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乱立するQRコード決済。仕組みを理解し迅速に導入する方法とは?

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昨今、キャッシュレス決済の加速と共に急速に普及が進むQRコード決済。消費者にとっても店舗にとっても便利でメリットの多い決済方法ですが、QRコード決済サービスは乱立気味。店舗からは「いったいどれを優先して導入すればいいのかわからない」「導入コストなどを知りたいが種類が多すぎて特徴が把握できない」といった戸惑いの声も聞かれます。

毎日多忙のなか、1つひとつのQRコード決済事業者について調べ、導入をすすめるのは確かに大変です。

そんなときおすすめなのが「決済代行会社」を使うこと。QRコード決済事業者との面倒なやりとりをすべて代行してくれるだけでなく、数あるQRコード決済事業者に広く対応しているため、一度の導入で複数のQRコード決済サービスを導入することもできるのです。

今回はQRコード決済の仕組みについてあらためて解説すると共に、決済代行会社を使うメリットについても紹介していきます。

QRコード決済の仕組みとメリット

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QRコード決済については、ポイント還元など消費者にとってのメリットが語られがちですが、店舗にもメリットの大きい決済方法の1つです。

QRコード決済の仕組み

QRコードとは、正方形のスペースに四角形のドットを配置したものです。横方向の線で一次元的に情報を持つバーコードに対して、縦軸と横軸で情報を持つため「二次元コード」とも呼ばれます。QRコード自体は90年代に日本で生まれました。もともと決済のための技術だったわけではありません。スマートフォンを活用した電子決済が登場した際、ローコストかつ利便性の高い技術だったことから中国で爆発的に利用されるようになり(Alipay、WeChat等)、徐々に日本でも決済機能として採用され始めたのです。

QRコードはバーコードと比べ、より多くの情報を持つことができます。数字、英字、記号、漢字などさまざまな情報を格納することができ、専用の読み取り機が無くてもスマートフォンやダブレット等のカメラで読み取りが可能です。

QRコード決済は、この仕組みを活用した決済方法です。QRコード決済は大きく2つの方法に分かれます。

一つはお店側がQRを表示する 「MPM(Merchant Presented Mode)方式」です。店舗が用意したQRコードをユーザーがスマートフォンのカメラで読み取り、金額をアプリから入力して決済します。

もう一つの方法はユーザーがQRを表示する「CPM(Customer Presented Mode)方式」です。MPM方式とは反対に、ユーザーがQRコード決済アプリを立ち上げQRコードを画面に表示させ、そのQRコードを店舗が読み取ることで決済します。QRコードの読み取りはスマートフォンやタブレットでも可能ですが、POSレジとの連携や1次元バーコードの読み取りにも使える専用の読み取り機を導入する店舗が割合的に多いのが現状です。

QRコード決済のメリット

QRコード決済のメリットは「MPM方式」と「CPM方式」でそれぞれ異なります。 初期導入コストを抑える「MPM方式」

MPM方式のメリットは、店舗が専用の読み取り機を導入する必要がないことです。店舗はQRコードを紙に印刷して設置、もしくはタブレットに表示したりするだけで、初期導入コストが抑えられるのが強みです。「なるべく初期コストを抑えたい」という店舗にとって魅力的な選択肢だといえます。

POSレジとの連携「CPM方式」

CPM方式のメリットはユーザーの手間がないことです。MPM方式ではユーザーが金額を入力するなどひと手間かかる仕組みですが、CPM方式であればユーザーはQRコードを表示して店員に見せるだけで決済が可能です。手間がかからないのでユーザーにはストレスが掛かりません。また、店舗側が読み取って金額を入力するのでPOSレジと連携することも可能です。

両者に共通するメリットとして「読み取りが簡単にできること」が挙げられます。QRコードは四隅の黒い四角マークが目印になっており、読み取り機やカメラの角度が少しずれていても認識することができます。そのためお会計でユーザーを待たせることがありません。決済に限りませんが、使いやすさという面で「待たせない、ストレスが無い」ことは非常に重要です。

ブランディングにもつながる

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もう一つのメリットとして、QRコードにはカスタマイズ性があります。カラーの企業ロゴなどが入ったQRコードを見たことがある人も多いのではないでしょうか。QRコードは一部分がなくても読み取れる仕組みになっており、その箇所を好きなデザインでアレンジできます。なお、QRコードはモノクロであることが多いのですが、実は好きな色で作ることもできます。QRコードの高いカスタマイズ性を生かして、自社のブランディングにもつなげられます。

また、海外からの観光客へのアピールにもなります。たとえば中国で高いシェアを誇る微信支付(WeChat Pay)や支付宝(Alipay)を導入すればインバウンド需要が期待できます。現在はコロナの影響でインバウンド利用はほとんどありませんが、コロナが収束すれば需要は復活するでしょう。さらに、コロナ感染を防ぐ意味でも、直接手に触れる現金ではなくキャッシュレス決済を使う人が増えてきているようです。

こうしたメリットに気づいた消費者と店舗がQRコード決済の利用を続々と始めており、ユーザー数は右肩上がりで伸びています。2020年6月まで行われていたキャッシュレス・ポイント還元事業やQRコード決済事業者によるキャンペーンなども後押しとなり、今後もQRコード決済の市場規模は伸び続けると予測しています。

QRコード決済の便利さやお得さを知り、できるだけQRコード決済で支払いたいと思うユーザーも増えています。QRコード決済を導入することで、そういった“QRニーズ層を呼び込む効果が期待できると思います。

乱立するQRコード決済の問題点

 

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さまざまなメリットをもたらすQRコード決済ですが、一方で課題がないわけではありません。本項ではQRコード決済が抱える課題について紹介します。

比較検討の手間

キャッシュレスブームに乗る形で、QRコード決済事業者の数(種類)は一気に増えました。代表的なところだけでも、PayPay、楽天Pay、LINE Pay、メルペイ、d払い、au PAY、FamiPayなどがあり、他にも銀行系など多数のQRコード決済サービスが存在します。

これだけ多くのサービスがあると、それぞれの特徴を把握するだけでも一苦労です。導入の際の比較検討にも途方もない手間と時間がかかってしまう事が予測できます。

契約・審査の手間

QRコード決済が乱立状態にある今、どれか一つのサービスを導入するというよりも利用率の高い複数の決済サービスを一括して導入することが店舗にとっては望ましいといえます。しかし、多くの決済事業者と連絡を取り合い、1つひとつ契約を結び、審査を受けるのは非常に手間がかかります。

通常の業務で忙しい店舗にとってQRコード決済導入の手間はできるだけ減らしたいはずです。契約や審査に時間を取られるのは避けたいものです。

セキュリティ性の問題

決済システムを扱う上で避けて通れないのがセキュリティの問題です。過去にはQRコードをコピーされたりハッキングされたりといった不正利用の例もあることから、セキュリティについて懸念している店舗も多いかもしれません。しかし、決済時のQRコードは1分から5分で変更され、指紋認証やパスワードで対策することもできるのでセキュリティ上の問題はありません。

複数の決済事業者をまとめて管理「マルチ決済端末」

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前項で述べたようにQRコード決済を導入する際にはできるだけ多くの決済サービス(種類)を使えるようにしたいものです。しかし、決済サービスごとに決済端末を導入することは賢明ではありません。決済端末がいくつもレジに置いてあるのを見た事がある方もいると思いますが、場所も取りますし、操作を覚えるのも大変です。そこで活用したいのが複数のQRコード決済の導入を一台で行える「マルチ決済端末(※)」です。(※弊社でも提供しています:コチラ newwindow)

マルチ決済端末を一台導入すれば、多くのQRコード決済サービスを導入しても端末を増やす必要はありません。複数の決済サービスの導入を考えているのなら、マルチ決済端末を導入するのが一番シンプルで且つ利用が楽だといえます。

決済代行会社を利用するメリットとは

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QRコード決済の導入をサポートし、前述したような課題を解決してくれるのが「決済代行会社」です。決済代行会社は決済手段を提供する事業者と店舗の間に入り、導入支援や運用支援を行っている企業です。

決済代行会社を利用することで、どのようなメリットがあるのかを紹介します。

契約手続きを代行

決済代行会社は決済サービスのプロフェッショナルであり、乱立するQRコード決済サービスの特徴についてもしっかりと把握しています。店舗に最適なサービスの提案を行ってくれるため、前項で課題として挙げた「比較検討の手間」がかかりません。

また、契約も代行してくれるので「契約・審査の手間」がかからず、スムーズかつスピーディーに導入を進めることができます。特に複数のQRコード決済を導入する場合は、決済代行会社を利用するかどうかで作業負担に大きな違いが生まれます。

各種サービスに応じたシステムを構築

QRコード決済は各社ごとにシステムが異なります。導入の際はそれぞれのサービスに合わせてシステムを用意する必要があります。それらをすべて自社で開発するのは大変ですし、コストも増大します。かといって導入するQRコード決済サービスの数を減らすのは、幅広い決済手段を提供するという本来の目的を考えると本末転倒です。

決済代行会社は多くのQRコード決済事業者と連携したシステムをすでに構築済みですから、店舗としては決済代行会社のシステムとだけ連携すればいいのです。決済代行会社を利用することで、開発のコストを抑えながら複数のQRコード決済を一気に導入することができます。 (※弊社は決済代行業者のご紹介、裏の仕組み(ゲートウェイ)を含めご提案させて頂いています。こちらの記事を読んで少しでも気になるという方はお問い合わせ下さい。)

まとめ

決済の負担軽減、新たな顧客の獲得など、店舗にさまざまなメリットをもたらすQRコード決済。 契約の手間や連携システムの開発コストなど、事業者が乱立しているがゆえの課題もありますが、決済代行会社を利用することでこれらの課題は解決することができることがおわかりいただけたかと思います。

昨今急激に普及しており、特に現在はコロナの影響で顧客も現金を避ける傾向にあります。更に今後はキャッシュレス対応だけではなく、購買情報を収集・分析するための仕組みづくりが重要となってきます。
 また、現代はコト消費や高付加価値化に注目が集まっており、トレンドの移り変わりが非常に速くなっています。そのような市場で勝ち残るためには、しっかりとデータを活用してビジネスを加速することが求められます。
まずはその1歩として顧客の安全を守りながらビジネスを加速するためにもQRコード決済を導入してみてはいかがでしょうか。

※QRコードはデンソーウェーブの登録商標です。

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