
オンラインで完結する購買やサービス利用が一般化する一方で、実店舗ならではの体験価値を求める消費者も増えています。こうした中、効果的な来店促進施策は、売り上げ拡大やリピーター獲得の重要な要素となっています。来店促進は、単に広告で人を集めることではなく、顧客に「この店舗に行きたい」と感じてもらう理由やメリットを提供することが重要です。
本記事では、来店促進の意味や代表的な施策、具体的な事例、成功させるためのポイントを解説し、実店舗での集客を高めるためのヒントをお届けします。
1 来店促進とは?
1-1 なぜ「来店促進」が重要なのか
2 来店促進の代表的な施策とアイデア
2-1 オフライン施策の代表例
2-2 デジタル施策の代表例
2-3 店舗への再来店を促す施策
2-4 地域密着型の施策
2-5 キャンペーン・イベントによる集客
2-6 電子決済(○○ペイなど)を活用した集客施策
2-7 独自Payを活用したデータドリブンな施策
3 成功する来店促進の事例
3-1 業種別(飲食、小売・アパレル、美容)の成功事例紹介
3-2 アプリ・クーポンを活用した成功例
3-3 地域イベント・SNS連動型の成功例
4 来店促進を成功させるためのコツと注意点
4-1 来店する理由・メリットを顧客目線で伝える
4-2 タイミング・頻度・継続性の工夫
4-3 費用対効果を見極める視点
4-4 やってはいけないNG施策例
5 来店促進のソリューションを提案できるTISへお任せ
6 まとめ
1 来店促進とは?
来店促進とは、実店舗への集客を目的とした施策全般を指します。割引や広告など、単発の施策にとどまらず、顧客が来店したくなる理由を設計する取り組みも含まれます。そのため、来店促進は、売り上げの向上だけでなく、来店体験を通じて顧客との接点を深め、顧客との継続的な関係構築につなげるきっかけにもなります。
特に小売・飲食・サービス業など実店舗型ビジネスにおいては、来店機会を安定的につくることが、売り上げや顧客関係の継続に直結します。
なお、来店促進は販促やプロモーションの一部として扱われることもありますが、広告出稿そのものを指す言葉ではありません。来店促進は、顧客が実際に店舗へ足を運ぶ行動に着目し、そのきっかけや導線を設計する取り組みであり、実店舗ビジネスならではの視点が求められます。
1-1 なぜ「来店促進」が重要なのか
近年、ECの普及やデリバリー・モバイル注文の拡大により、消費者は必ずしも実店舗へ足を運ばなくても商品やサービスを利用できるようになっています。その結果、店舗に行く理由や動機が、以前よりも明確に求められるようになりました。
一方で、オンラインでは代替できない「体験価値」や「対面接客」へのニーズは依然として存在します。実際に商品を手に取れることや店舗ならではの空間・イベントは、購買の意思決定に影響を与える要素です。
こうした環境下において来店促進は、単に人を集めるための施策ではなく、顧客に来店する理由をつくり、店舗体験を価値として伝えるための重要な考え方と言えます。
2 来店促進の代表的な施策とアイデア
来店促進には、従来活用されているオフライン施策に加え、デジタル施策も注目を集めています。ここでは代表的な手法と特徴を紹介します。
2-1 オフライン施策の代表例
オフライン施策は、店舗周辺や地域において、顧客と直接接点を持てる点が大きな特徴です。店頭POPやブラックボードは、来店客や通行人に新商品やおすすめ情報を視覚的に伝え、入店や購買のきっかけをつくります。また、街頭配布チラシやポスティング、新聞折込広告は、商圏を限定して情報を届けられるため、地域密着型の来店促進に適しています。特に、デジタル施策との接触が少ない層に対しては、今も有効な手法です。
さらに、店頭イベントや実演販売は、商品やサービスを実際に体験できる機会を提供します。店舗やブランドへの理解を深める点で効果が期待できます。
オフライン施策はデジタル施策と比べて効果測定が難しい一方で、対面での接点を通じて関係性を築きやすいという特長があります。
2-2 デジタル施策の代表例
デジタル施策は、来店前の検討段階や探索行動に直接的に働きかけ、店舗に足を運ぶ理由を具体化できる点が特徴です。顧客属性や行動に応じて情報を届けられるため、効率的な来店促進が可能です。
既存顧客との接点づくりとしては、LINE公式アカウントを活用したメッセージ配信が挙げられます。クーポンやイベント情報を通じて、顧客の来店するきっかけをつくる役割を担います。自社アプリも同様に、スタンプカードや来店履歴の管理を通じて、顧客との継続的な接点を持つための手段として活用されます。
一方、MEO(マップエンジン最適化)は、Googleマップなどで店舗を探している、来店意向が高いユーザーの検索行動に対応する施策です。来店を検討しているタイミングで適切な情報を提示することで、検索からの来店を後押しします。
さらに、SNS広告では写真や動画を用いて店舗の雰囲気や商品を伝え、ターゲット層に合わせた来店動機の形成が図れます。
これらのデジタル施策は、効果測定や改善が行いやすく、状況に応じて施策を調整できる点が特長です。来店前の行動に合わせて情報を届けられることが、デジタル施策ならではの強みと言えるでしょう。
2-3 店舗への再来店を促す施策
新規顧客を呼び込むだけでなく、既存顧客との関係を継続させる仕組みづくりも、来店促進において重要な視点です。再来店を促す施策は、顧客に「また行こう」と思い出してもらうきっかけをつくる役割を担います。
代表的な手法として、ポイントカードやスタンプカードがあります。来店回数に応じて特典が得られる仕組みは、店舗を選ぶ理由の一つとなり、継続利用を後押しします。また、リピート客向けの特典や会員優待は、既存顧客との関係性を深める施策として活用されています。「常連であることのメリット」を示すことで、来店の優先度を高める効果が期待できます。さらに、特別クーポンやバースデーメールなど、顧客属性や来店履歴に応じたパーソナライズ施策は、店舗との接点を維持し、再来店のきっかけをつくる手段です。
こうした再来店施策は、新規集客と比べて比較的コストを抑えやすく、顧客との長期的な関係構築を支える取り組みとして位置付けられます。
2-4 地域密着型の施策
地域における認知や信頼を積み重ねていくには、地域密着型の施策が有効です。こうした施策は、近隣住民との接点を増やし、日常的に選ばれる店舗であることを意識してもらう役割を担います。
例えば、商店街のスタンプラリーや共同イベントへの参加は、近隣店舗との連携を通じて回遊性を高め、来店のきっかけを広げる取り組みとして活用されています。単独では届きにくい層にも接点を持てる点が特徴です。また、地域SNSや地域コミュニティアプリなどを活用することで、近隣住民に向けて情報を届けやすくなります。商圏を絞った情報発信ができるため、店舗の状況に応じた告知や案内に適しています。
さらに、地元新聞やフリーペーパーへの掲載は、地域に根ざした店舗としての信頼感や安心感を伝える手段の一つです。広告とは異なる形で認知されることで、店舗への心理的な距離を縮める効果が期待できます。
このように地域密着型の施策は、地域との関係性を継続的に築くための取り組みであり、特に中小規模の店舗にとって、来店の土台をつくる手法として活用されています。
2-5 キャンペーン・イベントによる施策
キャンペーンやイベントは、来店の「きっかけ」を明確につくりやすい施策です。期間や内容が限定されることで、「今行く理由」を提示できる点が特徴です。
例えば、抽選会やくじ施策は、参加そのものを楽しめる要素があり、幅広い層に来店の動機を提供します。結果に関わらず体験が残るため、入店のハードルを下げる施策として活用されています。
また、ワークショップや体験型イベントは、商品やサービスへの理解を深める機会を提供します。店舗で過ごす時間そのものが価値となり、店舗やブランドへの印象を高める取り組みとして位置付けられます。
季節イベントと連動したキャンペーンは、話題性を持たせやすく、SNSなどで共有されることで認知が広がるケースもあります。ただし、来店効果は期間限定となるため、実施目的や対象を明確にした設計が重要です。
このようなキャンペーン・イベント施策は、一時的な集客にとどめるのではなく、来店を通じて得られた顧客データや接点を、その後のコミュニケーションや再来店施策に活かしていくことがポイントとなります。
2-6 電子決済(○○ペイなど)を活用した施策
電子決済を活用した来店促進では、自治体と決済事業者が連携して実施する地域還元施策が、多くの店舗で活用されています。地域全体の消費喚起を目的とした取り組みとして、来店のきっかけを広く創出できる点が特徴です。
例えば、自治体とQRコード決済事業者が連携し、対象店舗での決済に対してポイント還元やキャッシュバックを行うキャンペーンがあります。期間限定で実施されることが多く、「今使うとお得」という明確な理由を提示できるため、来店動機の創出につながります。こうした施策は、個々の店舗が単独で実施するキャンペーンと比べて告知規模が大きく、地域住民への認知が広がりやすい点も特長です。店舗側は参加することで、来店機会の増加や新規顧客との接点づくりを図ることができます。
また、電子決済を通じて得られる利用実績データは、施策の振り返りや次回施策の検討に活用されるケースもあります。自治体・決済事業者・店舗がそれぞれの役割を分担しながら進められる点も、電子決済施策ならではの特徴と言えるでしょう。
2-7 独自Payを活用したデータドリブンな施策
近年、来店促進をより高度化する手段として注目されているのが「独自Pay」です。
独自Payとは、店舗や企業が独自に提供する決済手段のことです。単なる支払い機能にとどまらず、顧客データの蓄積や会員管理、ポイント付与などと連動できる点が特徴です。
一般的なコード決済キャンペーンが「一時的な来店動機の創出」に強みを持つのに対し、独自Payは「継続的な関係構築」に活用できる仕組みです。来店履歴や購買傾向に応じたクーポン配信、特定セグメントへの優待施策など、データに基づく精度の高いマーケティングが可能となります。
そのため、独自Payは来店促進施策を単発のキャンペーンから、継続的なCRM戦略へと進化させる手段として位置付けられます。
3 成功する来店促進の事例
来店促進の施策は、業種によって適した手法が異なります。ここでは飲食店や小売・アパレル、美容業界の成功事例を取り上げ、具体的な施策内容と成果を紹介します。
3-1 業種別(飲食、小売・アパレル、美容)の成功事例紹介
●飲食店の事例
飲食業界では、来店頻度が比較的高いことから、既存顧客との継続的な接点づくりが来店促進のポイントとなります。ある大手飲食チェーンでは、公式LINEアカウントを通じて新商品情報やクーポンを配信しています。来店前のタイミングで情報を届けることで、食事の選択肢として思い出してもらうきっかけをつくっています。
また、食べ放題業態の飲食チェーンでは、公式アプリでのWeb会員登録を通じて、誕生日クーポンなどの特典を提供しています。アプリには店舗予約や会員証機能も備えられており、来店前後の接点をアプリに集約することで、再来店につなげる仕組みを構築しています。
●小売・アパレルの事例
小売・アパレル業界では、来店と購買の検討プロセスが長く、オンラインと店舗の行き来が多い点が特徴です。あるアパレル製造小売業では、公式アプリを活用し、在庫検索やチャットボットによる買い物サポート、期間限定商品の案内などを提供しています。店舗とECの情報を連携させることで、来店時の不安や手間を減らし、購買体験の向上を図っています。
また、若年層をターゲットとするアパレルブランドでは、ARを活用した試着体験イベントを実施し、来店そのものを体験価値として設計し、実店舗ならではの楽しみを享受できる機会を提供しています。
●美容室・サロンの事例
美容室やサロンでは、来店周期が比較的明確であるため、適切なタイミングでのアプローチが来店促進の鍵となります。あるヘアメイクサロングループでは、公式アプリを通じて24時間予約を可能にするとともに、クーポンやヘアスタイルギャラリーを掲載しています。外部の予約プラットフォームに依存せず、自社で顧客との接点を管理することで、安定した集客につなげています。
また、美容業界では、顧客の平均来店周期に合わせて通知やメールを配信することで、来店を思い出してもらう施策も活用されています。
3-2 アプリ・クーポンを活用した成功例
アプリやクーポンを活用した来店促進は、既存顧客との接点を維持し、再来店のきっかけをつくる手法として活用されています。
例えば、回転寿司チェーンなどの飲食業態では、公式アプリを通じて平日限定クーポンや誕生日特典を配信しています。来店頻度が下がりやすいタイミングに合わせて情報を届けることで、来店を思い出してもらう役割を果たしています。また、アプリ予約と連動することで、来店時の利便性向上にもつなげています。
また、ホームセンターなどの小売業態では、アプリ会員向けに利用状況に応じたステップアップ型のサービスを提供するケースもあります。来店や購入の履歴に応じて特典内容が変わる仕組みを設けることで、継続利用を意識した来店動機づくりが行われています。
これらの事例に共通するのは、アプリやクーポンを単なる割引手段として使うのではなく、来店のタイミングや理由を意識した接点として設計している点です。
3-3 地域イベント・SNS連動型の成功例
地域イベントとSNSを組み合わせた来店促進の取り組みも見られます。こうした施策は、リアルな場での体験とオンライン上での発信をつなげる点に特徴があります。
例えば、ある商店街では地域イベントと連動し、現地での販売とあわせてSNS上での情報発信やオンライン企画を実施しました。イベント当日の来街者だけでなく、SNSを通じて遠方の利用者にも情報が届くことで、商店街の認知拡大や来訪のきっかけづくりにつながっています。
また、体験型コンテンツを提供する施設では、来場者が写真や動画を投稿しやすい仕掛けを用意し、SNS上での共有を促しています。来場体験が投稿を通じて広がることで、施設の雰囲気や魅力が伝わり、次の来場を検討する人への情報提供として機能しています。
地域イベントやSNS連動型の施策では、来店・来場そのものを体験として設計し、その体験が共有される流れを意識することが重要です。
4 来店促進を成功させるためのコツと注意点
来店促進は、施策を実施すれば必ず成果が出るものではありません。顧客視点での設計や継続性、費用対効果を意識しながら進めることで、初めて効果を発揮します。ここでは、来店促進を進めるうえで押さえておきたいポイントと注意点を整理します。
4-1 来店する理由・メリットを顧客目線で伝える
来店促進を考える際に重要なのは、「なぜ今、来店するのか」を顧客の立場で整理することです。店舗側が伝えたい情報ではなく、顧客にとっての来店メリットが言語化されているか、あるいは直感的に伝わるかが問われます。
そのためには、購買履歴や来店頻度といったデータを参考にしながら、顧客の属性や利用シーンを想定した提案を行うことが有効です。
例えば、「学生向けのセット割引」や「雨の日特典」「誕生日クーポン」などは、利用シーンを具体的に想像しやすく、来店の後押しにつながります。
また、店頭、SNS、アプリ、メールなど複数のチャネルを活用する場合も、伝える内容や役割を整理し、分かりやすく届ける工夫が欠かせません。顧客視点で来店する価値を整理し、過不足なく伝えることが重要です。
4-2 タイミング・頻度・継続性の工夫
来店促進は単発の施策ではなく、継続的に取り組むことで効果が見えやすくなります。その中でも、情報を届けるタイミングや頻度の設計は重要な要素です。
例えば、飲食店ではランチやディナー前の時間帯に情報を届けることで、利用を検討してもらいやすくなる傾向があります。一方で、配信頻度が多すぎると、かえって負担に感じられる場合もあります。顧客の反応を見ながら、無理のない頻度に調整することが大切です。
また、「毎月◯日は特典デー」「スタンプが一定数たまると特典が受けられる」といったルールを設けることで、来店のタイミングが分かりやすくなり、利用の習慣化につながります。継続性を意識した仕組みづくりが、安定した来店につながります。
4-3 費用対効果を見極める視点
来店促進施策を検討する際には、費用対効果の視点も欠かせません。まずは、来店数やクーポン利用率、客単価など、目的に応じた指標を設定し、施策ごとの結果を確認することが重要です。
また、チャネルごとに成果を比較することで、どの施策が自店舗に合っているかが見えやすくなります。来店数の多さだけでなく、購買内容や顧客の継続利用につながっているかといった「質」の視点も併せて確認することが大切です。
小規模な施策から試し、結果を見ながら改善を重ねていくことで、無理のない形で施策の精度を高めることができます。
4-4 やってはいけないNG施策例
来店促進では、効果を急ぐあまり逆効果になるケースもあります。代表的なのが、過度な割引に頼った施策です。一時的に来店数が増えても、値引きが前提となり、利益やブランド価値を損なう可能性があります。
また、ターゲットが曖昧なキャンペーンも注意が必要です。誰に向けた施策なのかが不明確な場合、訴求が弱くなり、費用対効果が下がりやすくなります。加えて、計画性のないクーポン配信は、来店の先延ばしを招く要因になることもあります。
これらを避けるためには、ターゲットや目的を整理したうえで、適切なタイミングと内容で施策を設計することが重要です。
5 来店促進のソリューションを提案できるTISへお任せ
来店促進を本格的に成功させるには、専門的なノウハウとテクノロジーの活用が欠かせません。TISは決済・データ活用などの豊富なITソリューション実績を活かし、店舗の集客からリピーター育成までをトータルに支援してきた企業です。
特に来店促進に役立つのが、顧客行動可視化サービス「キャクシル」です。キャクシルはラベリングされた顧客行動データを活用し、効果的なマーケティングを実現できます。自社アプリや独自Payを導入でき、顧客に新規価値を提供しながら店舗オペレーションの簡素化にも役立ちます。
来店促進の効果的な施策はもちろん、OMO※1やDXの推進に興味がある事業者様にもおすすめです。
※1 OMO(Online Merges with Offline):ネット(EC)と実店舗の垣根を無くし、消費者の購買意欲を促す施策
6 まとめ
来店促進を成功させるには、顧客に来店する理由を提供するだけでなく、来店データを活用しながら、継続的に顧客に利用してもらう仕組みを整えることが重要です。その手段の一つが、近年注目を集める「独自Pay」です。
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