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PayPayの導入方法やコストをわかりやすく紹介!

小売や飲食店をはじめ、PayPayはさまざまな店舗に導入されています。PayPayはQRコード決済の中でも最もシェアが高く、お客様から「PayPayは使えますか?」と尋ねられた経験がある人も多いのではないでしょうか。店舗にPayPay導入するには、導入方法やコストなどを事前に把握しておく必要があります。この記事では、PayPayの導入時に知っておきたいポイントをまとめているので、ぜひ参考にしてください。

1 PayPay(ペイペイ)とは?

PayPay(ペイペイ)とは、スマホアプリとQRコードを活用したキャッシュレス決済サービスです。スマホひとつで支払いができる利便性の高さから、既に多くの人に利用されています。
ここから、PayPayの利用ユーザー数や導入店舗数、具体的な決済の手順について詳しく見ていきましょう。

1-1 利用ユーザー数

PayPayの利用ユーザー数は、2024年8月時点で6,500万人に到達しました。日本の人口を約1億2,000万人とすると、日本人の約54%がPayPayを利用している計算になります。テレビCMやPayPay導入店舗のレジ付近に設置されたポップなど、さまざまな場所でPayPayのマークを目にする機会が多く、その認知度も非常に高いでしょう。実際に、2023年度のPayPayを使った決済回数は63.6億回で、国内のコード決済の約3分の2を占めています。PayPayはポイント付与率アップなどのキャンペーンを積極的に実施しており、この取り組みもユーザー数の増加を後押ししていると考えられます。今後もさらにユーザー数は伸びていくでしょう。

1-2 導入店舗数

PayPayで買い物ができる店舗は、2023年10月時点で1,000万か所以上に達しています。現在も順次拡大中で、大手チェーンのコンビニやスーパーはもちろん、個人経営の飲食店や小売店などでも導入が進んでいます。さらに、上記のような実店舗に加えて、Amazonをはじめとする総合通販やUber Eatsといったデリバリーサービス、電気やガスの請求書払いなどでも、PayPayが利用可能です。

1-3 PayPayでの決済方法

PayPayで決済を行うには、店舗側がQRコードを読み取るストアスキャン方式と、店舗側がQRを見せるユーザースキャン方式の2つがあります。それぞれの決済方法について、以下で解説します。

1-3-1 店舗側がQRコードを読み取るストアスキャン方式

店舗側がQRコードを読み取り可能なPOSや端末を用意し、お客様のスマホに表示されるQRコードを読み取る方法です。QRコードを読み取るだけで支払いが完了します。お客様の支払時の手間が少なく、迅速に会計を終えられ、金額の入力ミスが起きにくい点がメリットです。一方でPOSと連動するための開発費用や端末の購入などの初期費用や、通信のための費用など、ユーザースキャン方式と比べてコストがかかるデメリットがあります。

1-3-2 店舗側がQRを見せるユーザースキャン方式

店舗側が用意したQRコードをお客様がPayPayのスマホアプリで読み取る方法です。ユーザースキャン方式は、QRコードを読み取った後にお客様が会計金額を手入力するのが特徴です。お客様が入力した金額を店舗側が確認し、アプリの「支払う」ボタンをタップすると支払いが完了します。
店舗側はQRコードリーダーなどの専用端末を用意する必要がないため、導入コストを抑えられる点がメリットです。しかし、お客様が金額入力をするため、会計のスピードが遅くなる、金額の入力ミスが発生しやすいなどのデメリットもあります。

2 PayPay導入時に発生するコスト

店舗へのPayPay導入を検討している方は、どの程度の費用が必要なのかが気になるポイントでしょう。ここでは、PayPay導入時に発生するコストについて詳しく解説します。

2-1 導入時の初期費用

PayPayと直接契約する場合、導入時の初期費用は発生しません。PayPayには「マルチ決済端末タイプ」と「QRコード決済タイプ」の2つの導入方法がありますが、いずれも導入費用は0円です。
マルチ決済端末タイプは、複数の決済方法に対応した専用端末を使用します。PayPay公式サイトから申し込むと、通常78,800円の端末代が0円になります。
QRコード決済タイプは前述したユーザースキャン方式に該当する方法で、専用端末の購入が不要なため、初期費用は一切発生しません。
複数の決済ブランドを一括導入できる決済代行業者を利用する場合は、導入する設備やシステムなどによって初期費用が変わってくるため、詳細については個別に確認が必要です。

2-2 導入後

2-2-1 決済手数料

PayPayを含むキャッシュレス決済を導入するには、決済額に応じた決済手数料が発生します。PayPayでは、導入タイプによって手数料率が異なります。
マルチ決済端末タイプはPayPay以外の決済方法にも対応していて、それぞれの手数料率は以下の通りです。

  • クレジットカード:2.80%〜
  • QRコード決済(PayPay含む):2.80%〜
  • 電子マネー:2.95%〜

QRコード決済プランはPayPay単体の導入になり、「PayPayマイストア ライトプラン」と「PayPayマイストア 制限プラン」の2つが用意されています。それぞれ、次の決済システム利用料がかかります。

  • ライトプラン:1.60%
  • 制限プラン:1.98%

ライトプランは、クーポンやスタンプカードといった集客機能が提供されているプランです。通常は初期費用と月額利用料がそれぞれ1,980円かかりますが、キャンペーンを適用すると初期費用は0円、月額利用料は最大2ヶ月無料になります。制限プランは集客機能が提供されていませんが、初期費用と月額利用料は共に無料です。
決済代行業者を利用する場合は、「クレジットカードが◯%、QRコード決済が◯%」というように、決済方法別の手数料率が定められていることが一般的です。サービスによっては決済ブランドごとに手数料率が異なるケースもあるため、何社か比較検討をするのがよいでしょう。

2-2-2 振込手数料

PayPayを含むキャッシュレス決済を導入する場合、決済額が後日まとめて振り込まれるようになります。この時、振込手数料が発生するサービスもありますが、PayPayは月1回の振込であれば手数料は発生しません。また、決まった振込日以外に振込が必要な場合には、申請の翌日に振り込まれる「早期振込サービス」も利用できます。この場合、0.38%の都度振込利用料と振込手数料(PayPay銀行:20円、その他金融機関:200円)が必要です。
決済代行業者を利用する場合は、個別に確認が必要です。サービスによっては、指定の金融機関を利用すると振込手数料が0円になるケースもあります。

2-3 解約時

PayPayの解約時、違約金などは発生しません。いつでも無料で解約できるため、導入ハードルが低いのもPayPayの特徴です。決済代行業者を利用する場合は、解約時の対応についても事前に確認しておきましょう。解約時に違約金がかからないサービスもあります。

3 PayPayの導入方法

PayPayと直接契約するには、公式サイトから仮登録を行います。タイプ別の仮登録フォームが用意されているため、マルチ決済端末タイプかQRコード決済タイプのいずれかを選んで登録を進めてください。
店舗画像や営業許可証などの必要書類を用意し、それぞれの仮登録フォームに必要情報を入力します。申し込みを行うと審査が行われるため、審査結果の連絡を待ちましょう。審査が可決されると、決済端末またはキットが発送されます。
マルチ決済端末タイプの場合、決済端末が届くまでにかかる期間は申し込みから2週間〜1ヶ月程度です。決済端末の初期設定が完了したら、すぐに利用を開始できます。
QRコード決済タイプの場合は、申し込みから1週間程度でキットが届き、到着後すぐに利用可能です。
決済代行業者を利用する場合は、契約したいサービスに申し込みを行ってください。クレジットカードやQRコード決済などの加盟店審査が進められ、審査に問題なければ提供される専用機器の初期設定などを行い、利用開始となります。

4 PayPay導入のメリット

店舗にPayPayを導入すると、さまざまなメリットがあります。ここでは、PayPayを導入する3つのメリットを紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

4-1 集客効果が期待できる

冒頭で述べたように、PayPayは非常に利用者の多い決済サービスです。そのため、PayPayに対するお客様の需要は高く、集客効果が期待できます。例えば、「キャッシュレス決済がメインで、現金をあまり使わない」「PayPayのポイントを貯めたい」といったお客様は、PayPayの導入をきっかけに来店する可能性があります。
さらに、PayPayはポイント還元キャンペーンを定期的に実施しており、これも集客に効果的です。自店舗で独自のキャンペーンやセールを行わなくても、PayPayのキャンペーンが集客の後押しになるのは、大きなメリットといえるでしょう。

4-2 レジ会計を効率化できる

PayPayはQRコードを使用して支払いを行うため、現金をやりとりする手間が省けるのも大きなメリットです。受取金額の数え間違いやお釣りのミスなどがなくなることで、正確で迅速なレジ会計が可能になります。レジの待ち時間が短縮され、回転率や顧客満足度の向上が期待できるでしょう。
また、レジ会計が効率化されることで、スタッフの負担も軽減されます。現金の扱いが減ると現金管理やレジ締め作業にかかる時間を削減でき、業務全体の効率化も期待できます。

4-3 低コストで導入できる

先述の通り、PayPayは初期費用0円で導入できます。集客につながり、レジ会計を効率化できるツールを低コストで導入できるのは、店舗にとって大きな魅力でしょう。
特に、専用の決済端末を必要としないQRコード決済タイプなら、機器の購入やセッティングが不要で、審査期間も短いため、手軽に導入できます。マルチ決済端末タイプも、通常は高額な決済端末が無料で提供されるため、これを機にクレジットカード決済なども併せて導入したい人におすすめです。

5 PayPay導入のデメリット

PayPayの導入には多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。導入を決める前に、デメリットについても把握しておきましょう。

5-1 決済手数料がかかる

PayPayを導入すると、PayPayでの支払金額に対して決済手数料が発生します。PayPayでの支払いが多いほど決済手数料も高くなるため、ランニングコストの増加が代表的なデメリットです。特に、小規模な店舗や利益率が低い業種では、こうした手数料の負担が経営に影響を与える可能性があるため、注意しなければなりません。導入時にはコストの試算をしっかり行い、導入後の影響を見極めることが重要です。
一方で、PayPayの導入が集客効果につながれば、売り上げが増える可能性があります。手数料を差し引いたとしても、売り上げの伸びによって最終的に利益が多く残る可能性も十分に考えられるため、長期的な視点で導入を検討してみてください。

5-2 売り上げが入金されるまでにタイムラグがある

現金支払いであれば売り上げはすぐに店舗に入りますが、PayPayによる売り上げは後日まとめて振込となります。そのため、売り上げが入金されるまでにタイムラグがある点にも注意が必要です。PayPayの売上金振込サイクルは、月末締め最短翌日入金です。その月の売り上げは翌月1日以降に入金されるため、店舗によっては仕入れや支払いに支障をきたす場合があります。事前にキャッシュフローを確認し、計画的に対応しましょう。
PayPayには最短で振込申請の翌日に入金される「早期振込サービス」も用意されています。ただし、これには手数料がかかるため、できるだけ通常の振込サイクルで対応できるよう資金繰りを計画することが大切です。

5-3 ユーザースキャン方式は不向きな場合がある

PayPayのQRコード決済タイプは専用端末が不要で導入しやすいのがメリットですが、ユーザースキャン方式となるためお客様自身でQRコードの読み取りや金額の入力が必要です。お客様自身での操作が増えるため、特にスマホの操作に不慣れな人や高齢のお客様にとっては負担になる可能性があります。お客様が誤った金額を入力してしまい、修正や再入力などに時間がかかるケースもあるでしょう。また、ストアスキャン方式に慣れているお客様にとっては、店舗側でQRコードを読み取ってくれる手軽さが失われるため、不便に感じることがあるかもしれません。
このように、顧客層によってはQRコード決済タイプが不向きな場合があります。店舗の状況や顧客層に応じて、どちらのタイプが最適かを検討しましょう。

6 まとめ

PayPayは初期費用0円で導入でき、集客効果やレジ会計の効率化などメリットがある決済サービスです。一方で、決済手数料の負担や入金までのタイムラグなど注意点もあるため、導入後のキャッシュフローについて事前に検討しておきましょう。
店舗へのPayPayの導入を検討している方には、国内外の主要QR決済ブランドを一括導入できる「加盟店向けQR決済ゲートウェイサービス」がおすすめです。大規模な商業施設や多店舗展開をされているお客様での実績多数で、国内外のQR決済を迅速かつ低コストで導入できます。運用面・費用面で最適な導入方法をご提案しますので、決済手数料や店舗オペレーションでお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。


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