コラム Column

2021年度のご報告と2022年度の意気込み

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皆さん、こんにちは。4月になり、TISでは新年度が始まりました。今回は年度の始めとして、TISインテックグループが掲げるサステナビリティ経営を推進してきた中で、前年度の総括と今年度に向けた取り組みについて、⾦融包摂・DXを統括する⽴場からお話しします。

2021年度を振り返って

2021年度は社内の体制が大きく変わり、新社長(岡本 安史)のもと『フロントラインの強化』、『社会課題の解決』というキーワードが打ち出され、それが現場に深く浸透した1年でした。

『フロントラインの強化』というのは、簡単に言えば経営陣や管理職だけではなく、TISの社員一人ひとりがお客様と向き合い、「お客様が抱える問題の解決」を現場レベルから提案していくことです。もちろん「問題の解決」にはTISインテックグループ全体で連携し、しっかりと対応します。

『社会課題の解決』では、TISが掲げる4つの社会課題(金融包摂、都市への集中・地方の衰退、健康問題、低/脱炭素化)への取り組みが加速した年でした。私が統括する金融包摂(キャッシュレス)とDX(デジタルトランスフォーメーション)の領域をはじめ、他の社会課題においても『フロントラインの強化』を感じさせる取り組みが数多くありました。

4つの社会課題の解決の中心となるのは、やはりDXです。金融領域をはじめ多方面で課題に挙がることが多いDXは、お客様の本質的な経営課題になります。TISは各セクションが横断的に連携することで、お客様のDXを加速させ、新しいビジネスへとつなげることに注力しています。それがTISとお客様が共に創る新しいビジネス、「共創ビジネス」です。これまでは、SIer(システムインテグレーター)として我々の強みであるシステムの構築や運用を提供することが主な事業モデルでした。しかしここ数年、DXに取り組むお客様にDXを絡めた新しいビジネスの提案やDXに精通した人材・コンサルの投入など新しい価値の提供で、ビジネスの領域が大きく広がっています。特に2021年は、さまざまな分野でTISとお客様の「共創ビジネス」が進みました。

コロナ禍で働き方が変わり、コミュニケーションの濃度やメンタルのケアといった課題もテーマアップされました。人の表情が分からない、対面でコミュニケーションが取れないという不便さを感じている人もいると思います。しかし1on1の強化、常に連絡を取り、いつでも相談できる状態にしておくことで大きな課題にはならなかったように思います。全体的に見れば2021年度はTISにとって非常に好調な一年だったのではないでしょうか。

中期経営計画について

冒頭でもお伝えした通り、TISは4つの社会課題を中期経営計画の大きなテーマとして掲げています。「金融包摂」、「都市への集中・地方の衰退」、「健康問題」、「低/脱炭素化」です。こうしたテーマは「達成できたか、達成できなかったか」を短期的に評価することが難しいものですが、私の担当する金融包摂(キャッシュレス)とDXについては、TISの強みであるデジタル決済プラットフォーム「PAYCIERGE(ペイシェルジュ)(※1)」を通して「社会全体に広げていくための施策」を打つことができたと感じています。

(※1):決済を必要とする全ての方に、利便性が高く、安心できる仕組みを提供する決済ソリューションのトータルブランド。

■「金融包摂」「都市への集中・地方の衰退」

金融包摂と都市への集中・地方の衰退の課題については密接な関係があります。金融包摂については主にキャッシュレス化を意味しますが、都市への集中・地方の衰退いわゆる地方創生を行うためにはこのキャッシュレス化が必要不可です。

主な具体例として会津若松市に向けた取り組みが挙げられます。会津若松での取り組みはすでに4年目に なります。2021年度は地域ウォレット「会津財布」と「スマートレシート」を連携 することで地元の方だけではなく会津を訪れる方にとっても楽しく過ごすための仕組みを提供するなど、さまざまな取り組みを行ってきました。2022年度以降は会津若松をモデルケースとして、他の都市に向けても働きかけていく予定です。

●共創ビジネス事例:地方自治体×TIS

・TIS、会津若松地域の酒蔵へ遠隔接客体験を行う実証事業を開催(プレスリリース)
・スマホ送金・決済サービス「J-Coin Pay」と地域ウォレット「会津財布」が連携(プレスリリース)

会津財布(サービスサイト)

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地域wallet 
 ・スーパーシティを実現して地域を発展させる「地域ウォレット」 (コラム) 

 

a地域id 
 ・地域の願いを叶えるプラットフォームとは(人中心の社会とは?) (コラム)

 
 
 
 

■健康問題

社会的「健康問題」の課題解決には、ヘルスケア関連の事業を中心に取り組んでいます。具体的には地域医療連携の推進や、生涯を通してのPHR(パーソナルヘルスケアレコード)の活用です。しかしヘルスケアビジネスへの取り組みはまだ途についたばかりです。TISは、特に<未病・予防>に関する取り組みを中心に、個人の健康問題に資する新しい価値を提供する”ヘルスケアパスポート”というサービスを展開しています。2021年にはいくつかの病院と自治体で導入が始まり、今年度以降はそれが浸透し、実際に利用する方にその価値を体感いただけるようになります。その意味ではしっかり施策が進んだ一年だったといえるでしょう。

医療と生活者を「安全」に「効率よく」繋ぐヘルスケアの取り組み

ヘルスケアプラットフォーム(サービスサイト)

●共創ビジネス事例:医療機関×TIS

・TIS、クラウド型地域医療情報連携サービス「ヘルスケアパスポート」を提供開始(プレスリリース)
・TIS、国立がん研究センター東病院とITでの患者の潜在的症状のモニタリングによる苦痛スクリーニングの共同研究を開始 (プレスリリース)

●共創ビジネス事例:ヘルスケア事業者×TIS

・京都市の医療・介護等の統合データ分析事業における生活習慣病に係る共同研究を東和薬品、TIS、ヘルステック研究所で実施 (プレスリリース)

■低/脱炭素化

最後の「低/脱炭素化」の取り組みについては、産業・公共に携わる「エネルギー社会基盤事業部」が、さまざまな取り組みを進めています。全社的に力を入れている領域で、2022年度は金融包摂やDXの領域ともしっかり連携して取り組み、持続的な「低/脱炭素化」に踏み込んでいきます。 さらなる進展に期待してください。

中期経営計画に対する全体的な評価としては、新たに打ち出された『フロントラインの強化』というキーワードのもと、前述した4つの社会課題に全社で横断的に対応できたと考えています。お客様との「共創ビジネス」への取り組みも多方面に広がり、大きな流れが作れました。非常に評価できる一年だったと思います。

2022年度の目標と意気込み

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DXが進むことで、さまざまな社会課題への解決が進み、それを取り巻く環境も変わります。TISのビジネスも常に同じ環境に居続けてはいけないと考えています。

金融包摂で言えば、2021年はデジタル通貨についていろいろと大きな動きがありました。2022年以降もその法制度の改正や、日銀が発行するデジタル通貨(CBDC:リテール中央銀行デジタル通貨)のレギュレーションについて動きがあることでしょう。ガイドラインの策定やそれに向けた実証実験など、今年は金融ビジネスの環境が大きく変わる可能性があります。TISとしても、その環境変化をより早く、より正確に把握し、お客様や社会に対して価値貢献をすべき領域を正しく判断して進むことが重要だと感じております。お客様とTISの「共創ビジネス」として動き始めたさまざまな施策を継続し、お客様により高い価値を提供できる環境を整えることを第一に事業に取り組んでまいります。

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