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5Gで変わる決済の未来とは

こんにちは。米木です。今回は最近様々な所で話題になっている5Gについてお話したいと思います。

5Gとは、2020年春にサービス開始を予定されている次世代ネットワークのことで、正確には第5世代移動通信システム(以下5Gと記載)といいます。現在私たちが使っている携帯電話ネットワークは4Gです。そしてこの5Gは世の中に多大な影響を与えると言われています。私が長年携わっている決済サービスにも少なからず変化があると思っており、今回は5Gが決済サービスに与える影響について予想をしていきたいと思います。

●5Gと4Gの違いは?

まず、現在私たちが利用している4Gと5Gの違いを比較してみました。

                            (出典:KDDI公式サイト)

表から分かるように、現在の4Gに比べ非常に高速(20倍)であり、遅延がほとんどなく(10分の1)、多くのデバイスと接続できる(10倍)というわけです。私たちの生活は今や携帯電話無しでは成り立たない程、重要なツールの一つになっています。生活だけではなく、ビジネスの世界においても携帯ネットワークが不可欠になっていることを考えると、5Gになって高速、低遅延、多接続が10~20倍改良される影響は大きいと容易に想像する事ができます。

●いつでもどこでも決済サービスを利用できる

ネットワークの速度は今でもそれほど遅いとは思いませんが、5Gになると、決済処理が驚くほど高速になると考えられます。更に速度だけではなく、遅延時間が短縮され、接続可能なデバイス数が多くなることで、ネットワークの安定性は格段によくなることが考えられます。

現在QRコード決済はスマートフォンとネットワークが繋がっていないと処理できない仕組みになっています。また最近はタクシーなどのモバイル決済端末やお店のタブレット決済端末などが増えていますが、これらも携帯ネットワークを利用しています。「ネットワークの状態が悪く決済ができない」という様なことは5Gの世界では見られなくなるのではないでしょうか。

しかし、不正利用を防ぐ技術と、データを盗む技術は日進月歩であり、非接触決済は100%安全とは言い切れません。私は色々なリスクを考えるとスマートフォンで安全な決済を行うためには、カード情報をスマホに格納すべきではないと思っています。

一方、最近決済手段としてメジャーになっているQRコード決済はどこにカード情報が格納されているのでしょうか?
その答えはずばり、QR決済事業者のサーバーの中です。そのため、QRコード決済を行う場合はスマートフォンがネットワークに接続している必要があります。つまりQR決済ではネットワークの安全性と品質が非常に重要になります。
これらの状況を考え、安全に決済を行うためにはQRコード決済に統一すべきか?というとそれは違います。前述の様にQRコード決済はネットワーク品質に左右されてしまうということがあるからです。

ここで待たれているのが5Gの登場です。なぜなら5Gは高速で、信頼性が高いサービスなので、電子マネーや非接触決済においても、スマートフォンの中ではなくクラウド上にカード情報を保有することができるかもしれないのです。その場合、ユーザーはスマートフォンから大事な情報が盗まれる事を心配する必要はなくなり、安心して決済サービスを利用できるようになります。

●ストレスのない本人認証へ

スマホ決済を安全にするためには、決済を利用している人が本人かどうかを確認する本人認証が重要になります。現在はスマートフォンのパスコードやiPhoneのFace ID、Touch IDといった生体認証を行うことで本人認証を行うことができます。

しかし、お店で決済をする際、毎回本人認証を行うのは、ほんの短時間とはいえ、非常に手間が掛かかるため、現在スマホ決済利用時の本人認証はかなり限定的なものに限られています。

私は以前ここのブログ(https://service.paycierge.com/blog/1795/)にも書きましたが、認証していることをユーザーに意識させないパッシブ認証が有効ではないかと考えています。パッシブ認証はユーザーがアプリを開いて操作している間にいくつかの生体認証を行う方法です。この時にユーザーは認証されていることを意識することがないため、ユーザーエクスペリエンスを低下させることなく、本人認証が可能になります。

このパッシブ認証はサーバーに格納された過去の生体情報(ハッシュ)を利用してAIが判断することから、ネットワーク接続が必要になります。そこは高速で安定した5Gがないと現実的ではないのです。

5Gによって決済時の本人認証にもイノベーションを起こすことができるようになるかもしれません。

●ワクワクするIoT時代へ、決済を通してできる事

IoT時代になると、5Gが必須になるといいます。IoTはさまざまなモノがネットワークを通してサーバーと接続し、モノとモノが相互に通信をすることです。ネットワーク上には重要な情報が大量に流れることになるため、高速・大容量、低遅延、多接続という5Gが必要になります。

自動運転の乗り物が周りの環境や他の乗り物と通信しながら正確に目的地に到着するためには、ネットワークの遅延や接続数が足りなくて接続できないということは致命的になります。未来の車は通信を使って今まで実現不可能であったようなサービスが提供され、その中で決済行為も数多く発生します。

医療やヘルスケア、スマートシティ、スマートホーム、さまざまなシェアリングサービスなど未来のサービスを受けるためには、そこに必ず決済が付随します。5Gの世界で決済を活用すると何をどう変えることができるのか、今まで存在しなかった新しいサービスができないかなどを読者の皆さんとも一緒に考えていきたいと思っています。

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