく解説します。

目次
1 IRF(インターチェンジフィー)とは?定義と意味を理解しよう
1-1 IRFを構成する3者の関係
1-2 イシュアとアクワイアラが同一の場合はIRFは発生しない
2 クレジットカード決済の仕組みとIRF
2-1 クレジットカード決済の流れ
2-2 手数料の内訳とIRFの関係
3 IRFが変動する要因とその仕組み
3-1 カードブランドによってIRFが異なる
4 IRFが店舗にもたらす影響と課題
4-1 コスト構造に与える影響
4-2 不正検知・セキュリティ対策との関連
5 国内外におけるIRF規制の現状と今後の動向
5-1 海外の主要国での規制状況
5-2 日本での将来的なIRFのあり方
6 クレジットカード決済の手数料・コストを下げる方法
6-1 自社のクレジットカード(ハウスカード)を発行する
6-2 決済代行会社を利用する
7 自社でクレジットカードを発行するメリット
7-1 IRF収入の獲得とキャッシュフローの安定化
7-2 顧客データの取得とマーケティングへの活用
7-3 ブランディング強化
7-4 囲い込みによるLTV (Life Time Value) の最大化
7-5 FinTech・サブスク事業との連携
8 決済代行会社を利用するメリット
8-1 手数料の見える化と最適化が可能になる
8-2 自社に合った手数料体系を選べる柔軟性
8-3 不正対策やセキュリティ対策がIRF削減に寄与する
9 まとめ

1 IRF(インターチェンジフィー)とは?定義と意味を理解しよう

出典:経済産業省「インターチェンジフィーとは」

IRF(Interchange Reimbursement Fee)とは、クレジットカード決済において、アクワイアラ(カード加盟店契約会社)からイシュア(カード発行会社)に支払われる手数料、「インターチェンジフィー」のことです。店舗がカード決済を受け付けた際、加盟店からアクワイアラを通じてイシュアに間接的に支払われる仕組みになっています。

IRFは、イシュア(カード発行会社)が負担している信用リスクや不正対策にかかる費用に対する「報酬」として位置づけられ、金額はVisaやMastercardといった国際ブランドごとに細かく設定されています。IRFの料率は一律ではなく、カードの種類や決済手段、業種などによって異なり、日々のカード決済において大きなコストとなっている要素の一つです。

そのため、店舗経営者やEC事業者がIRFの仕組みを理解することは、決済コスト全体を見直す上で欠かせないポイントと言えるでしょう。

1-1 IRFを構成する3者の関係

IRF(インターチェンジフィー)の仕組みを理解するには、クレジットカード決済に関係する3者の役割を知ることが欠かせません。

まず「イシュア(Issuer)」は、クレジットカードを発行する銀行やクレジット会社で、代表的な企業には三井住友カード株式会社や楽天カード株式会社などがあります。

次に「アクワイアラ(Acquirer)」は、加盟店と契約を結び、クレジットカードの決済処理を行う企業です。三菱UFJニコス株式会社や株式会社クレディセゾンなどが該当し、加盟店とカード発行会社の間を仲介する役割を担っています。

そして「加盟店(Merchant)」は、実際にカード決済を受け付ける店舗やECサイト運営者で、日々の取引を通じてIRFの支払いに関わる存在です。IRFは、加盟店からアクワイアラを経由してイシュアに支払われるという構造になっており、これら3者の関係性が基盤となっています。

なお、イシュアとアクワイアラの違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。

関連コラム:イシュアとアクワイアラの違いとは?クレジットカード決済を導入する方法や手順を分かりやすく解説

1-2 イシュアとアクワイアラが同一の場合、IRFは発生しない

クレジットカード決済において、通常はアクワイアラとイシュアが別の会社であるため、加盟店からの手数料の一部がIRFとしてイシュアに支払われます。しかし、アクワイアラとイシュアが同一の会社である場合、IRFは発生しません。このような取引を「オンアス(On-Us)取引」と呼びます。

例えば、三井住友カードが発行したカードが、同じく三井住友カードが加盟店契約をしている店舗で利用された場合は、オンアス取引です。オンアス取引は、カードの不正利用などが発生した場合でも自社内で処理できるため、取引の保留や取消判断が迅速に行えるなど、コスト面だけでなく運用面でもメリットがあります。

一方で、アクワイアラとイシュアが異なる「オフアス取引」では、決済後に問題が起きた場合、アクワイアラがイシュアに対して請求を差し戻す必要があり、手続きが煩雑になることもあります。

2 クレジットカード決済の仕組みとIRF

クレジットカード決済は、シンプルに見えて、その裏側では複数の事業者が情報と資金を複雑にやり取りしています。ここでは、カード決済の基本的な流れとIRF(インターチェンジフィー)がどのように関係しているのかを解説します。

2-1 クレジットカード決済の流れ

クレジットカード決済は、店舗でのスムーズな支払いの裏側で、加盟店、アクワイアラ、国際ブランド、イシュアなどが連携しながら、情報と資金を処理しています。具体的には、以下のような流れで進行します。

  1. 顧客が店舗でカード決済を行う
    商品購入時、顧客がクレジットカードを提示し、加盟店の決済端末やオンラインシステムで取引情報を取得します。
  2. 認証リクエストを送信
    加盟店は、決済情報をアクワイアラに送信し、アクワイアラは国際ブランド(VisaやMastercardなど)を経由して、イシュアに認証を依頼します。
  3. イシュアが認証可否を判断
    イシュアはカードの有効性、限度額、不正利用の兆候などをチェックし、承認または拒否の応答を返します。
  4. 決済の確定と売り上げ入金
    認証が承認されると取引が成立し、店舗での決済は完了します。後日、アクワイアラから加盟店に売り上げ金が振り込まれます。
  5. 手数料の差し引きとIRFの支払い
    売り上げ金が振り込まれる際は、決済手数料が差し引かれています。この中にはアクワイアラの取り分やブランド手数料に加え、IRF(インターチェンジフィー)としてイシュアに支払われる分も含まれています。

IRFは加盟店側では直接目にする機会が少ないものの、決済プロセスの中で確実に発生する固定的なコストです。そのため、IRFの仕組みを理解することは、決済コストの全体像を把握し、改善策を検討する上で欠かせません。

2-2 手数料の内訳とIRFの関係

クレジットカード決済において、加盟店が支払う手数料には複数の要素が含まれており、その中の一つがIRF(インターチェンジフィー)です。一般的な手数料の内訳は、「IRF + ブランドフィー + アクワイアラマージン」で成り立っており、これらを合算したものが加盟店に請求される「加盟店手数料」となります。

特にIRFは、決済手数料の中でも大きな割合を占めるケースが多いのが特徴です。取引内容やカードの種類によって異なりますが、Visa、Mastercard、Union Pay(銀聯)の3社はIRFの標準料率を公開しています。カード決済の「決済手数料が高い」と感じる場合や、新規導入を検討している際は、これらの標準料率を確認することで、コスト構造の理解が深まります。

店舗に提示される加盟店手数料は通常「一括の○%」という形式で示されるため、内訳が見えにくいのが実情です。しかし、カードブランドがIRFの標準料率を公開している場合や、契約先や決済代行サービスによっては詳細な内訳が確認できる場合もあります。そのため、IRFの仕組みと位置づけを理解することは、決済コストを正しく把握し、削減の可能性を探る上で欠かせないポイントです。

3 IRFが変動する要因とその仕組み

IRF(インターチェンジフィー)の料率は一律ではなく、業種や取引の内容・条件によって大きく変動します。

例えば、オンライン決済(EC)は対面取引に比べて不正利用のリスクが高いため、IRFも高く設定されがちです。また、個人用カードと法人カードでは、後者の方がリスクや処理コストが高いため、IRFが高くなる傾向にあります。加えて、ICチップ対応端末を導入しているかどうかもリスク判断に影響し、非対応の場合はIRFが割高になることもあります。

さらに、VisaやMastercardなどの国際ブランドごとに細かな「カテゴリ」が設定されており、業種や取引形態に応じた料率が自動的に適用される仕組みです。こうした複数の要因が組み合わさって、最終的なIRF料率が算出されます。

3-1 カードブランドによってIRFが異なる

IRF(インターチェンジフィー)は、クレジットカードのブランドごとに設計や料率が異なります。例えば、VisaやMastercardは比較的透明性が高く、取引の種類や業種ごとの細かなカテゴリと、それに対応するIRFの標準料率を公開しています。一方で、JCBなどは自社独自の手数料体系を採用し、IRFという形を取らない場合があります。また、国や地域によっては、IRFに法的な上限が設けられていることもあります。

IRFはカード決済における実質的なコストとなるため、ブランドごとの料率や手数料の仕組みを把握しておくことは、コスト構造を理解し最適化する上で有用です。

4 IRFが店舗にもたらす影響と課題

IRF(インターチェンジフィー)は店舗にとって見えにくいコストでありながら、経営に大きな影響を与える要素です。この章では、IRFが店舗にもたらす影響と課題を解説します。

4-1 コスト構造に与える影響

IRF(インターチェンジフィー)は、店舗が日々支払うクレジットカードの決済手数料の中でも大きな割合を占めるため、「隠れた負担」として利益を圧迫する要因になります。

例えば、手数料率が3%に設定されていたとしても、そのうちの約7割がIRFのケースもあり、実質的にはカード会社(イシュア)に多くを支払っている構造です。特に、原価率が高い商品を扱う小売業や飲食業では、この手数料の負担が直接的に利益率を押し下げることになります。

また、キャッシュレス化が進む中で、顧客の利便性を重視してカード決済を導入する店舗が多いですが、事前にIRFや手数料体系を十分に理解しないまま導入してしまうと、長期的には「売り上げは増えたのに利益が減った」という事態に陥る可能性があります。

IRFの影響を正しく把握し、コスト管理の視点から戦略的に決済手段を選定することが重要です。

4-2 不正検知・セキュリティ対策との関連

IRF(インターチェンジフィー)は取引リスクの要素やクレジットカードのランクなどをベースに設定されています。そのため、取引の安全性に応じて料率が変動し、セキュリティ対策が充実しているほどIRFは低く抑えられる傾向にあります。

例えば、オンライン決済においては「3Dセキュア」の導入、実店舗では「ICチップ対応端末」の利用などが、安全性の高い取引と評価され、IRFの優遇条件となる可能性があります。ただし、磁気ストライプのみの端末を使っている、3Dセキュア未対応など、セキュリティ対策が不十分な環境では決済リスクが高いと判断され、IRF料率が割高になる場合もあるため、注意が必要です。

店舗側も積極的にセキュリティ対策を進めることで、IRFを含む全体の決済コストを抑えることが可能となるため、安全性とコスト削減を両立させる戦略が求められます。

5 国内外におけるIRF規制の現状と今後の動向

IRF(インターチェンジフィー)は国や地域によって制度やルールが異なり、規制の有無が加盟店の負担にも影響を与えています。ここでは、海外の主要国におけるIRFの規制状況と、日本における今後の動向を解説します。

5-1 海外の主要国での規制状況

海外では、加盟店保護やキャッシュレス推進を目的に、IRFに対する法的上限規制が導入されている国が多く、制度整備が進んでいます。

例えば、EUでは、2015年からIRFの上限が法的に定められており、クレジットカードは0.3%、デビットカードは0.2%までと制限されています。この取り組みによって、加盟店側の手数料負担が軽減され、取引の透明性も向上しました。

オーストラリアでは、中央銀行であるReserve Bank of Australiaがカードネットワークに対し、IRFの上限や平均料率のガイドラインを設けており、不当な手数料設定を防止する仕組みが整っています。

一方、日本では明確な上限規制は設けられておらず、VisaやMastercardなど各ブランドが独自に料率を設定しています。そのため、加盟店によって支払うIRF料率にばらつきがあり、不透明性が課題とされています。今後の制度整備が期待される分野の一つです。

出典:経済産業省「第四回の議論の振り返り、インターチェンジフィーに関する分析、ペーパーレスに向けた取組等について」

5-2 日本での将来的なIRFのあり方

日本におけるIRF(インターチェンジフィー)の制度設計は、今後のキャッシュレス推進と中小事業者支援の観点から、今後の改善が注目されています。

2022年までは、IRFの料率はカードブランドごとに非公開で設定されており、特に中小の店舗では交渉力に乏しく、手数料の内訳すら把握できないケースが多くありました。そうした問題を受け、公正取引委員会および経済産業省は国際ブランドに向けてインターチェンジフィーの標準料率の公開を呼びかけたところ、Visa、マスターカード、銀聯(ユニオンペイ)の3社が、IRFの標準料率を公表しました。

日本政府は、中小店舗がキャッシュレス決済をさらに導入しやすくするために、加盟店手数料の低下に向けた方策を引き続き検討するだけでなく、IRFの他にもアクワイアラがイシュアに支払う平均的な手数料率の開示にも意欲を見せています。

キャッシュレスの利便性と、店舗・カード事業者側の持続可能性の両立を図るためには、より公平で分かりやすい制度設計が不可欠です。

6 クレジットカード決済の手数料・コストを下げる方法

クレジットカード決済にかかる店舗側のコストは、契約方法や運用の工夫によって削減することが可能です。ここでは代表的な方法を紹介します。

6-1 自社のクレジットカード(ハウスカード)を発行する

クレジットカード決済にかかるコストを根本的に見直す手段の一つが、自社でカードを発行する、つまりイシュアになることです。

通常は他社のカードで決済される度にIRF(インターチェンジフィー)を支払う立場ですが、自社カードを発行すれば、顧客がそのカードを使った際にIRFを「受け取る側」になるため、費用ではなく収益へと転換できます。

また、スマートフォンアプリやサブスクリプションサービスと連携し、プリペイド型のハウスカードを発行することも可能です。これにより、顧客利便性を高めながら自社への囲い込みを強化できるでしょう。

既存顧客に向けたポイント還元や限定特典といった付加価値の提供と、IRFによる収益確保の両立が可能になる点も大きな魅力です。

6-2 決済代行会社を利用する

クレジットカード決済にかかる手数料を見直す手段として、有効なのが決済代行会社の活用です。多くの決済代行会社は、VisaやMastercardといったブランドやイシュアに対して一定の交渉力を持っており、個別に契約するよりも有利な手数料体系を店舗に提供できるケースがあります。

また、自社で複数の決済事業者と直接契約している場合、それぞれの管理や入金処理が煩雑になりがちですが、決済代行会社を通すことで決済情報の一元管理が可能になり、業務の効率化とコスト削減を同時に実現できます。

さらに、場合によっては直接契約よりも総手数料が安くなることも多く、特に中小規模の事業者にとっては導入効果が大きい選択肢です。

7 自社でクレジットカードを発行するメリット

クレジットカードを自社で発行することで、コスト削減にとどまらず、新たな収益源の確保という大きなメリットがあります。ここでは、自社でクレジットカードを発行するメリットについて詳しく解説します。

7-1 IRF収入の獲得とキャッシュフローの安定化

自社で発行したクレジットカードを顧客が他店舗で利用すると、その都度、国際ブランドを介してIRF(インターチェンジフィー)が自社に支払われる仕組みとなります。これにより、「手数料を払う側」から「受け取る側」へと転換でき、決済そのものが自社の利益になります。

特にカードの利用頻度が高くなるほど、継続的かつ安定的な収益源となり、キャッシュフロー改善にも寄与します。これにより、販売収益以外の新たなビジネスモデルの確立が可能となり、長期的な事業基盤の強化につながります。

7-2 顧客データの取得とマーケティングへの活用

自社でクレジットカードを発行することで、決済履歴や購入タイミング、カテゴリ別の利用傾向などの詳細な顧客データを自社で保有できるようになります。

これらの情報は売り上げ記録にとどまらず、顧客の嗜好や購買行動を可視化する貴重な資産です。これらのデータを活用することで、パーソナライズされたクーポンの配信や、関連商品のクロスセル提案、リピートを促すタイミングでのリマインドなど、より精度の高いマーケティング施策が可能になります。

7-3 ブランディング強化

自社でクレジットカードを発行し、顧客に利用してもらうことは、ブランドへの帰属意識を高める効果があります。

カードを通じて企業と日常的に接点を持つことで、顧客はまるで「企業の一員」のような感覚を抱きやすくなります。さらに、オリジナルデザインのカードやロイヤルティプログラムと連動させることで、決済手段にとどまらず、ブランドへの愛着や利用頻度の向上を促すツールとして活用できるでしょう。

これは競合企業・ブランドとの差別化や、長期的なファンづくりにもつながる有効な戦略です。

7-4 囲い込みによるLTV(Life Time Value)の最大化

自社発行のクレジットカードに独自の特典や優待を組み込むことで、顧客を囲い込む効果も期待できます。例えば、自社ECサイトで使える限定ポイントや、実店舗での割引、提携サービスとの連携特典などを設ければ、利用頻度や継続率の向上につながり、LTV(顧客生涯価値)を最大化できます。

特に、定期購入やサブスクリプション型のサービスとカードを組み合わせることで、継続的な収益を生むモデルを構築しやすくなり、チャーンレート(解約率)の低下にも効果的です。

7-5 FinTech・サブスク事業との連携

自社カード発行は、決済手段にとどまらず、キャッシュレス基盤を活用した新規事業展開にも直結します。例えば、サブスク専用カードの発行や、BNPL(後払い)との組み合わせによる柔軟な支払いモデルの構築も可能です。

さらに、アプリ内決済との統合により、ユーザー体験を一気通貫で最適化でき、顧客の利便性向上と継続利用促進を同時に実現します。こうした取り組みは、企業のデジタル戦略の起点として重要な役割を果たします。

8 決済代行会社を利用するメリット

クレジットカード決済のコストを抑える有効な方法の一つが、決済代行会社の活用です。ここでは、決済代行会社を利用することで得られる主なメリットを紹介します。

8-1 手数料の可視化と最適化が可能になる

決済代行会社を利用するメリットの一つは、手数料の内訳が明確になる可能性があることです。一般的にクレジットカード決済の手数料は一括表示されることが多く、「IRF(インターチェンジフィー)」「ブランドフィー」「アクワイアラマージン」などの内訳を正確に把握するのは難しい場合があります。

しかし、一部の決済代行会社では、これらの内訳を開示し、透明性の高い料金体系を提示してくれる企業もあります。これにより、不要または過剰なコストを発見でき、手数料交渉や契約条件の見直しといったアクションにつなげることが可能になります。これは、コスト管理を強化したい事業者にとって大きなメリットです。

8-2 自社に合った手数料体系を選べる柔軟性

決済代行会社を利用することで、自社のビジネスモデルや契約条件に適した柔軟な手数料プランを選択できる点も大きなメリットです。

業種や取引単価、決済チャネル(ECサイトか実店舗か)などによって最適な料金体系が異なります。例えば、高頻度・小額決済が多い業態には、月額固定の定額制プランが向いています。一方、単価の高い商材を扱うビジネスでは、決済ごとの従量課金制がコスト効率が良くなるケースもあります。こうした選択肢を持てることで、無駄なコストを省き、手数料を抑えることが可能です。

決済代行会社によっては、業種特化型のプランを提供している場合もあり、自社に最適なパートナーを見つけることが、コスト最適化への近道と言えるでしょう。

8-3 不正対策やセキュリティ対策がIRF削減に寄与する

一部の決済代行会社では、ICチップ対応端末の提供や3Dセキュアの導入支援といった、セキュリティ強化をサポートするサービスを提供しています。これにより、カード決済における不正リスクを抑え、取引の安全性が高いと判断されれば、ブランド側が設定するIRF(インターチェンジフィー)料率が引き下げられる可能性があります。

特にオンライン決済では、セキュリティ対策の有無がIRFに大きく影響するため、こうした支援を受けることで加盟店の負担を実質的に軽減できます。コスト削減と安全性の両立を図る上で、決済代行会社の選定は重要なポイントです。

9 まとめ

クレジットカード決済にかかるコストの多くは、IRF(インターチェンジフィー)をはじめとする見えにくい手数料によって構成されています。これらの仕組みを正しく理解し、自社に合った対策を講じることで、手数料負担を抑え、利益率の向上を図ることが可能です。

特に、自社カードの発行や決済代行会社の活用などは、実践的かつ効果的な方法として注目されています。

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