前回のまとめ
日頃からキャシュレス決済ばかり利用する博士を見て、
現金の必要性に疑問を抱いたキャッシー。
博士にお金の誕生から「鋳造貨幣(コイン)」「信用貨幣(紙幣)」が順に生まれていった
お金の歴史や、その背景について学んだ。
②決済の歴史(キャッシュレス決済の登場:クレジット決済)
イチ、ニ、サンッ!お、今のはホールインワンだな
博士、またゴルフの練習?
おかえりキャッシー。大学の帰りかい?
うん
む、元気がないということは、彼氏とケンカでもしたな?
なんでわかるの!?
昔からなんでも顔に出るからな
彼ってば、デートの約束を忘れてたんだよ! 私みたいに可愛い彼女との約束を忘れるなんて信じられない! 思い出しても頭にきちゃう!!
まぁまぁ落ち着け。しかし約束を破るのはよくないな。決済でいえば信用問題に関わるから、クレジットカードも作れないことになる
出た、博士の必殺「何でも決済の話につなげる」会話術
う、、、 昔からの癖なんじゃ。まあそういわず聞いてくれ
そういえば、この前お金の歴史の話をしたが、その続きはクレジットカードの登場なのだよ
ふーん。でもクレジットカードができたのってけっこう最近でしょ?
純粋なクレジット会社の誕生は、1950年頃といわれている
こんな逸話が残っているんじゃ。ある男が店で友人と食事をした後、財布がないことに気づく。郊外の家にいた夫人に届けてもらい、事無きを得たんだが、財布の到着を待つ時間はひどく気まずいものだった。そこで、友人と共に出資し、ツケで食事ができる組織を作ることにした。これがあのダイナースクラブのはじまりという話
そうなんだ、面白いね
そうだろう? しかし、これがなんと作り話だったことが、後に発覚したのだ!
ええ!? どういう事? クレジットの会社なのに信用の方は大丈夫なの~?
はは、ダイナースクラブは世界中で利用されている信用ある会社だから心配ご無用。こうした逸話は、すべてが嘘ではなくても後の時代に「盛られて」伝わってしまうからね。この逸話も同じように尾ひれがついて伝わってしまったんだろうなぁ
うっ。私もSNSは「盛る」からなぁ
クレジットカードは「信用決済」と呼ばれていて、その人が信用できるからツケ払いができるシステムなんだ。SNSも同様、盛りすぎたはよくないと思うがな
はいはい(笑)
ちなみに日本では、19世紀の終わりに呉服屋の丸善が商品代金を月々の支払いにする「月賦販売」を始めたのが1つのルーツと呼ぶ説もある。これを主導したのは月賦販売の祖といわれる「田坂」氏だ
田坂氏?? 有名人なの?
田坂氏は「支払いが見込めそうかどうか」を見定めるなど、今のクレジット会社が行なっている信用調査の原型のようなことも始めたすごい人なんだ
へー。日本でクレジットカードが使われ出したのはいつから?
1960年だ。当時から今と同じプラスチック製のカードで、1989年からICチップが導入され、より安全で便利に使えるようになっていったんだ
そうなんだぁ。私も…持ってみようかな~
ポイントも貯まるし、おトクだぞ
そうだね、なんか…楽しみになってきた! ありがと博士、じゃあね!
あ、博士おはよう!
おはよう。お、彼氏と仲直りしたな?
あ、わかる~(笑)? 見て見て、彼にテーマパークでお揃いのキーホルダー買ってもらっちゃった!
そりゃあよかった。カードは使ってたかな?
クレジットカードを使って決済してたよ!
「信用」できる彼氏じゃないか
登場人物紹介
与那嶺 淳(あだ名:決済博士)
大学では長年にわたり商学部の教授を務め、
昨今話題のDX技術や新しい決済の仕組みをずいぶん早くから講義の中で解説しており
学生には”決済博士”として慕われていたが昨年退職。
悠々自適な生活を送りつつも隣に住むキャッシーを気にかけている。
木山 祥子 (あだ名:キャッシー )
サークルやバイトに毎日忙しい元気印の大学生。
レジのアルバイトでいろいろな支払い方法があることを知り、
最近お金や決済に興味を持ち始めた。
※この記事が参考になった!面白かった! と思った方は是非「シェア」ボタンを押してください。