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ミニアプリの活用事例を5つ紹介!国内外のミニアプリの動向も解説

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世界中に浸透しつつあるスーパーアプリとそれを構成するミニアプリ。本記事では、ミニアプリでの参入を考えている事業者向けに、スーパーアプリ・ミニアプリの基本的な概念から、国内外の動向、メリット、活用事例などを紹介します。

●スーパーアプリ・ミニアプリの基本を解説

スーパーアプリとは

スーパーアプリとは、日常生活のあらゆる場面で活用できるサービスが、全てひとつのアプリケーションに統合されているアプリのことです。

スーパーアプリの概念図

上図はひとつのアプリを立ち上げた際のイメージで、金融・公共サービスなどの送金や、レンタルバイク、テイクアウトの予約など多種多様なサービスの利用が可能となります。さまざまなジャンルのサービスがひとつのアプリケーションで行えるのがスーパーアプリの定義であり、メリットです。

ミニアプリとは

ミニアプリとは、スーパーアプリ内で起動し、別のアプリケーションのように利用できる個々の機能のことです。限られた機能を提供することからミニアプリと呼ばれ、WebViewを用いた軽量なアプリケーションとして実装されることが多いのが特徴です。スーパーアプリと連動して、ひとつの世界を構築していることがポイントとなります。

▼スーパーアプリ・ミニアプリについて、詳しくはこちら。
スーパーアプリ、ミニアプリとは何か? 仕組みやメリット、国内外の事例を紹介

●ミニアプリの海外の動向

ミニアプリを世界に先駆けてスタートさせた例としては、WeChatのミニプログラムが代表的です。月間アクティブユーザー数は12億人以上、ミニアプリの合計数は700万に達しています。

中国アプリ2二強のひとつであり、月間アクティブユーザー数7億人超えのAlipayもミニアプリをリリースしており、巨大なミニアプリ市場を形成。東南アジアでは、スーパーアプリのGrabがミニアプリを活用して、より多くのユーザーにサービスを提供しています。Grabは配車アプリとしてリリースされましたが、フードデリバリーや飲食店・ホテルの予約・支払いなど複数のサービス提供を可能にしました。

●ミニアプリの日本の動向

国内では、スーパーアプリであるLINE・PayPay・d払い・au Payがミニアプリによるサービス拡大を期待されています。LINEの月間ユーザー数は9,400万人以上で、2019年にミニアプリをスタートし、飲食店のモバイルオーダーや自治体と連携したサービスなどを手軽に利用できるようになりました。

PayPayの登録ユーザー数は5,100万人以上で、2020年からミニアプリを利用したサービスを提供。銀行サービスや宅配、ふるさと納税などに対応しています。d払いのユーザー数は3,900万人以上で、メインの決済サービスを活用し、食事の予約注文やお買い物がお得になるクーポン発券サービスなどを展開。au Payのユーザー数は3,400万人以上で、フードデリバリーやタクシー配車などのサービスも展開しています。

●ユーザーの購買行動からみるスーパーアプリとミニアプリのメリット

ユーザーの行動モデルであるAIDA(アイダ)から見ると、スーパーアプリ・ミニアプリによるサービス提供にはどんなメリットがあるのでしょうか?

パターン別AIDA図

上記の図はユーザーがネット上で予約をし、店舗Aに商品を取りに来るまでの流れをWeb、アプリ、スーパーアプリ(ミニアプリ)の3つのパターン別で記載しています。まずは、それぞれの流入の方法について見ていきましょう。

1.Webからの流入

Yahoo!やGoogleMapsなどのWebサイトを閲覧して、店舗Aの特定ページに遷移します。その中で気になる商品を見つけて必要に応じて情報入力や予約を行い、事前に決済するか実際に店舗に来て決済し、商品を受け取ります。

2.ネイティブアプリ(自社)からの流入

店舗Aのアプリを立ち上げ、そこから商品を選びます。商品の受け取りは上記と同様です。

3.スーパーアプリ(ミニアプリ)からの流入

スーパーアプリを立ち上げ、その中で店舗Aのミニアプリを選び、そこから商品を選びます。商品の受け取りはこちらも上記と同様です。

では、以下の4つの観点からスーパーアプリ、ミニアプリからの流入にどういったメリットがあるかを解説します。

①スマホユーザーが多い場合はスーパーアプリが有利

まず、探索の出面をWeb、アプリ、スーパーアプリ(ミニアプリ)のどれか1つに絞ることができるのかという点についてです。

インターネット利用機器の状況グラフ

上記の図よりスマートフォンとパソコンを使ったインターネット利用者が圧倒的に多いことが分かります。スマートフォンを利用する際は、ネイティブアプリやスーパーアプリで、パソコンを利用する際はWebからの流入が想定されるため、どの検索出面も重要で絞ることはできないと考えます。
しかし、Webとネイティブアプリを両方立ち上げ運用していくにはコストが単純に倍必要です。一方、スーパーアプリであれば既存のWebの資材などを流用することでコストを抑えて運用することが可能になります。
よって、実際にサービスを利用するユーザー層が、パソコンよりもスマートフォンのほうが多い状況であれば、ネイティブアプリ、ミニアプリに力を入れていくことを考慮する必要があると言えます。

②流入経路はスーパーアプリのほうが利便性は高い

つぎに、ネイティブアプリとスーパーアプリではどちらが検索の出面として使われやすいのかについてです。

比較図

・ネイティブアプリの場合

AppStoreを開き、多くのアプリの中から目的のアプリを見つけ、ダウンロードする必要があります。ユーザーのスマートフォンのホーム上にはアイコンが増え、容量も使い、ダウンロードにかかる通信料も必要になります。

・スーパーアプリの場合

スーパーアプリが許可したミニアプリのみが自動で配信されており、ユーザーの動向から、アプリのターゲットに近しいユーザーに表示される仕組みになっています。Webベースのため、ユーザーはスーパーアプリからミニアプリを開けばすぐにサービスを利用可能で、新たなアプリのダウンロードも不要です

月間平均所有アプリ数グラフ

ユーザー1人あたりのアクティブアプリ数は、平均38~39個と言われています。よって、一定のアプリが揃ってしまうと新しくアプリを入れる行為を促すのはなかなか難しいことが読み取れます。新たにアプリをダウンロードしてもらうためには、多額のプロモーション費用や広告費用などが必要です。

これから新規アプリでのサービス提供を考えている事業者にとっては、スーパーアプリを利用することで費用を抑えて、ミニアプリとしてサービスを認識させていくのがユーザーを増やす一番の近道と言えるのではないでしょうか。

③ミニアプリはユーザーの離脱を抑えることができる

次に、Webとスーパーアプリでサービスを展開した場合について比較します

Webとスーパーアプリでサービス展開の差を図で表したもの

ミニアプリではログインをする必要がないケースが多く、IDやパスワード忘れによるユーザーの離脱を防ぐことができます。また、スーパーアプリ側がもっている会員情報をプリセットできるので、会員登録の手間が最小限に。決済情報はスーパーアプリ上に1度登録していればそのまま利用できるため、ユーザーに優しいUXを提供することができ、離脱を抑えることができるでしょう。

④来店後のユーザーに対して販促のアクションが行える

ミニアプリを展開すると、母体のスーパーアプリがあるため、その機能を通して利用者へ来店後にプッシュ通知などを送ることができます。こういったことができるのも、ミニアプリのメリットのひとつです。

●ミニアプリの活用事例を紹介

ここからは、実際のビジネスの現場でどのようにミニアプリが活用されているのかをご紹介します。自社サービスに合った、ミニアプリの活用方法の参考にしてください。上手に活用するためには、いかにユーザーの抱えているストレスを解消できるかがポイントです。

飲食店での待ち時間を短縮するミニアプリ

待ち時間を短縮するミニアプリ

飲食店が、ミニアプリを提供するケースを想定してみましょう。見込み客が、スーパーアプリ上で近くにある飲食店を探すと、これまでの利用状況などから関連性が高いと思われる店舗が表示されます。見込み客は、改めて会員登録をすることなく、空き状況を確認して希望する日時で予約を完了できます。予約日時が近づくと、スーパーアプリの機能によって、Push通知が表示。

見込み客は、何度も会員登録をせずに店舗の予約がすぐにでき、店舗は登録部分で見込み客の離脱を減らすことができるうえに、事前にお知らせをする手間が省けるメリットもあります。

飲食店でのテーブルオーダーのミニアプリ

テーブルオーダーのミニアプリ

次に、飲食店がQRコードを設置し、利用客がこれを読み取ってミニアプリを起動するケースです。利用客はチェックインの人数やメニューを確認して事前に注文が可能で、決済まで行うことができます。新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で発生した、メニューに触りたくない、店員と会話したくないといった要望にも応えられ、宅配や持ち帰りサービスにも応用可能です。

残高・ポイント投資などの資産運用・投資系ミニアプリ

ポイント投資のミニアプリ

見込み客が実際にユーザーになるまでのハードルが高い資産運用・投資系サービスも、ミニアプリとの相性が良いと言われています。ミニアプリとして提供することで、スーパーアプリ上で利用しているポイント残高などを気軽に運用に回せるメリットがあるためです。スーパーアプリですでにユーザーとの信頼関係が構築できているため、登録までのハードルを下げられるだけでなく、利用までの時間を短縮できる利便性の高さもあり、今後の発展が期待されています。

移動・カレンダー系ミニアプリ

カレンダーのミニアプリ

カレンダーや移動に関係するアプリは、スーパーアプリ・ミニアプリと非常に相性が良いと言えます。情報一元化によるメリットが、ユーザー側にもアプリの提供側にもあるからです。まず、ユーザーはスーパーアプリで予約情報や予定を一元管理できます。ミニアプリ側から見ると、利用者へのレコメンドや通知をスーパーアプリが行ってくれる点がメリットです。また、ユーザーは自分の予定を確認しながら予約をするようになるので、ダブルブッキングによるキャンセル防止効果も期待できます。

ギフトカードモール系ミニアプリ

ギフトカードのミニアプリ

ユーザーは、モールでギフトカードをプレゼント用に購入することができます。このとき、他のミニアプリの利用で貯めたポイントなどを活用できるほか、実店舗に赴くことなく安価に利用できるのは大きなメリットです。

スーパーアプリ側からすると、ギフトコード利用時にアプリへのアクセス増と、プレゼントを受け取る人の会員登録が期待できます。ミニアプリ提供側からすると、スーパーアプリの決済機能を活用してワンストップでセキュアな販売ができ、商圏の拡大を図ることができる魅力があります。

●ミニアプリでできる機能

以上の事例から、自社サービスでの活用のアイデアは浮かんだでしょうか。スーパーアプリにもよりますが、ミニアプリにつけられる機能の例としては、他にも以下があります。

●モバイルオーダー

飲食店などでは、アプリを利用したオーダーシステムが好評です。非対面での接客が可能になり、注文漏れなどの防止にもなります。

●会員証

専用のアプリをダウンロードすることなく、QRコードの読み取りなどのシンプルなステップで会員証の表示をします。

●順番待ち

紙の整理券の代わりに、スマホ上で入店などの順番を管理します。通知機能で呼び出すため、ユーザーは列に並ぶ必要がなく、店前の混雑も防げます。

●ミニアプリのUX向上のポイント

ミニアプリの魅力

ミニアプリのUXのポイントとしては、分かりやすい機能に絞ることと手間をなくすことの2つです。

●ユーザーが分かりやすい機能に絞る

スーパーアプリ上で、ユーザーの目に留まったときにこのミニアプリは何ができるのかがシンプルに伝わるアイコンやタイトルにして、そこから連想できる機能だけに絞ることがポイントです。

●ユーザーの手間をなくす

分かりやすい機能に絞ったうえでミニアプリはシンプルに作り、ユーザーがやりたいことを簡単に実現できる導線をつくることが重要です。

これまでWebサイトでは、一度サービスを利用したユーザーに何度も利用してもらうために、ポイント機能などさまざまな機能を拡充しなければなりませんでした。ですが、ミニアプリの展開ではユーザーの流入・集客に関してはスーパーアプリ側に任せることができるため、必要な機能に絞りユーザーの手間を省いたサービスの開発に力を入れることが可能です。

●ミニアプリの今後の動向は?

海外では、すでにひとつのスーパーアプリから数百万というミニアプリが誕生しています。国内でのミニアプリ市場はまだ始まって間もないため、海外と同じ道をたどる可能性は十分にあります。

かつてプラットフォームとしてSNSが加わり、多くの人がSNSから情報を集めてサービスや商品をネットで利用・購入するようになりました。そして今では、SNSの企業アカウント運用が欠かせないものになっています。

同様に、スーパーアプリというプラットフォームにミニアプリが加わり、アプリ内だけで情報取得から購買まで完結する流れがすでにでき始めています。今後はさらに、企業のミニアプリ運用が欠かせなくなるでしょう。

●TISのWidget配信プラットフォームの活用がおすすめ

Widget配信プラットフォームサービスとはの図

TISのWidget配信プラットフォームは、スーパーアプリと多種多様なWidget(ミニアプリ)事業者とのビジネスコラボレーションを実現するサービスです。

例えば、Widget事業者のテイクオーダーのミニアプリをWidget配信プラットフォームサービス上で公開して、スーパーアプリ事業者A社に提供したとします。その後、別のスーパーアプリ事業者B社が同じテイクオーダーのミニアプリを利用したいとなった場合、間を取り持つWidget配信プラットフォームサービス上での簡単な設定変更だけで同じミニアプリをすぐに提供可能となります。

3つのサービスコンセプト

サービスのコンセプトは、low-impact(低コスト)、SPEED(スピード)、Good(優れたUX)の3つです。

1.low-impact(低コスト)

Widget(ミニアプリ)事業者は、複数のスーパーアプリにサービスの提供が可能です。スーパーアプリ各社で異なるユーザー名や電話番号といった属性情報照会などの仕様をWidget配信プラットフォームが吸収し、中継します。それによりWidget事業者は、スーパーアプリ各社ごとにミニアプリを作る必要がないため、膨大なコストをかけずに運用することが可能です。

2.SPEED(スピード)

Widget(ミニアプリ)事業者は、同じ理由でスピーディにスーパーアプリ事業者にミニアプリの提供が可能になります。

3.Good(優れたUX)

TISが提供するSDK(ソフトウェア開発キット)で優れたUXのWidget(ミニアプリ)が開発可能です。

ミニアプリ事業やそのビジネスモデルに興味がある方は、ぜひお問い合わせください。

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