コラム Column

スーパーシティを実現して地域を発展させる「地域ウォレット」~「ID決済プラットフォーム」が地域経済を活性化する~

 

地方2030年前後を目処に実現する「未来社会」を先行実証する「スーパーシティ型国家戦略特別区域」。スーパーシティには住民が参加し、社会・地域課題を解決し地域の活性化をもたらすことが期待されています。

過去の記事でもこれらの取組について取り上げてきました。 しかし、スーパーシティに向けて新たに取り組むにも、最初のステップとしてどこから何をデジタル化すればいいのか、疑問に思われている方も多いかと思います。 

今回はそんな方に向けて、また既にスーパーシティに向けた取り組みをしているが市民との接点をより強化したいと思っている方に向けて、TISの「地域ウォレット」の取組のご紹介をしたいと思います。  この地域ウォレットと、その仕組みを支えるID決済プラットフォームは会津若松市での「会津財布」などの構築に活用され、大きな成果を上げてきました。

今回このコラムを通して、読者の皆様に、地域ウォレット・ID決済プラットフォームで、地域の暮らしがどのように豊かになるか、お伝えしていきたいと思います。

 

 

●「地域ウォレット」が市民、自治体、事業者に利益をもたらす

会津動画

さまざまなサービスと「住民ID」を関連付ける「ID決済」

さて、スーパーシティ、スマートシティを展開していく上で必要 となる要素の一つが地域内や地域間でのデータ・サービス連携「つながる」仕組みです。 

 TISではさまざまなサービスを利用する場面で必須になる「決済」にフォーカスを当て、住民一人ひとりの持つID(属性情報)と決済機能を紐づけさまざまな生活サービスを連携し、それらからうまれる購買行動情報を地域に還元するID決済プラットフォームを提供しています。住民が個人のニーズに合わせて支払いや生活サービスを利用するインターフェースとなるのが「地域ウォレット」です。

 

キャッシュレス

前述したように現在会津若松市では「会津財布」という地域ウォレットが導入されています。

 会津財布ではこれまで、会津若松市と連携したデジタルクーポンサービス 「極上のはしご酒」や地元の飲食店とタクシー事業者を連携するタクシーデリバリ「届け!おみせごはんプロジェクト」、買い物の利便性向上に向けた「スマートレシート」サービスとの連携などを実施し、地域の経済活性化に貢献してきました。特に紙で実施していた施策をデジタルに切り替えた施策では、効果が可視化され地域の状況を把握出来るようになったと自治体や店舗から大きな評価を得ています。

地域ウォレット

 

 

「地域ウォレット」の“強み”が地域を活性化させていく

地域ウォレットはキャッシュレス決済やデジタルクーポンなどにくわえて生活に便利なサービスを展開できるスマートフォンアプリで、都市単位ではなく、生活地域圏ごとに導入していくものになります。

先ほどお伝えした会津若松市の「会津財布」のように「地域名」+「財布」として地域に寄り添った形で地域でお得に使えるデジタルクーポンや、地域通貨などを導入し、市民生活を便利にする地域独自のデジタル施策を可能にします。

 例えば、ボランティア活動参加による地域ポイントの付与や、そのポイントを利用した地域の商店街でお買い物といった、その地域内での活動の活性を促すことも可能です。

ウォレット図

 

地域ウォレットでの決済に紐づく行動データは使用者である住民の同意のもと、個人が特定されないよう処理された上で、地域ウォレットで提供される各種生活サービスの改善や最適化に活かされます。決済からの情報が地域の他分野データともつながることで、自治体や地域企業の多種多様な市民サービスの向上を図ることが期待できます。

 

●「未来社会」での「地域ウォレット」活用で実現される未来

さて、地域ウォレットについて概要をご紹介出来たので、続いては会津若松市における地域ウォレットを活用した未来社会のイメージをご覧ください。

動画では交通分野と連携し、市民が注文した朝採りの新鮮なナスが生産農家から出荷され、注文者の自宅に届く様子などが映し出されています。

野菜出荷MaaSを活用しバスが農作物の運送を行う

このように地域ウォレット・ID決済プラットフォームを活用することで多分野連携が可能になります。市民と農業、交通領域がシームレスに連携して、生活の中で支払いを意識することなく手軽に「欲しいときに、欲しいものが、欲しいだけ得られる」ようになるのです。この連携が実現すれば地域の食品ロス問題を解決することにもつながります。

地域ウォレットには支払いを簡単にするだけでなく、データを使って利用者、事業者、生産者をつなげるメリットがあります。このつながりが人と商品、店舗、地域の新しいつながりを作り、輪を広げていきます。スーパーシティや地域ウォレットがそんな“良い未来”を形作っていくのです。

●地域と未来をつなげる「ID決済プラットフォーム」

スモールスタートが可能でフレキシブルな決済プラットフォーム・サービスを展開

 スーパーシティでは決済手段の一つとして地域通貨の導入も検討されており、地域通貨を活用した地域活性化への取り組みは今後広まっていくと予想されている状況です。

また、スーパーシティ・スマートシティに本格的に取り組む前のスタートとして、身近な地域ウォレットを導入し、プロジェクトをスモールスタートするケースも増加することが考えられ、いずれの取り組みにおいても税金や公共料金のキャッシュレス支払いなど行政サービスの利便性が画期的に向上することが期待できます。

●地元経済を活性化するパートナーとして

さて、ここまで地域ウォレット、ID決済プラットフォームを中核にしたスーパーシティ・スマートシティへの取り組みをご紹介してきましたが、これはTIS一社で完成できるものではありません。自治体、地域の事業者の皆様と手を組みながら、住民のためにサービスを構築することが重要になってきます。

地域ウォレットは住民が使いたくなるようなサービスを住民とともに作り上げていくものです。TISは地域と社会課題解決のためになることを第一に考え、多種多様なソリューションで自治体と事業者の成功をサポートいたします。ご検討の際はTISにご相談ください。

 

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