前回のまとめ
TIS主催の就職説明会に参加したキャッシー。
博士からミニアプリ事業者の目線でのスーパーアプリや参画するメリットを
TISの岩崎さんから話を聞いた。
スーパーアプリとミニアプリ
‐決済博士の気になるコラム-第18回
大学の課題を博士に見てもらっていたキャッシー。
すると博士に、TISの岩崎さんから電話が…

今ショッピングモールに来ているのですが、この前の就職説明会で博⼠が探していると言っていた「ターコイズブルーのインク」を⾒つけました。買っておきましょうか?

本当かね、ぜひ頼むよ!

わかりました。帰りに博士の家の近くを通るので、よかったら届けますよ

それはありがたい。今、この前の就職説明会で紹介したキャッシーが来ているんだ。よかったら少しお茶でもどうかな?

そうでしたか、では、少しだけお邪魔させていただきます

博士、誰か来るの?

TISの岩崎さんじゃ。
探していた万年筆のインクを見つけてくれてな。これから届けてくれるそうだ

博士、それならお菓子くらい出さないと! ケーキとか!

おぉ、そうだな…
(TIS岩崎さんが到着)

休みの日にすみません

先日はありがとうございました。スーパーアプリの話、面白かったです

やあ、キャッシー。そう言ってもらえて何よりです
スーパーアプリと呼ばれるための3つの条件、覚えてくれたかな?

えーと、スマートフォンで使うアプリで、いろいろなミニアプリが入っていて…

日常生活のあらゆる場面に「便利で快適な体験」を提供するアプリ、でしたよね

正解。よく覚えていてくれたね

えへへ~。TISさんがスーパーアプリとミニアプリの仲人をしていることも、覚えてますよ!

今日はショッピングモールでお買い物だったんですか?

そうなんだ、買い物をしていたら偶然博士が探していたインクを見つけてね

博士、この色ですよね

おおこれこれ、どうもありがとう!

ショッピングモールには本を買いに行ったんですけど、横がたまたま大きな文房具店だったんですよ。「そういえば博士がインク探してたな」と思ってちょっと見てみたらあったんです

あ…、それってスーパーアプリ効果?

どういうことじゃ?

岩崎さんは本屋さんに⾏ったけど、偶然その近くに文房具屋さんもあったからインクを見つけられた

それってスーパーアプリの中にいろんなミニアプリが入っていることと似てない?

なるほど、ショッピングモールがスーパーアプリ、そこに入っているテナントがミニアプリか

ほぉ、キャッシーもたまには良いことを言うじゃないか…

ミニアプリについても岩崎さんに教えてもらったからねっ!

ネットのショッピングモールはモノを売ることに特化しているけど、リアルなショッピングモールは飲食施設やゲームセンター、クリニック、保険の店舗、民間の保育施設などいろいろなことが「機能」として備わっていて、確かにスーパーアプリに近いかもしれないね

ショッピングモールに魅力的なテナントがたくさんあれば、そこには多くの人が集まる。当然テナントの売上高が上がり、ショッピングモールの収益も増える。スーパーアプリも同じで、便利なミニアプリが増えれば、多くの人がそのスーパーアプリを利用するようになる。するとミニアプリの利用が増え、そのスーパーアプリの主たる機能を利用してもらえる機会が増加し、スーパーアプリの収益増へとつながる

また、ミニアプリでの「サービス利用」や「商品購入」があれば、スーパーアプリ事業者はその送客手数料も見込める。だからスーパーアプリに注目する企業も多いんだ

なるほど~

でも、スーパーアプリってどうやって作るの?

何か決まったルールや方法があるわけではないんだ

例えば「LINE」や「PayPay」のようにスーパーアプリ化を宣言して取り組むアプリも、最初からスーパーアプリとして作られたわけじゃない。アプリの主機能の利用が広がると、そこに親和性の高いミニアプリ(Widget)が集まってくる。するとさらにアプリの利用者が増え、主たる機能が利用される機会も増える。
こうしたサイクルがそのアプリの経済圏を広げていくんだよ

それをどこまでも広げて「スーパーアプリ」を目指すのか、MaaSなど特定ニーズのアプリにとどめるのかは、それぞれの企業の判断だね

大きなショッピングモールには何でもあるから便利なように、ひとつのアプリで何でもできたら、便利ですよね

その通り。ショッピングモールに民間保育施設があれば、送迎のついでに買い物ができて便利だけど、スーパーアプリでホテル予約と一緒にレンタカーなど現地での移動⼿段の手配ができたら便利だよね。この「ついでに」「一緒に」というのが、利用する人の”便利さ”や”快適さ”につながるんだ

決済だって、スーパーアプリにクレジットカードを登録しておけばいいから、ミニアプリごとに決済方法を登録する手間が省ける。スーパーアプリ事業者は、どのアプリから何を決済をしたのかミニアプリの利用情報を得られ、マーケティングに活用することもできるんだ

へえ、スーパーアプリにはミニアプリの利用情報も提供されるんですね

あれ、博士、ケーキ食べないの?

いや、これから食べるつもりだったが…

私も博士にケーキを提供してもらいたい! (笑)
登場人物紹介
与那嶺 淳(あだ名:決済博士)
大学では長年にわたり商学部の教授を務め、
昨今話題のDX技術や新しい決済の仕組みをずいぶん早くから講義の中で解説しており
学生には”決済博士”として慕われていたが昨年退職。
悠々自適な生活を送りつつも隣に住むキャッシーを気にかけている。
木山 祥子 (あだ名:キャッシー )
サークルやバイトに毎日忙しい元気印の大学生。
レジのアルバイトでいろいろな支払い方法があることを知り、
最近お金や決済に興味を持ち始めた。
岩崎 貴司
スーパーアプリ・ミニアプリのプロフェッショナル。
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