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決済代行にかかる手数料はどれくらい?種類や概要、選び方について解説

キャッシュレス決済・オンライン決済の普及により、多くの企業が決済代行会社を利用するようになっています。決済代行会社を利用することで、決済手段ごとの契約・運用する手間を省けるため、スムーズに取引できることが魅力です。しかし、決済代行会社の利用には、さまざまな手数料が発生し、料金体系も会社ごとに異なります。
本記事では、決済代行会社の概要や手数料の種類、料金体系ごとのメリット・デメリット、さらに決済代行会社を選ぶ際のポイントについて詳しく解説します。

目次

1 決済代行会社とは
2 決済代行にかかる手数料の種類と概要
  2-1 初期費用
  2-2 月額費用
  2-3 決済手数料
  2-4 決済サービス利用料
  2-5 トランザクション費用
  2-6 振込手数料
  2-7 取り消し処理手数料
3 決済代行会社の料金体系別のメリット・デメリット
  3-1 決済手数料のみがかかる場合のメリット・デメリット
  3-2 その他の費用もかかる場合のメリット・デメリット
4 決済手数料は税金が発生する?
5 決済代行会社の選び方のポイント
  5-1 ビジネスモデルに合った決済代行を選ぶ
  5-2 料金体系を比較してコスト最適化を図る
  5-3 対応する決済手段の豊富さをチェック
  5-4 セキュリティとサポート体制を重視
6 まとめ

1 決済代行会社とは

決済代行会社とは、企業やECサイト運営者がクレジットカード決済や銀行振込、QRコード決済などの支払いを受け付ける際に、その処理を代行する企業のことです。決済代行会社を利用することで、決済手段ごとに個別契約を結ぶ手間を省き、スムーズな取引を実現できます。
また、セキュリティ対策や不正検知機能を提供する会社もあり、安全な決済環境を整えることが可能です。

2 決済代行にかかる手数料の種類と概要

決済代行会社を利用する際に発生する手数料には、さまざまな種類があります。決済代行会社を選ぶ際は、これらの手数料の内訳を理解し、コストの最適化を図ることが重要です。
特に、決済手数料だけでなく、月額費用や振込手数料などを含めたトータルコストを考慮することが、最適な決済代行会社を選ぶポイントとなります。その際、事業規模や取引頻度に応じて、コストバランスを最適化することを意識すると良いでしょう。
ここでは、決済代行にかかる主な手数料の種類とその内容を詳しく解説します。

2-1 初期費用

初期費用とは、決済代行会社を導入する際に発生する費用です。決済システムの設定や各種決済手段(クレジットカード決済、コンビニ決済、電子マネー決済など)の登録手続きにかかる費用が含まれます。
決済代行会社や導入する決済手段によって初期費用は異なりますが、初期費用無料のサービスも増えてきています。ただし、初期費用が無料のサービスでは、その分月額費用や決済手数料が高めに設定されている場合があるため、注意が必要です。

2-2 月額費用

月額費用とは、決済代行会社を利用するために毎月発生する固定費用です。決済システムの運用やサポート、決済機器の利用にかかる費用が含まれます。月額費用が設定されている場合、取引量が多いほど1件当たりの手数料を低く抑えられることが多く、大手ECサイトや高頻度の取引が発生する事業者にとってはメリットがあります。
一方、取引量が少ない場合は、固定費が負担になる可能性があるため、注意が必要です。
また、一定の取引件数を超えると、無料プランでは対応できなくなり、有料プランへの移行が必要になる場合があるため、事前に確認すると良いでしょう。

2-3 決済手数料

決済手数料は、取引ごとに発生する手数料です。決済金額に対して数パーセント、決済代行会社へ支払う手数料が発生します。
一般的に、クレジットカード決済や電子マネー・QRコード決済では決済金額の数パーセント、コンビニ決済や銀行振込では異なる料金体系が適用されます。クレジットカード決済の手数料は、ブランド(Visa、Mastercard、JCBなど)や契約条件、業種、取引金額によって異なるため、事前に確認することが重要です。
また、決済手数料のみで運営する決済代行会社では、手数料率が高く設定されているケースが多い点にも注意が必要です。

2-4 決済サービス利用料

決済サービス利用料とは、決済システムの維持・管理にかかる費用のことです。一部の決済代行会社では、特定の決済手段を利用する際に追加料金が発生する場合があります。例えば、キャリア決済やコンビニ決済、海外向け決済サービスでは、通常の決済手数料とは別に、1件ごとに決済金額の一定割合(0.3%~1.0%)で追加料金が発生することがあります。

2-5 トランザクション費用

トランザクション費用とは1回の決済処理が行われるごとに発生する手数料です。主にオンライン決済において、決済データの処理や送信にかかる費用として設定されます。
一般的な相場は、1件につき数円〜数十円程度で、少額決済が頻繁に発生するビジネスモデルではコスト負担が増える可能性があります。なお、決済代行会社によっては、この費用が決済手数料に含まれている場合もあります。

2-6 振込手数料

振込手数料とは、決済代行会社が売上金を事業者の銀行口座に振り込む際に発生する手数料です。振込の頻度や金額によっては手数料が無料になる場合もありますが、一般的な相場は1回当たり数円〜数百円です。特に、毎日の振込を希望する場合はコストがかさむため、振込回数・頻度の調整を検討すると良いでしょう。
また、ネット銀行を利用すると振込手数料を抑えられる場合があるため、選択肢の一つとして考えてみても良いでしょう。

2-7 取り消し処理手数料

決済の取り消し(キャンセル)や返金を行う際に発生する手数料です。クレジットカードのチャージバック対応や、銀行振込による返金処理などに伴う手数料が含まれます。一般的な相場は1件当たり5円程度のため、返品やキャンセルが多い業種では特に注意が必要です。
また、返金対応を迅速に行うためのシステムを導入している決済代行会社では、手数料が高めに設定されている場合があるため、料金体系を事前に確認することをおすすめします。

3 決済代行会社の料金体系別のメリット・デメリット

決済代行会社には、さまざまな料金体系があります。ここでは、決済手数料のみが発生する場合と、その他の費用も発生する場合のメリット・デメリットについて解説します。

3-1 決済手数料のみがかかる場合のメリット・デメリット

メリット ・初期費用・月額費用なし
・導入しやすい
・コスト管理しやすい
デメリット ・手数料率が高い
・取引件数が増えると負担が増大
・長期利用ではコストが高くなる

決済手数料のみが発生する料金体系の最大のメリットは、導入時のコスト負担を抑えられる点です。初期費用や月額費用がかからないため、スタートアップや個人事業主でも気軽に利用できるほか、取引件数が少ない場合は月々の固定費が発生しないため、コスト管理がしやすくなります。
また、売り上げが安定していない企業にとっては、取引が発生した時のみ費用がかかる料金体系により無駄な支出を抑えられるため、魅力的な選択肢となります。さらに短期間で導入できることもメリットの一つです。
一方で、1回当たりの決済手数料が割高に設定されていることはデメリットです。そのため、取引件数が増えると手数料負担が大きくなり、長期的に見ると、コストが高くなる可能性があります。
これらの特徴から、決済手数料のみの決済代行会社は、取引件数が少ない小規模事業者や新規ビジネスに向いています。事業が拡大した際には別の料金体系やプランへの移行がおすすめです。

3-2 その他の費用もかかる場合のメリット・デメリット

メリット ・決済手数料が安い
・中・長期的に見るとコストパフォーマンスが良い
・安定した運用に適している
デメリット ・初期費用・月額費用が発生する
・導入までに時間がかかる

初期費用や月額費用が発生する料金体系のメリットは、決済手数料が低く抑えられることです。取引件数が増えるほどコスト的なメリットが大きくなり、事業規模が拡大した際にも、無駄な決済コストを削減できるでしょう。
特に、ECサイトやサブスクリプションサービスなど、取引頻度が高いビジネスモデルでは、決済手数料が低いことで利益率の向上につながるため、長期的に見ても有利な料金体系と言えます。また、この料金体系の決済代行会社は、充実したサポート体制や高度な管理機能を提供していることが多く、安心して運用できるのもメリットの一つです。
一方で、固定費がかかるため、売り上げが安定していない企業にとってはデメリットとなる可能性があります。特に事業を立ち上げたばかりの段階では取引件数が少なく、売り上げで固定費を賄えない場合があるでしょう。また、手数料のみの料金体系と比べ、導入までに時間がかかることもデメリットです。
この料金体系は、安定した取引が見込める中規模以上の事業者に適しており、初期コストを許容できる企業におすすめです。

4 決済手数料は税金が発生する?

決済代行会社を利用する際、決済手数料に消費税が課税されるかどうかは、契約形態やサービス内容によって異なります。クレジットカード会社と事業者が直接契約している場合、事業者はカード会社に対して代金債権を譲渡する契約を結ぶため、一般的に決済手数料は消費税の課税対象とはならず、非課税とされています。
しかし、決済代行会社を介する場合、企業とクレジットカード会社は直接債権譲渡契約を結んでいません。そのため、決済代行会社への支払いは「クレジットカード会社と事業者を仲介するサービス」への対価とみなされ、決済手数料にも消費税が課税されます。
そのため、決済代行会社を利用する際は、決済手数料への消費税の課税について、契約内容を確認することが重要です。また、決済代行会社と債権譲渡契約を締結する場合は、消費税が非課税となるケースもあるため、具体的な契約条件を事前に確認することをおすすめします。

5 決済代行会社の選び方のポイント

自社に適した決済代行会社を選ぶ時には、いくつかのポイントを意識することが大切です。ここでは、決済代行会社の選び方について、特に重要なポイントを紹介します。

5-1 ビジネスモデルに合った決済代行を選ぶ

決済代行会社を選ぶ際は、自社のビジネスモデルに適した決済手段を提供しているかが重要なポイントです。例えば、ECサイトではクレジットカード決済やコンビニ決済が必須ですが、サブスクリプションサービスを運営する場合は、継続課金に対応した決済代行会社を選ぶ必要があります。また、海外顧客をターゲットにする場合は、PayPalやAlipayなどの国際決済手段を導入できるかも確認するべきです。
さらに、決済代行会社によって、得意とする業種や取引形態が異なります。例えばBtoB向けの決済代行会社では請求書決済や後払い決済のオプションが充実していることが多く、BtoC向けの企業ではクレジットカードや電子マネー決済が強化されています。そのため、自社の業種に適したサービスを提供しているかも確認しましょう。
また、決済のスピードも重要な要素です。キャッシュフローを重視する事業者にとっては、入金サイクルが短い決済代行会社を選ぶことで資金繰りの改善が可能になります。決済代行会社によって入金サイクルは月1回、週1回、翌日入金など異なるため、自社の資金繰りに合ったスケジュールを選ぶことが大切です。

5-2 料金体系を比較してコスト最適化を図る

コスト面も慎重に比較する必要があります。主なコストには「初期費用」「月額費用」「決済手数料」「振込手数料」「トランザクション費用」などがあり、それぞれの料金体系を比較して、総合的に判断しなければなりません。
例えば、取引件数が少ない事業者にとっては、月額費用が発生しない「決済手数料のみ」のプランが適しています。しかし、取引件数が増えてきた場合は、月額費用がかかる代わりに決済手数料が低くなるプランの方がコスト面のメリットが大きくなるでしょう。そのため、将来的な取引量の増加も考慮して料金体系を選ぶことが重要です。
また、いくら決済手数料が低くても、振込手数料が高く設定されているケースもあります。特に、売上金の振込が月に数回行われる場合は、 振込手数料が累積するとコストの負担が大きくなるため、振込手数料の無料回数や入金頻度についても確認し、トータル的なコストを最適化する工夫が必要です。
決済代行会社によっては、取引件数や決済額に応じて手数料率の交渉が可能な場合もあるため、ある程度の取引規模がある企業はカスタマイズプランの提供が可能か確認すると良いでしょう。

5-3 対応する決済手段の豊富さをチェック

顧客の利便性を向上させるためには、多様な決済手段に対応しているサービスを選ぶことが重要です。クレジットカード決済に加えて、電子マネー、QRコード決済、銀行振込、コンビニ決済など、複数の決済手段を用意することで、より多くの顧客のニーズに対応できます。
ECサイトやオンラインサービスを運営する上ではクレジットカード決済が必須ですが、若年層のユーザーが多い場合は、電子マネーやQRコード決済が好まれる傾向があります。そのため、決済手段を豊富に用意することでコンバージョン率の向上にもつながるでしょう。また、高額商品の販売を行う場合は、銀行振込や後払い決済を導入することで、クレジットカードを持たないユーザーにも対応できます。
さらに、海外展開を検討している場合は、国際的に利用されている決済手段への対応も重要です。特に、欧米ではPayPal、中国ではAlipayやWeChat Payなどが広く利用されているため、ターゲット市場に適した決済手段を選択することが売り上げの拡大につながるでしょう。

5-4 セキュリティとサポート体制を重視

決済代行会社を利用するに当たり、セキュリティの高さも重要な選定基準です。クレジットカード情報や個人情報を取り扱うため、不正アクセスや情報漏えいを防ぐための強固なセキュリティ対策は欠かせません。
多くの決済代行会社では、PCI DSS(クレジットカード業界の国際的なセキュリティ基準)に準拠したシステムを採用していますが、さらに「3Dセキュア」や「不正利用検知システム」などの追加のセキュリティ機能が提供されているかも確認すると良いでしょう。特に、ECサイトでは不正決済のリスクが高いため、こうした機能を活用することでリスクを最小限に抑えることが可能になります。
また、万が一トラブルが発生した際のサポート体制も重要なポイントです。決済システムに障害が発生すると、売り上げに直接影響を及ぼすため、迅速な対応が求められます。24時間対応のサポートがあるか、電話やチャットで迅速に問い合わせできるかなどを事前に確認すると安心です。
特に、大規模なECサイトやBtoB向けサービスでは、決済のトラブルが発生すると顧客の信頼損失に直結するため、万全のサポート体制が整っている決済代行会社を選ぶことが重要です。長期的な利用を見据え、コストだけでなく安全性やサポートの充実度も重視するべきポイントとなります。

6 まとめ

決済代行会社を選ぶ際は、複数のサービスを多角的な視点から検討することが重要です。特に、ビジネスモデルとの適合性、料金体系の比較とコスト最適化、対応決済手段の多様性、セキュリティとサポート体制の充実のポイントを意識すると良いでしょう。
これらの要素を踏まえて、自社に最適な決済代行会社を選ぶことで、利便性の向上やコスト削減、業務の効率化が実現できます。
また、多様な決済手段への対応と効率的な管理を重視する場合は、TIS株式会社の「加盟店向けQR決済ゲートウェイサービス」がおすすめです。本サービスでは、国内外の主要なQRコード決済ブランドを一括で導入でき、最短1〜2ヶ月で導入が可能です。大手飲食チェーンや大規模な商業施設での採用実績も豊富なため、まずはお気軽にお問い合わせください。

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