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クレジット (仕組み 決済処理の流れ)‐決済博士の気になるコラム-第7回

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⑦クレジット(仕組み 決済処理の流れ)

決済博士
決済博士

これまでクレジットの便利さについて色々話をしてきたが、今日はクレジット決済の基本的な仕組みについて、我々消費者から見えるところを中心に皆さんに説明してみようと思う

キャッシー
キャッシー

一体誰に話てるの?

決済博士
決済博士

え!?いつからそこにおるんじゃ?恥ずかしいな。わしのYouTubeに動画をUPしようと思ってな。収録中なんじゃ。邪魔しないでくれ

キャッシー
キャッシー

え~っ。Youtuberなの?博士が?あははは。いまどきね

決済博士
決済博士

ふん。これでも登録者6,000人はおるんじゃぞ。ほれ、邪魔しないでくれ。編集時間もないからさっさと収録してしまいたいんじゃ

キャッシー
キャッシー

オッケー。私暇だから勉強ついでにみてるね

決済博士
決済博士

誰も見てよいとは言っていないのだが…ブツブツ…

キャッシー
キャッシー

はい!細かい事は言わない!よ~い。スタート!!

決済博士
決済博士

やれやれ…

(気を取り直して)
決済博士
決済博士

これまでクレジットの便利さについて色々話をしてきたが、今日はクレジット決済の基本的な仕組みについて、我々消費者から見えるところを中心に皆さんに説明してみようと思う

決済博士
決済博士

流れは大きく3つ。1つ目は、消費者がカードの申込みをした後からカードが届くまでの流れ。2つ目は、消費者がクレジットカードで商品を購入した時から、請求と銀行口座引き落としが行われるまでの流れ。そして3つ目は、お店(加盟店)とクレジットカード会社間の精算の流れについて話をしていく

決済博士
決済博士

では一つ一つ説明していこう。まずは消費者によるクレジットカードの申込みから、カードが発券され、消費者の手元にとどくまでを以下の図によって説明していくぞ

1.カードの申し込みからカードが届くまで

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決済博士
決済博士

①カードの申込みについて。 まず、消費者がクレジットカード会社にカード入会の申込みを行う。その際にカード会社のWebサイトや申込用紙に必要事項を入力し、申込みを行うのが基本だ。クレジットカードの場合は氏名、電話番号、自宅住所以外にも勤務先の名前、住所、電話番号、勤務年数や、家族の情報、年収などさまざまな情報を入力する必要がある。なぜなら、後に説明するが入会審査を行うため必要になるものなんだ。入力されたカードの申込みデータはカード会社の基幹システムに登録される仕組みになっている

決済博士
決済博士

次に②入会審査について。 消費者が入力した情報を使って、クレジットカード会社は、入会審査を行う。入会審査を行う目的は申込者の信用力や支払い能力により、カードの支払い限度額の設定等を行うほか、入会を断るかどうかの判断をするためなんだ。クレジットカードは後払いの仕組のため、消費者がカード決済で購入した代金を、一旦クレジットカード会社が加盟店へ支払う必要がある。そのため、もしクレジットカード会社が消費者に請求した代金を回収することができなければ、それはそのまま自社の損失となってしまう。よって入会審査はクレジットカード会社にとって、非常に重要なプロセスとなる。

決済博士
決済博士

また入会審査はクレジットカード会社が保有している情報のみではなく、外部の信用情報機関の情報も活用する。さらに今後は法律の改正により、AIやビッグデータを活用した高度な審査が可能となる見込みになっている。ちなみに、信用情報機関とは加盟する会員会社から登録される信用情報を管理・提供する組織なので、覚えておくように

決済博士
決済博士

次は③カード発券データ作成について。クレジットカード会社は、入会審査で承認された申込者の情報を基幹システムへ会員情報として登録する。その後、基幹システムでカードを発券するためのデータが作成され、クレジットカード会社から、印刷会社に送信されるようになっている

決済博士
決済博士

そして④カード発券について。 印刷会社は、クレジットカード会社から受信したカード発券データをもとに、クレジットカードを発券している。プラスチックカードの券面の印刷から、磁気ストライプやICチップへのデータの書込みまでを行っているんだ

決済博士
決済博士

最後は⑤カード送付について。 発券されたカードは印刷会社または、クレジットカード会社によって台紙に貼り付けられ、各種印刷物と一緒に封筒に入れられて簡易書留や本人限定受取郵便等で消費者に送付されることになっている。大体申込からカード受領までスムーズにいけば10日くらいといった所だろうか。もっと早く受け取れる場合もあるので実際やってみるのが一番良いかもしれないな

キャッシー
キャッシー

(なるほどねぇ~)

2.商品の購入から請求・口座引落しまで

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決済博士
決済博士

最初に①商品購入の流れを説明していく。消費者がクレジットカードで商品を購入するときは、クレジットカード会社が指定した加盟店を利用する必要がある。加盟店は街中のお店以外に、交通事業者、旅行事業者などさまざまなサービス事業者で利用することがでるんだ。またオンライン店舗においても、クレジットカード決済を受入れているお店が多数存在する。ここでは街中のお店で商品を購入することを想定して説明していくぞ

決済博士
決済博士

お店のレジには決済を処理する決済端末が置かれている。商品を購入する際、消費者がクレジットカードを提示すると、店員はこの決済端末で決済処理を行う。最近は決済端末のカードリーダーへ、消費者自身がカード挿入またはタッチを行う場合が多くなったが、これはコロナ対策で人との接触を避けるという理由もある。しかしそれだけではないんだ。そもそもクレジットカードを他の人に渡すことに対するリスクを回避するというセキュリティ上の理由もあるんだ。知っていたかい?

キャッシー
キャッシー

(なるほど、その方が今後も安心して使えそうね)

決済博士
決済博士

次は②オーソリ/売上について。 加盟店の決済端末は、読み取ったクレジットカードの会社を判断して、指定された送信先にオーソリと呼ばれる情報を送信する。オーソリはオーソリゼーションの略で、毎回取引が発生するたびにクレジットカード会社がリアルタイムで内容をチェックしている。例えば、消費者の信用度に応じて設定した利用限度額内かどうか、過去に支払いが滞った履歴がないか、その取引が不正利用ではないか等だ。チェックの結果は、その場で加盟店に取引の承認/否認として応答を行っている。加盟店はクレジットカード会社からの取引承認を受け取ると、決済完了ということで、商品を消費者に渡す仕組みになっているんだ。

決済博士
決済博士

 また、加盟店がオーソリによって承認された取引データの明細を、後日クレジットカード会社に渡すことで、取引が確定する。このデータを売上データと言い、加盟店とクレジットカード会社の契約によっては、オーソリの承認時に売上が確定するケースもあるんじゃ。この場合、加盟店は売上データをクレジットカード会社に渡す必要はない

決済博士
決済博士

次は③請求について。 クレジットカード会社は売上データで確定した取引を消費者ごとにまとめて、通常、月に1回請求データを作成している。その際に分割払いやリボ払いの取引の場合、手数料や次回請求金額の計算が行われ、請求データに反映される。かつて請求データはクレジット会社により印刷され、消費者に郵送されていたが、最近ではオンラインで消費者が照会できるようにクレジットカード会社が、カード会員専用のWebサイトを用意しているんだ

決済博士
決済博士

そして次。④口座引落データ作成について。 クレジットカード会社は、消費者に予め通知していた請求金額を消費者の口座から引き落とすため、銀行に渡す口座引落データを作成し、銀行に送付している

決済博士
決済博士

最後に⑤消費者口座からの引落しについて。 銀行はクレジットカード会社から受け取った口座引落しデータを元に、消費者の口座から金額を引落している。その際、もし消費者の口座残高が引落し金額より少なかった場合、銀行は口座引落しができなかった旨を、クレジットカード会社に通知しているんだ。クレジットカード会社は口座引落しができなかったことを消費者に通知し、支払いを行うよう、督促を行うことになる。督促業務は結構体力が必要な場合もあるが、クレジットカード会社にとって重要な業務のひとつになっているんだよ

決済博士
決済博士

では最後に3.加盟店とクレジットカード会社間の精算について説明していこう

決済博士
決済博士

すでに説明した通り、消費者が加盟店でクレジットカード決済を行った後、加盟店はカード会社に売上データを渡すことにより取引が確定する。確定した取引を、クレジットカード会社は加盟店ごとにまとめて、加盟店支払いデータを作成している。その際、クレジットカード会社は加盟店との契約時に定めた加盟店手数料を加盟店支払い金額から差し引いているんだ。この加盟店手数料がクレジットカード会社の重要な収益のひとつとなっている。クレジットカード会社は作成した加盟店支払いデータを銀行に渡し、加盟店の銀行口座に支払い金額を振り込む。 以上が一通りのクレジット決済の大まかな流れとなっている。どうだね。分かったかな?

キャッシー
キャッシー

色々細かいことはさておき、複雑な仕組みね。流れはとりあえず良く分かったわ。それに、博士はYoutuberの時は標準語で話すっていうのもわかったし(笑)

決済博士
決済博士

細かい事が重要なんじゃよ。ここで聞くならしっかり理解してくれないと困る。わしの標準語なんてどうでもいんじゃ…。あ、そうじゃ、次の質問コーナーにキャッシー出てくれるかい?

キャッシー
キャッシー

あ!もうこんな時間。私これから出かけるの。またね~

決済博士
決済博士

本当に気まぐれな子じゃな…

<過去の参考記事>

第2回_決済の歴史(キャッシュレス決済の登場:クレジット決済)

第4回_クレジット決済(成り立ちの復習と利点、豆知識)

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登場人物紹介

決済博士

 

与那嶺 淳(あだ名:決済博士)

大学で決済について教え、決済博士として学生に慕われていたが昨年退職。
悠々自適な生活を送りつつも隣に住むキャッシーを気にかけている

 

キャッシー

木山 祥子 (あだ名:キャッシー )

部活やバイトに毎日忙しい元気印の大学生。
レジのアルバイトでいろいろな支払い方法があることを知り、
最近お金や決済に興味を持ち始めた。

 

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