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マイクロチップを体内に埋め込むと決済は便利になる!?

こんにちは、米木です。今回はマイクロチップについてお話していきます。

1.ペットにマイクロチップが義務化

禍の影響で家の中で過ごす時間が増え、犬や猫などペットを購入する人が増えており、2020年の新規飼育頭数は犬が46.2万頭(前年比14%増)、猫が48.3万頭(同16%増)(*1)にのぼるそうです。
(*1)https://toyokeizai.net/articles/-/452427

トイプードル‐ノア

最近、筆者の家族にトイプードルのノアちゃんが仲間入りしました。犬を飼うにあたり調べたところ、令和4年6月から犬と猫にマイクロチップを埋め込むことが法律で義務化されるとのこと。
一体どんなマイクロチップなのでしょうか?マイクロチップにはIDが入っていて、そのIDから飼い主を割り出すことができるそうです。これについては、ペットの登録を義務づけたいという国の思惑があるのだと思います。
 
 
 
動物の体にマイクロチップ個人的にはマイクロチップにリーダーをかざすと飼い主がわかるという仕組みは、ペットが迷子になった時のことを考えると、飼い主にとって安心材料となる良い制度であると感じています。
ペットに埋め込まれるマイクロチップにはアンテナとNFC通信の機能が装備されています。従っておそらくスマホなどNFC機能のあるデバイスがあれば、チップに入っているIDをNFC通信で読み取って登録機関に問い合わせ、飼い主を特定できるのだと思います。

2.ヨーロッパでは人にもマイクロチップを埋め込んでいるらしい

ヨーロッパはICカードの先進地域です。JCB、VISA、Mastercardなどカードの国際ブランドで採用されているEMVのICカード仕様は、ヨーロッパで使われていた仕様が元になっているそうです。スウェーデンでは2018年以前からマイクロチップを手に埋め込み、IDやウォレットなどの取り組みが始まっているようです。海外の記事(*2)によると埋め込む場所は、手の小指の外側または手首の上側の皮膚の下になるそうです。マイクロチップの中にはクレジットやデビットカードの情報が入っており、非接触で決済端末にかざすことで決済が可能になります。つまり現在決済で利用されているプラスチックカードやスマホの代わりに手に埋め込まれているマイクロチップをかざすということです。

(*2) https://www.nfcw.com/2021/10/08/374199/bio-compatible-nfc-implant-lets-consumers-make-contactless-payments-with-their-hand/

3.マイクロチップの正体

体内に埋め込まれるマイクロチップとはどのようなものか気になりますよね?体内に埋め込むので、電池交換や充電をすることができないため、バッテリーレスになります。非接触のプラスチックカードにもバッテリーは入っていませんので、それと同じように電磁誘導(*3)を使って電流を発生させます。
マイクロチップ本体の他に、決済端末と通信をするためのアンテナがあり、大きさは全体で安全ピン程度となるそうで、意外と大きいという印象です。
そのようなものを体内に埋め込んでも大丈夫なのかと不安になる人も多いと思います。一応体内に埋め込むマイクロチップとアンテナなどの周辺部品を含めて、ISO 10993に準拠しているということです。(ISO 10993とは「医療機器の生物学的安全評価」の国際標準のこと。)注射針やカテーテルなど体に異物を入れることになるので、ISO 10993のような安全基準がとても重要になります。安全なマイクロチップが使用されているということですね。ちなみに、冒頭で紹介したペットのマイクロチップもISO 10993に準拠しているそうです。
マイクロチップを体に埋め込む具体的な方法はよくわからないのですが、少なくとも自分自身で埋め込むことはできません。マイクロチップメーカーの手順書に従って医師による施術が必要とのことです。(前述の海外記事にpainlessと書かれているので痛くはないのだと思います)

(*3)電磁誘導とは、磁束が変動する環境下に存在する導体に電位差(電圧)が生じる現象である。(ウィキペディアより)決済端末から生じた磁場にマイクロチップのコイル(アンテナ)を近づけると、そのコイルに電流が流れる現象です。

4.体に埋め込んだマイクロチップ決済のメリット

体内に埋め込むマイクロチップ

最後にマイクロチップを体に埋め込むメリットについてお伝えしたいと思います。
現在はプラスチックカードやスマホを携帯し、ショッピングの支払い時にポケットやお財布からそれらを取り出して決済を行います。もし手にマイクロチップが入っていれば、カバンやポケットを探ってカードやスマホを取り出すことなく、手を端末にかざすだけで決済が完了します。これは相当なメリットだと思います。私はApple Watchを身につけていますから、同じように手首の時計をかざすだけで決済が完了しています。従ってカバンやポケットから出す必要のない便利さは非常によくわかります。
また、プラスチックカードやスマホの場合、持ってくるのを忘れた、どこかで落とした、失くした、盗まれたというリスクが常に存在します。しかし、体に埋め込まれたマイクロチップであれば、ここに記載したリスクは全く気にする必要はありません。マイクロチップの中にクレジットカードやデビットカードだけでなく、電車やバスの定期券、健康保険証、診察券、免許証などを入れることができれば、その便利さは計り知れません。

ICカードの次は、埋込みマイクロチップが日本にも来るかもしれません。ペットも義務化されますしね。
あなたは体にマイクロチップ埋め込みたいですか?

「あなたは、まだ体にマイクロチップ埋め込んでないの?」そんな会話ができる日常もすぐ近くまで来ているのかもしれません。

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