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TISのMaaS(Mobility as a Service)の現在と未来

TISは沖縄MaaSやインドネシアなど国内外にかかわらず、さまざまなサービスと掛け合わせてMaaSプラットフォームサービスを展開しています。今回はMaaSの取り組み状況について紹介したいと思います。

Maasイメージ図

●MaaSとは?

最近注目度が高くなってきているMaaS。Mobility as a Serviceの略語で直訳すると 「移動手段のサービス提供」となり、その意味合いは広いものですが、国土交通省の定義では下記の通りです。
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MaaS(マース)…“Mobility as a Service”の略。出発地から目的地までの移動ニーズに対して
最適な移動手段をシームレスに一つのアプリで提供するなど、移動を単なる手段としてではなく、
利用者にとっての一元的なサービスとして捉える概念
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出典:国土交通省 Webサイト
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/transport/sosei_transport_tk_000089.html

また、人の移動(人流サービス)だけではなく、「物流サービス」や「人流と物流を合わせたサービス(貨客混載など)」もMaaSの範疇であると解釈されています。

このMaaSをテーマとして、自動車メーカ、鉄道事業者、バス事業者などのさまざまな企業が新規事業、新サービスの展開に取り組んでいます。ソフトバンクとトヨタ自動車が中心となっている共同出資会社であるMONET Technologiesが主催するMONETコンソーシアム(https://consortium.monet-technologies.com/)には流通、外食、旅行、保険などさまざまな企業が参画しており、その数は696社(2022年6月14日時点)となっているなど、MaaSが業界・業種を問わず、世の中で非常に取り沙汰されている状況です。

●MaaSの取り組み

そんなMaaSについて、TISは現在サービス事業の柱へと成長させるべく取り組んでいます。
きっかけは2018年の夏に沖縄都市モノレール様で行ったQR決済の鉄道改札機利用の実証事業 newwindow です。
この実証事業を実現したことにより、さまざまな交通事業者の方々と情報交換、意見交換を通してMaaSという言葉、概念を知ることができました。
そこからMaaSに取り組み始め約4年となり、過去に行った実証実験を含め、いくつか事例を紹介します。

活動事例

1.八重山MaaS

2019年11月~2020年2月まで実施していた活動です。八重山MaaSは沖縄県の石垣市、竹富町が属する八重山地域の船舶、バス、タクシーの既存交通手段を観光客が利用する際、スマートフォンで検索などを行い、紙の乗車券をスマートフォン上で電子チケット化し、シームレスに利用できるようにするサービスです。この八重山MaaSは石垣市、竹富町、沖縄セルラーアグリ&マルシェ、JTB沖縄、琉球銀行、八重山地域のDMOである八重山ビジターズビューロー、TISの7者で構成された八重山MaaS事業連携体によってサービス提供を行い、その中でTISは代表会社を担っており、MaaSのプラットフォーム(基盤)を提供するという業務以外に、コンセプトデザインや商品ラインナップ検討を含めたサービス設計まで連携体の皆さんと協力しながら挑戦しました。

プレスリリース:TIS参画の八重山諸島での観光型MaaSの実証実験がスタート newwindow 

また、コンセプトデザインについては、DXデザイン部デザインマネージャーの加藤 newwindow がTISとしての新たな挑戦として真剣に検討し、素敵なコンセプトとビジュアルが出来ました。

2.沖縄MaaS

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上記八重山MaaSの実証実験を経て、現在観光客向けに沖縄MaaSを展開しています。
沖縄本島、本島周辺の島々、先島諸島の沖縄全域の交通サービスと交通以外のサービスの連携により沖縄全域でのMaaSを実現しました。沖縄都市モノレール様がMaaS運営者を担っており、TISがMaaSプラットフォーマとして沖縄都市モノレール様を支えています。モノレールの他、バス、船舶、タクシーなど60以上の交通事業者に参画いただき、複数交通手段の連携、マルチモーダルを実現しています。現在は観光客向けとして展開していますが、沖縄の地域課題解決のため、今後は観光型のみならず、地域住民にも対応したMaaSを目指して行きます。

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3.インドネシアでの活動(City Wide MaaS)

海外のMaaS事業として、インドネシア首都ジャカルタでの新たな交通サービスやJaklinkoの取り組みを紹介しています。
インドネシアCity Wide MaaS (Mobility as a Service)の挑戦 newwindow 

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●今後について

八重山MaaSや沖縄MaaSは主に観光客を対象とした観光型MaaSですが、MaaSの本質は地域住民の交通課題の解決であると感じており、地域住民に向けたMaaSにチャレンジしていきたいと考えています。
別部門にはなりますが、エネルギービジネス企画営業部では「過疎地域の活性化」「超高齢社会における地域交通の提供」「エネルギーの在り方の変化」を掲げ、地域住民を対象としたMaaSであるISOU PROJECT(https://www.tis.jp/special/ISOUPROJECT/)も手がけています。
 今後はこのISOU PROJECTとの連携も含め、地域住民、観光の両面からMaaSに取り組んでいき、八重山地域での実績や成果を活かしつつ、他の地域でも展開していきたいと考えています。そんなTISのMaaSの未来像について動画にまとめていますので、こちらもご覧ください。