QRコード決済の1つであるPayPayは、圧倒的なシェア率を誇るサービスです。 飲食店においても、PayPayを導入することで、様々なメリットが期待できます。 そこで今回は、飲食店がPayPayに加盟するメリット、最近の変更点、手数料、そして導入手順について解説します。 PayPay導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
1 PayPayとは
1-1 特徴
2 飲食店がPayPayに加盟するメリット
2-1 6,600万人以上のユーザーにアプローチできる
2-2 クーポン配信やスタンプカードなどで集客ができる
3 PayPayの最近の変更点
4 飲食店がPayPayに加盟する場合の決済手数料
4-1 QRコード決済方式の場合
4-2 マルチ決済端末方式の場合
4-3 決済代行業者を利用する場合
5 飲食店がPayPayの利用を開始する際の手順
5-1 QRコード決済方式
5-2 マルチ決済端末方式
5-3 決済代行業者を利用する場合
6 飲食店がPayPayの利用を開始する際の費用相場
7 まとめ
1 PayPayとは
PayPayとは、ソフトバンク株式会社とLINEヤフー株式会社が合弁会社として設立したPayPay株式会社が提供するキャッシュレス決済サービスです。
1-1 特徴
PayPayの大きな特徴は、圧倒的なシェア率です。 MMD研究所が実施した「2024年7月決済・金融サービスの利用動向調査」によると、QRコード・バーコードの決済利用者16,740人のうちPayPay利用率は66.3%でした。 2位の楽天ペイは35.3%であり、大きな差をつけていることが分かります。 その人気の理由として、充実した機能が挙げられます。 例えば買い物だけでなく公共料金の支払いやデリバリーの注文などができたり、複数人で割り勘ができる「グループ支払い」機能があり、PayPayは日常の様々なシーンで利用することができます。 さらにPayPayポイントがお得に貯まる「PayPayグルメ」という飲食店検索・予約サイトもあり、飲食店での導入が加速しています。
2 飲食店がPayPayに加盟するメリット
次に飲食店がPayPayに加盟することで得られるメリットをご紹介します。
2-1 6,600万人以上のユーザーにアプローチできる
飲食店がPayPayを導入すると、2024年10月時点で6,600万人以上のPayPayユーザーにアプローチできます。 スマホ決済の利用が進むなか、「QRコード決済などのスマホ決済が使えるか」は顧客を取り込むための重要なポイントとなっています。 特に、日本の人口の2人に1人以上が利用するPayPayを導入することで、キャッシュレス決済ユーザーの多くにアプローチすることが可能です。 さらにPayPayには、割り勘に便利な「グループ支払い」機能があります。PayPayを導入していると、複数人での食事や大人数での飲み会などでも自店舗を選んでもらいやすくなります。
2-2 クーポン配信やスタンプカードなどで集客ができる
PayPayを導入し、「PayPayマイストア ライトプラン」に加入することで、PayPayクーポンやPayPayスタンプカードを活用した顧客獲得施策を行うことができます。 例えばPayPayクーポンは配信先を選べるので店舗の顧客層に絞った配信が可能になり、新規顧客の獲得につなげられます。 一方、紙のクーポン付きチラシの場合、配布対象の年齢や性別を選びにくい上、ポスティングの労力が発生しますが、PayPayを活用することでこれらの課題を解決できます。 また、PayPayスタンプカードは、リピーター獲得に効果的です。スタンプが自動で付与されるため、店舗のオペレーション負担を増やすことなく運用できます。
3 PayPayの最近の変更点
ユーザー数が多く飲食店にとっても導入のメリットが大きいPayPayですが、最近はさまざまな変更点が生じています。 例えば、ユーザーのお得感につながるPayPayポイントの還元率は、元々は3%だったところ、2019年には1.5%、2020年には0.5%に引き下げられました。 また、PayPayでは利用額をPayPayカード以外のクレジットカードで支払うことができませんでしたが、2024年12月5日より利用可能になりました。 さらに、PayPayにお金をチャージする際、「ソフトバンク・ワイモバイルまとめて支払い」を使えば手数料がかかりませんでしたが、2023年8月からは手数料が発生する仕様に変更されています。 こうした変更の背景には、PayPayの普及を推進する投資の時期から、投資回収の時期へとフェーズが変わったことが関係していると考えられます。 一部では「改悪」との声もありユーザー離れが懸念されていましたが、現在も圧倒的なシェア率を維持していることから、PayPayにメリットを感じているユーザーは依然として多いといえるでしょう。
4 飲食店がPayPayに加盟する場合の決済手数料
決済手数料とは、利用者がQRコード決済するごとに店舗側に発生する手数料のことです。 PayPayと直接契約する場合、QRコード決済方式かマルチ決済端末方式かによって決済手数料が異なります。決済代行業者を利用する場合も、手数料が変動するため、事前の確認が必要です。 同じキャッシュレス決済であるクレジットカード決済の決済手数料は4〜7%、電子マネー決済の決済手数料は3〜4%が目安という点を念頭に置きつつ、確認していきましょう。
4-1 QRコード決済方式の場合
QRコード決済方式で、「PayPayマイストア 制限プラン」を利用する場合、決済手数料は1.98%です。 「PayPayマイストア ライトプラン」に加入すると、手数料は1.60%とより低い設定になります。 なお、決済手数料含めQRコード決済方式でPayPayの利用にかかる費用は以下の通りです。
制限プラン | ライトプラン | |
月額費用 | 無料 | 1,980円* |
決済手数料 | 1.98% | 1.60% |
振込手数料 | 無料 | 無料 |
*キャンペーン適用で最大2ヶ月間無料となる場合があります。
4-2 マルチ決済端末方式の場合
マルチ決済端末方式の場合、PayPayの決済手数料は2.80%です。 QRコード決済方式と比べて手数料は高くなりますが、他社のQRコード決済やカード決済にも対応できる点が大きなメリットです。 特にカード決済の手数料は2.95%〜と、通常の手数料目安である4〜7%と比べて低コストであるため、カード決済を導入したい店舗にとって魅力的です。 その他、マルチ決済端末方式でPayPayを導入・利用する場合、費用は以下の通りです。
月額費用 | 1,980円〜 |
決済手数料 | 2.80% |
振込手数料 | 無料 |
4-3 決済代行業者を利用する場合
PayPayを導入する際に決済代行業者を利用する場合、決済手数料は各社で異なります。また月額費用や振込手数料も決済代行業者によって異なりますが、決済代行業者を挟む分、PayPayとの直接契約よりも費用が高くなる可能性があります。 ただし、決済代行業者を利用すれば、適切なQRコード決済事業者の選定や導入後の運用についてアドバイスやサポートを受けられ、直接契約よりもQRコード決済を有効活用しやすくなります。 また、PayPay以外の複数のQRコード決済を一括導入したい場合は、決済代行業者を利用することで手間やコストを削減できるケースもあるため、一度見積もりを取ることをおすすめします。
5 飲食店がPayPayの利用を開始する際の手順
ここでは、飲食店がPayPayと直接契約し利用を開始する際の手順を解説します。 利用開始の手順は、QRコード決済方式、マルチ端末決済方式、または、決済代行業者を利用する場合で異なるため、それぞれの手順を確認していきましょう。
5-1 QRコード決済方式
PayPayをQRコード決済方式で導入する場合の流れは、以下の通りです。
- オンライン上のフォームで必要事項を入力し仮登録を行う
- 審査情報を入力し、申し込む
- 1週間程度でキットが届き、利用開始する
QRコード決済方式の場合、顧客に読み取ってもらう専用のQRコードが必要ですが、キットとして無料でPayPayから送られてくるため、キットが届き次第すぐに利用できるようになります。
5-2 マルチ決済端末方式
PayPayをマルチ決済端末方式で導入する場合の流れは、以下の通りです。
- オンライン上のフォームで必要事項を入力し仮登録を行う
- 店舗許可証や営業許可書などを準備して申し込む
- 審査後、マルチ決済端末を受領する
- マルチ決済端末の初期設定を行い、利用を開始する
マルチ決済端末方式では、Pay CAS Mobileという端末が必要です。この端末が発送されるまでには、審査終了から2週間〜1ヶ月程度かかります。 このようにマルチ決済端末方式はQRコード端末方式に比べ、導入に少し時間がかかります。しかし、マルチ決済端末は持ち運びができるため、顧客がテーブルで支払いをする飲食店ではQRコード決済方式より便利です
5-3 決済代行業者を利用する場合
決済代行業者を利用してPayPayを導入する流れは、以下の通りです。
- 決済代行業者に問い合わせをし、ヒアリングを受ける
- プランの提案や見積もりを確認する
- 申し込みを行う
- サービスを利用開始する
決済代行業者を利用する場合は、「本当にPayPayが自店舗にとって最適なのか」「他にも導入すべきQRコード決済はないか」などのアドバイスや提案を受けることができます。 また、申し込みは決済代行業者に代行してもらえるため、Paypay以外の複数のQRコード決済の一括申し込みも可能で、個別に手続きする必要がないことも嬉しいポイントです。 QRコード決済事業者の選定や申し込み手続きに不安がある場合は、決済代行業者の利用をおすすめします。
6 飲食店がPayPayの利用を開始する際の費用相場
飲食店がPayPayの利用を開始する際、プランや決済方式によっては費用が発生することがあります。 まずQRコード決済方式の初期費用は以下の通りです。
制限プラン | 無料 |
ライトプラン | 1,980円 |
ライトプランの場合は費用がかかりますが、新規加入の場合はトライアルプランが適用されて無料となります。 続いてマルチ端末決済方式では、本来端末費用として7万8,800円がかかります。しかし、PayPayから直接申し込を行う場合は無料となっています。 なお、PayPayを導入する際には前述の通り決済代行業者を利用する方法もあります。決済代行業者を利用すれば、複数のQRコード決済を一括導入することができ、導入後もPayPayの機能を活用した運用支援を受けることができます。決済手数料や導入費用は各社で異なりますので、比較検討をするのがよいでしょう。
7 まとめ
飲食店がPayPayを導入することで、QRコード決済利用者の多くにアプローチできます。また、クーポンやスタンプカードの発行による集客効果も期待できます。 TISではPayPayの導入をはじめ、国内外のさまざまなQRコード決済の導入を支援する加盟店向け「加盟店向けQR決済ゲートウェイサービス」を提供しています。大手飲食チェーンでの採用実績が多数あり、お客様に合わせて加盟店契約先や決済端末をご提案します。ぜひお気軽にご相談ください。
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