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飲食店における決済代行サービス!種類や導入メリット・選び方について解説

近年、飲食店でキャッシュレス決済を利用する顧客が飛躍的に増えています。

クレジットカード、QRコード決済など、その決済手段は多岐にわたり、顧客によって利用しているものが異なります。こうした多様なニーズに応えるには、できるだけ多くの決済手段に対応することが理想的です。しかし、個々の決済事業者と直接契約を結ぶのは、飲食店にとって大きな手間となるのが実情です。

そこで多くの飲食店では、決済代行サービスが利用されています。複数のキャッシュレス決済手段を一括で導入・管理できる決済代行サービスは、キャッシュレス化が進む現代において、飲食店にとってかかせない存在となっています。

本記事では、この決済代行サービスの基本的な仕組みや、飲食店に導入するメリット、そしてサービスを選ぶ際のポイントなど、わかりやすく解説していきます。

目次
1 決済代行サービスとは
2 飲食店における決済代行サービスの仕組み
3 クレジットカードや電子マネーなど対応決済手段の種類
  3-1 クレジットカード決済
  3-2 QRコード決済
  3-3 電子マネー決済
  3-4 デビットカード決済
4 飲食店がキャッシュレス決済を導入する必要性
5 「直接契約」と「決済代行」の違いは何か?
  5-1 直接契約
  5-2 決済代行
6 飲食店が決済代行サービスを利用するメリット
  6-1 手軽に複数の決済手段をまとめて導入可能
  6-2 レジ締め作業の効率化で閉店作業の負担を軽減
  6-3 顧客の会計時間短縮で回転率アップ
  6-4 外国人観光客への対応で新規客層を獲得
  6-5 現金管理リスクの軽減とスタッフ負担の減少
7 飲食店が決済代行サービスを利用するデメリット
  7-1 売上に対する決済手数料のコスト負担
  7-2 初期費用や月額費用が発生する可能性
  7-3 導入後のトラブル対応が発生
8 飲食店向け決済代行サービスの選び方
  8-1 店舗規模や客層に合った決済手段を選ぶ
  8-2 料金体系を確認する
  8-3 導入実績を確認する
  8-4 サポート体制と障害対応について確認する
  8-5 既存POSレジとの連携可否を確認する
9 決済代行サービス導入の流れ
10 よくある質問
  10-1 決済代行で有名な会社は?
  10-2 決済代行サービスを利用するデメリットは?
11 まとめ

1 決済代行サービスとは

決済代行サービスとは、クレジットカード、QRコード決済、電子マネーなど、複数のキャッシュレス決済手段を一括で導入・管理できるサービスです。

飲食店がこのサービスを導入することで、さまざまな決済手段にスムーズに対応できるようになります。加えて、各決済会社との直接契約や管理の手間が省けるため、運用の効率化にもつながります。

今では飲食店においてもキャッシュレス決済の利用は消費者にとって定着しており、対応する必要性がますます高まっています。

アルファノート株式会社の調査によると、飲食店で最も利用している支払い方法としてキャッシュレス決済を挙げた人は全体の85%にのぼります。一方で、現金決済を挙げた人は15%にとどまっており、キャッシュレス決済が主流になってきています。

出典:飲食店利用者のキャッシュレス実態調査公開|約65%が飲食店選びにキャッシュレス決済の可否をチェック | Alpha+media

キャッシュレス決済の多様化に伴って、顧客のニーズを十分に満たすには、できるだけ多くの種類に対応する必要があります。しかし、今では「QR決済」1つをとっても種類が多く、個別に契約・導入するには多くの手間がかかります。決済代行サービスを利用することで、個々に直接契約を結ぶ手間を省き、多くのキャッシュレス決済を一括で導入・管理することが可能です。

2 飲食店における決済代行サービスの仕組み

決済代行サービスでは、以下のような仕組みで決済が行われます。

  1. 決済:利用者が飲食店でキャッシュレス決済を行う​​
  2. 飲食店から決済代行へデータ送信:決済代行サービス会社が売上データを取得する​​
  3. 決済代行から決済事業者へデータ送信:集計された売上データが各キャッシュレス決済事業者に送られる​​
  4. 決済事業者から決済代行へ送金:キャッシュレス決済事業者から決済代行サービス会社に売上金が送金される​​
  5. 決済代行から飲食店へ送金:決済代行サービス会社から一括で売上金が送金される​​

利用者が飲食店でキャッシュレス決済を行うと、決済端末を通じて決済代行サ-ビス会社に決済情報が送信されます。

決済代行サ-ビス会社は、その決済情報を対象のキャッシュレス決済事業者に送信します。決済代行サ-ビス会社は、各決済事業者から売上金を集約し、一括で飲食店に送金するため、飲食店は個々の決済事業者と売上金のやり取りをする必要はありません。

3 クレジットカードや電子マネーなど対応決済手段の種類

決済代行サービスではオンラインでの決済を含めた幅広い決済手段に対応していますが、飲食店などの実店舗では特に以下の4つの手段への対応が重要です。

  • ​​クレジットカード決済​
  • QRコード​決済
  • 電子マネー決済​
  • デビットカード決済

3-1 ​​クレジットカード決済​

​​クレジットカード決済は代金を後日支払う「後払い​式​」の​代表的な​決済手段です。カードの​読み取り端末に差し込む、あるいはタッチすることで支払いが完了します。​スマートフォンなどを​持たない顧客でも利用できるため、幅広い層に対応可能です​。​

​​クレジットカード決済は飲食店においても利用率が高い決済手段です。前述の「​アルファノート株式会社の調査​」では、飲食店で最も多く利用されているキャッシュレス決済として挙げられています。

​​主なクレジットカードのブランドは以下の5つです。

  • VISA
  • Mastercard
  • JCB
  • American Express
  • Diners Club

世界中で利用されているブランドが多く、インバウンド向けの決済手段としてもクレジットカードの重要性は高いといえます。

各ブランドと直接契約する場合はそれぞれの加盟店登録が必要ですが、決済代行サービスを使えば一括で導入できます。

3-2 ​​QRコード​決済​​

QRコード​決済は、QRコード(二次元コード)を読み取​って行う​決済手段で​、​スマートフォンを活用した利便性の高い手段で​​す。​

​​こちらも飲食店における利用率が高く、「アルファノート株式会社の調査」によると2番目に多く利用されているキャッシュレス決済です。

読み取り方法としては、顧客の端末に表示したQRコードを店舗側が読み取る「ストアスキャン型」と、店舗側に掲示したQRコードを顧客に読み取ってもらう「ユーザースキャン型」の2種類があります。

QRコード決済には多くの種類があり、特に人気が高いものとしては以下が挙げられます。

  • ​PayPay
  • 楽天ペイ
  • d払い
  • メルペイ
  • au PAY
  • WeChatPay
  • 銀聯(ユニオンペイ)
  • Alipay

QRコード決済は中国人など外国人観光客の利用ニーズもあるため、インバウンド対策としても重要度が高い決済手段です。

3-3 電子マネー決済

電子マネーは、ICカードやスマートフォンアプリを使って支払う決済手段です。端末にタッチするだけで決済が完了するスムーズな手続きが特徴で、回転率が重視される飲食店には特に適しています。
導入するには読み取り用の端末が必要ですが、決済代行サービスを利用することで、他の決済手段と一緒に必要な環境を一括で導入できます。

代表的な電子マネー決済は以下の通りです。

  • 楽天Edy
  • WAON
  • nanaco
  • 交通系電子マネー(Suicaなど)
  • QUICPay
  • iD

こちらは国内利用者が中心の決済手段ですが、日常での利用率が高いため、飲食店で導入する重要度も高いといえます。

3-4 デビットカード決済

デビットカードは、支払いと同時に銀行口座から即時引き落としされる決済方法です。与信審査が不要で、若年層や高齢者にも利用しやすい点が魅力です。

クレジットカードと同じ決済端末・インフラで対応可能なため、同時に導入されるケース、がほとんどです。

4 飲食店がキャッシュレス決済を導入する必要性

現代では、現金を持ち歩かずにスマートフォンやカードで支払うスタイルが定着し、飲食店でもキャッシュレス決済で支払いたいというニーズが顕著になっています。

SBペイメントサービス株式会社の調査によると、キャッシュレス決済のみを利用する場所として「飲食店」を挙げた人は24.0%にのぼり、外食時にもキャッシュレス決済の利用を前提とする顧客が増えていることがわかります。

出典:実店舗でのキャッシュレス決済の利用実態調査結果を公開|決済代行のSBペイメントサービス

同調査では、キャッシュレス決済が使えないことでその店舗の利用を断念した経験がある人は43.2%(「何度もある」「数回程度ある」の合計)に達しています。
つまり、キャッシュレス決済非対応であることが、顧客の「離脱」に直結する大きな要因となっていると言えるでしょう。

出典:実店舗でのキャッシュレス決済の利用実態調査結果を公開|決済代行のSBペイメントサービス

また、キャッシュレス決済が利用できず困った経験がある場所として、「飲食店」は全業種の中で2位にランクインしています。これにより、多くの店舗が未だに非対応である現状と、それによる不満が顕在化していることが示唆されています。

出典:実店舗でのキャッシュレス決済の利用実態調査結果を公開|決済代行のSBペイメントサービス

こうした調査結果からも明らかなように、キャッシュレス決済を導入していない飲食店は、
顧客体験の質の低下や、離脱による売上機会の損失というリスクを抱えています。

顧客ニーズへの対応、インバウンド対応、回転率の向上といった観点からも、飲食店におけるキャッシュレス決済の導入は「必須事項」といえるでしょう。

5 「直接契約」と「決済代行」の違いは何か?

キャッシュレス決済を導入する際には、大きく分けて2つの方法があります。

  1. 各決済事業者と直接契約する
  2. 決済代行サービスを利用して一括導入する

ここでは、それぞれの特徴や違いを比較しながら解説します。

5-1 直接契約

直接契約とは、VISAやPayPayなどの各決済ブランド・事業者と、飲食店が一つひとつ個別に契約する方法です。

この場合、決済事業者ごとに契約書のやり取りやシステム導入、決済・入金のやり取りが必要です。そのため、多くの決済手段を導入するには、それだけ多くの手間がかかります。

現在ではQR決済だけでも多くの種類があるため、利用者のニーズを満たすためにはできるだけ多くの決済手段に対応する必要があります。小規模な飲食店の場合、直接契約で多くの決済手段に対応するのは現実的ではないといえるでしょう。

5-2 決済代行

一方で、決済代行サービスを利用する場合、複数の決済手段を1つの窓口でまとめて導入・管理できます。

個々の決済事業者とのやり取りは、決済代行サービスに一本化されます。そのため、決済手段ごとに契約や決済・入金のやり取りをする必要はありません。

決済代行サービスを利用することで、多くの決済手段を一括で導入することが可能です。

6 飲食店が決済代行サービスを利用するメリット

飲食店にとって、決済代行サービスを活用することには多くの利点があります。特に現場の業務効率化や顧客満足度の向上に直結するため、導入を検討する価値は十分にあります。

  • 手軽に複数の決済手段をまとめて導入可能
  • レジ締め作業の効率化で閉店作業の負担を軽減
  • 顧客の会計待ち時間短縮で回転率アップ
  • 外国人観光客への対応で新規客層を獲得
  • 現金管理リスクの軽減とスタッフ負担の減少

以下に詳しく解説します。

6-1 手軽に複数の決済手段をまとめて導入可能

決済代行サービスを利用する大きなメリットは、複数の決済手段をまとめて導入できることです。

現在は、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済など、顧客ごとに異なる決済手段が利用されています。中でも「QR決済」だけでも、PayPay・楽天ペイ・d払い・Alipayなど多数のブランドが存在します。

これらを全て直接契約で導入するのは現実的ではありませんが、決済代行サービスを使えば、一つの契約でまとめて対応可能です。顧客のニーズに柔軟に対応でき、機会損失を防ぐことができます。

6-2 レジ締め作業の効率化で閉店作業の負担を軽減

決済代行サービスの導入は、レジ締め作業の効率化にもつながります。

決済手段を個別に導入している場合、それぞれの決済ごとに売上を確認し、手入力で集計・照合する必要があります。これはレジ締めや閉店作業の大きな負担になります。

決済代行サービスでは、複数の決済手段の売上を一元的に管理できるため、レジ締め作業の時間短縮や人為的ミスの削減、会計処理の簡素化といった効果が得られ、現場の負担を大きく軽減します。

6-3 顧客の会計時間短縮で回転率アップ

決済代行サービスの導入は「会計時間」の短縮にもつながります。

キャッシュレス決済は一般的に、現金よりもスムーズに支払いを完了できます。経済産業省の調査によると、キャッシュレス決済は現金決済に比べて、会計に要する時間を約35%短縮できます。

出典:令和3年度「キャッシュレス決済の中小店舗への更なる普及促進に向けた環境整備検討会」第3回検討会 事務局説明資料

決済代行サービスを導入し、キャッシュレス決済で支払いをする利用者が増えると、顧客1人あたりの会計時間を短縮できます。その結果、顧客満足度の向上につながり、回転率・売上アップも期待できます。

6-4 外国人観光客への対応で新規客層を獲得

決済代行サービスを導入して幅広い決済手段に対応することは、外国人観光客の満足度向上にもつながります。

訪日外国人観光客の多くは、クレジットカードやAlipay、WeChat Payなどのキャッシュレス決済を好んで利用していますが、利用できずに困るケースがあるようです。観光庁が実施した『令和6年度「訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート』によると、訪日旅行中に困ったことについて7.8%が「クレジットカードの利用」、3.6%が「その他の決済手段(アリペイ、モバイルペイメントなど)」を挙げています。

出典:令和6年度「訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート」調査結果|観光庁

決済代行サービスを活用すれば、インバウンド向けの決済手段も一括で導入可能です。外国人顧客をスムーズに受け入れる体制を整えることで、新たな集客・売上機会を獲得できます。

6-5 現金管理リスクの軽減とスタッフ負担の減少

決済代行サービスを導入してキャッシュレス決済の比率が増えることで、現金管理のリスクや負担を減らすことにもつながります。

現金決済のみで運用する場合、店舗に大量の現金を保管する必要があり、盗難や紛失のリスクにさらされることになります。

また現金管理には、釣銭準備・レジ締めの集計・銀行口座への入出金処理などさまざまな業務が必要です。現金の紛失・集計ミスなどのトラブルが発生するリスクも伴います。

決済代行サービスを導入してキャッシュレスでの決済を増やすことで、扱う現金の量を減らすことができ、現金管理に伴うリスク・手間を軽減することが可能です。

株式会社エム・ピー・ソリューションがキャッシュレス決済を導入している事業者に向けて行った調査によると、キャッシュレス導入後に感じたメリットとして「釣銭準備の手間が減った」「釣銭ミスが減った」など、現金管理に関する点が多く挙がっています。

出典:【キャッシュレス決済を導入した事業者への実態調査】株式会社エム・ピー・ソリューション

7 飲食店が決済代行サービスを利用するデメリット

決済代行サービスには多くのメリットがありますが、以下の3つのデメリットを考慮する必要があります。

  • 売上に対する決済手数料のコスト負担
  • 初期費用や月額費用が発生する可能性
  • 導入後のトラブル対応が発生

それぞれ詳しく見ていきましょう。

7-1 売上に対する決済手数料のコスト負担

決済代行サービスを利用する場合、売上に応じて一定の決済手数料が発生します。

決済金額の「2~4%」ほどが手数料の相場ですが、利用するサービスや店舗規模、導入する決済手段の種類によってさまざまです。例えば決済手数料を3%、1日の売上を30万円として、顧客が全てキャッシュレス決済で支払った場合、1日あたり9,000円の決済手数料が発生します。

これは直接契約の場合も同様で、キャッシュレス決済を利用する場合は基本的に決済手数料の支払いが発生します。なお、決済代行サービスを経由することで、直接契約よりも手数料がやや高くなるケースもありますが、その分、契約・管理の手間や人件費が軽減されるという利点もあります。

「手数料率」だけでなく、運用の手間や人的コストも含めた、トータルコストで比較検討することが重要です。

7-2 初期費用や月額費用が発生する可能性

決済代行サービスによって、決済手数料とは別に「初期費用」や毎月の「月額費用」が発生する場合があります。

またサービスによって「月額費用ありのプラン」と「月額費用なしのプラン」を選べることがあります。一般的に、月額費用がかかるプランの方が決済手数料は安く設定されている傾向にあります。そのため毎月の決済金額が大きい場合は、月額費用が発生してもトータルでの費用が安くなることもあります。取引状況に応じたプランの選択が重要です。

7-3 導入後のトラブル対応

キャッシュレス決済は便利な反面、システム障害や通信エラー、端末トラブルが発生する可能性もあります。
操作ミスや端末のエラーなどの場合には、ヘルプデスクに問い合わせて解決するなどの対応も必要です。

決済事業者側のシステム障害など、原因によっては復旧を待つしかない場合もあります。その場合でも、利用者にシステム障害について周知して理解してもらうといった接客面の対応は必要です。

システム障害は決済事業者側の問題で発生するため、飲食店側では対策・予測ができず、忙しい時間帯に突然発生するリスクもあります。

このようなシステム面でのトラブルに対応できるようスタッフの教育や対策を行うなど、社内体制の整備が必要です。

8 飲食店向け決済代行サービスの選び方

飲食店が決済代行サービスを導入する際には、サービスごとに特徴やコスト、対応範囲が異なるため、自店舗の業態やニーズに合ったサービスを選ぶことが重要です。ここでは選定時に確認すべき5つのポイントを解説します。

  • 店舗規模や客層に合った決済手段を選ぶ
  • 料金体系を確認する
  • 導入実績を確認する
  • サポート体制と障害対応について確認する
  • 既存POSレジとの連携可否を確認する

それぞれ以下に詳しく解説します。

8-1 店舗規模や客層に合った決済手段を選ぶ

考慮すべきポイントの1つは、自社の規模や客層にマッチする決済手段に対応しているかどうかです。

例えば高級店ならクレジットカード決済の利用者が多いことが考えられます。テイクアウトができる飲食店などカジュアルな店舗なら、気軽に使えるQR決済や電子マネー決済が適しているでしょう。

またインバウンド層が多いなら「WeChat Pay」「Alipay」など中国系のQR決済に対応できる決済代行サービスが適しています。

候補となる決済代行サービス会社ごとに、対応している決済手段を比較して、自社のニーズにマッチしているか確認しましょう。

8-2 料金体系を確認する

料金体系も確認すべき重要なポイントです。決済代行サービス会社ごとの決済手数料を確認し、1ヶ月の売上に対して発生する手数料を計算して比較しましょう。

決済から入金までの期間や、「月1回」「月2回」などの入金頻度を確認することも大切です。決済から入金までの期間が長くなると、キャッシュフローが悪化する原因になります。

詳しい料金・入金サイクルは、見積りをしないと分からないこともあります。複数の決済代行サービス会社に問い合わせを行い、比較検討しましょう。

8-3 導入実績を確認する

決済代行サービス会社の実績を確認することも大切です。

決済代行サービス会社には売上金のやり取りを任せることになるため、信頼できる会社を選ぶ必要があります。

会社のホームページにある「導入実績」のページなどを確認して、どのような業種・分野での実績があるか確認しましょう。自社と同じ業界での導入実績が多い会社なら、業界ならではの事情に精通していることが予想でき、スムーズな導入が期待できます。

「導入社数」や「設立年」などもチェックして、多くの導入実績があって信頼できる会社なのか確認することも大切です。

8-4 サポート体制と障害対応について確認する

サポート体制の充実度・品質を確認することも大切です。

具体的には、導入時のトレーニングやマニュアルの有無、その内容を事前に確認することが大切です。また、見積もりを依頼した際の担当者の対応速度や質も、提供されるサポートの充実度を測る良い指標となります。

導入後の万が一のトラブルに備え、障害発生時の対応についても確認が必要です。「すぐに連絡がつくヘルプデスクがあるか」「障害が発生した場合にどのような補償を受けられるか」といった点も、サポートの重要な側面です。

さらに、ヘルプデスクの対応時間帯も忘れずにチェックしましょう。店舗の営業時間中にいつでもヘルプデスクを利用できるかを確認しておくことで、安心してサービスを運用できます。

8-5 既存POSレジとの連携可否を確認する

店舗に設置している既存のレジと、決済代行サービスのシステム・端末が連携できるかどうかの確認も必要です。

連携できない場合、会計時には既存のレジとキャッシュレス決済の端末、両方に金額を入力する二度手間が発生し、業務が大幅に非効率になります。既存レジと決済代行サービスが連携できれば、現金決済とキャッシュレス決済の売上を一元管理できるようになり、日々の業務効率が格段に向上します。

もし現在のレジとの連携が難しい場合でも、決済代行サービスによっては新しいPOSレジの購入やレンタルをサポートしているケースもあるので、ぜひ相談してみましょう。

最近ではタブレット型のPOSレジなど、小規模な飲食店でも手軽に導入できるリーズナブルなタイプも増えています。使用しているレジが古くなっている場合は、決済代行サービスの導入を機に、レジ周りのシステムを一新するのもおすすめです。

9 決済代行サービス導入の流れ

決済代行サービス導入の基本的な流れは以下の通りです。

  1. 問い合わせ
  2. 見積り
  3. 申し込み
  4. 審査
  5. システム導入・動作確認
  6. 利用開始

決済代行サービスの料金は導入規模などによって異なるため、多くの場合「見積り」によって、具体的な手数料・導入コストが決定されます。

見積りで詳しい料金を確認してから申込みできるため、契約するか悩んでいる段階でも見積りを依頼することが可能です。

申込み後、クレジットカードやQR決済など利用する決済手段についての「審査」があります。審査通過後、店舗に決済システムを導入し、テスト環境での動作確認が行われます。

動作確認で問題が見つからなければ、決済代行サービスの利用開始です。

10 よくある質問

10-1 決済代行で有名な会社は?

決済代行サービスで有名な会社としては以下が挙げられます。

名称 ホームページURL
SBペイメントサービス株式会社 https://www.sbpayment.jp/
GMOペイメントゲートウェイ株式会社 https://www.gmo-pg.com/
株式会社ペイジェント https://www.paygent.co.jp/
Square株式会社 https://squareup.com/jp/ja

10-2 決済代行サービスを利用するデメリットは?

決済代行サービスの主なデメリットは以下の2つです。

  1. 初期費用・決済手数料・月額料金などが発生
  2. システム障害などの対応が必要

「初期費用」「月額料金」は無料のサービスもありますが、売上に対して一定の割合で発生する決済手数料については基本的に必須です。またシステム障害などのトラブル対応の手間がかかる場合もあります。

上記はいずれも現金決済と比較したキャッシュレス決済のデメリットであり、決済代行サービスを利用せず、直接契約でキャッシュレス決済を導入する場合でも共通です。

11 まとめ

飲食店にキャッシュレス決済を導入することは、回転率の向上やレジ業務の効率化、インバウンド対応など、多くのメリットにつながります。

決済代行サービスを利用することで、飲食店においても簡単にキャッシュレス決済を導入することが可能です。キャッシュレス決済が一般化した現在では、飲食店においても幅広いキャッシュレス決済に対応する必要がありますが、決済代行サービスを利用することで一括して多くの決済手段に対応できます。

決済代行サービスの導入をご検討の際にはTISにご相談ください。TISでは、国内外のQRコード決済を迅速にまとめて導入いただける「加盟店向けQR決済ゲートウェイサービス」など、決済にまつわる総合的な支援サービスをご提供しています。決済代行サービスの導入サポートなど、決済業務についてのご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

■加盟店向けQR決済ゲートウェイサービス

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