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日本の未来を描く「スーパーシティ」構想とは?TISが目指すスーパーシティ

初めまして。岡山と申します。
私は「キャッシュレス」を軸とした「スーパーシティ」に関するサービス企画を担当しています。TISは会津若松にオフィスを開設し、今後「スーパーシティ」に関する取組を本格化させる事になりました。そこで今回は「スーパーシティ」に関してご紹介したいと思います。

●「スーパーシティ」とは? ≠「スマートシティ」!

そもそも、「スーパーシティ」と聞いて何をイメージされるでしょうか?時々「スーパーシティ構想」、「スーパーシティ法案」等の名称で報道される事もありますが、未だ一般の方にはそれほど認知されていないように思います。実は「スーパーシティ」構想は、世界共通目標であるSDGsや日本の科学技術政策であるSociety5.0を踏まえた、今後の日本の発展に大きく寄与する可能性があるコンセプトだと期待されています。この「スーパーシティ」は「スマートシティ」と同じ意味で使われる事もありますが、内閣府特命担当大臣(地方創生)の下で開催される「スーパーシティ構想の実現に向けた有識者懇談会」の最終報告(2019年2月14日)の中では、以下のようにまとめられています。
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これまで日本国内において、スマートシティや近未来技術実証特区などの取組があった。しかし、エネルギー・交通などの個別分野での取組、個別の最先端技術の実証などにとどまっていた。「スーパーシティ」は、これらとは次元が異なり、「丸ごと未来都市を作る」ことを目指す。すなわち、1)エネルギー・交通などの個別分野にとどまらず、生活全般にまたがり 、2)最先端技術の実証を一時的に行うのではなく、未来社会での生活を先行して現実 にする。3)その際、何より重要なことは、技術開発側・供給側の目線でなく、住民目線で理想の未来社会を追求することである。
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引用元:「スーパーシティ」構想の実現に向けて(最終報告)(2019年2月14日)

外部セミナー等ではスーパーシティとスマートシティが同義で利用されている事も多く、上記のような定義が実際に使い分けられているかというと、それほど定着しているわけではないようです。

●「住民目線」で未来社会を追求する事とは?

「スーパーシティ構想の実現に向けた有識者懇談会」の最終報告で重要であると提言された「住民目線で理想の未来社会を追求すること」は、Society5.0で目指す「人間中心社会」に基づいた表現になっており、この実現は日本にとって大きな挑戦です。なぜなら、①「丸ごと未来都市を作る」事は、大規模な自治体や企業でも単独では対応しきれないほど範囲が広く深い事、②社会課題解決のために、社会全体(産官学民)が連携して変化を追求・許容していく必要がある事、③経済循環の仕組みができないと継続的な取組にならない事、と考えているからです。先日、とあるフォーラムでスマートシティの推進をされている方が、こんな事を仰っていました。「スマートシティの推進のためには、自社のサービスやソリューションを売ろうと思わない事が重要です」。つまり、企業に属する者であっても自社サービスを売る、というスタンスを起点にするのでなく、社会の課題解決をどのように行うか?を起点とした考え方をしていくべき、という趣旨です。

●TISの取り組み

日本にとって大きな挑戦となる「スーパーシティ」ですが、日本の社会課題解決にどのように貢献できるか、会津若松市を中心とした産官学民連合と一緒に検討を進めさせて頂くため、TISは会津若松市のICTオフィス「AiCT(アイクト)」に拠点を開設致しました。
参考URL:https://www.tis.co.jp/news/2019/tis_news/20190410_1.html
「キャッシュレス」分野では会津若松市で既に運用されている会津若松市民向けの情報基盤と連携し、より住民視点で利便性の高いサービスへと昇華させていく予定です。また、拠点開設後、会津若松市の地域企業様とも意見交換を開始しており、早いものは2019年度下期の社会実証に向けた調整が始まっています。今後、この取組を会津若松市全体に広げ、一つ一つの企業、自治体、学校、市民が社会課題解決に連携して立ち上がり、社会実証を経てその効果が社会全体に波及していける様、住民目線の取組を進めていきたいと考えています。

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