就職活動の一環で、初めて合同企業説明会に参加したキャッシー。そこで…
合同企業説明会って初めてだから、どう回ればいいかわかんないなぁ
おや、キャッシー、就活かい?
え、はい…
って博士!? なんで??
合同企業説明会のゲストとして呼ばれてな、就活生に講義をするんだ
そうなんだ。この前はうちの大学にも来てたし、すごいね!
まあな
ところで、就活は順調かい?
全然。いろいろ迷ってるんだよね~
どんな会社に就職したいんだ?
お給料のいい会社!
迷ってないじゃないか(笑)
でもお給料の話ってなかなか聞きにくいんだよねぇ
そりゃそうだ(笑)
キャッシー、会社は人で選ぶんだ
人で選ぶ?
例えば、そこで働く人が楽しそうだったら、仕事にやりがいがあって、会社の雰囲気もいいというものだ
ふ~ん、人かぁ
そういえば、お給料といえば「給与デジタル払い」もいよいよ2023年の春に解禁されるな
なにそれ?
その名の通り「お給料」を「デジタルマネー」で「支払う」仕組みのことだ
デジタルマネーって何だっけ?
デジタルマネーは、紙幣や硬貨といった実際の貨幣に対して「法定通貨をデジタル化して、電子情報だけで決済することができるお金」のことだ。法定通貨でないものは仮想通貨と呼ばれているな
「〇〇ペイ」のようなコード決済のアプリはまずお金を電子情報としてチャージして使うだろ? これも代表的なデジタルマネーだ
今まで給与は銀行口座への振り込みが一般的だったが、「デジタルマネーでアプリなどに直接チャージする」のが「給与デジタル払い」なんだ
へぇ、それって何がすごいの?
今までは、給与は会社が従業員へ「現金」や「銀行口座への振り込み」で支払うという決まりがあった
だから給与を「〇〇ペイ」などで使いたい時は、いちいちチャージする必要があったんじゃ
いちいちチャージするのはちょっと面倒だよね
また近年、日本でも外国人労働者の受け入れが進んでいるが、外国人にとって銀行口座の開設は、言葉の問題から手続きが難しかったり、開設に時間がかかるといった課題があり、給与の支払いがスムーズに行えないケースも出てきた
そのような背景で、検討が進められてきたんだ
そっか、最近は外国の人が働いているのもよく見るけど、お給料が銀行振込の会社だったら、外国の人だけは現金で…というのも手間がかかるもんね
それに給与がデジタルマネーで支払われれば、いつも使っている便利な決済方法と給与が直結して、ポイント還元などのお得なサービスも受けられるようになる
なるほどね~。今それが話題になってるんだ?
今、日本は国策としていろいろなデジタル化を進めており、「給与デジタル払い」もその一環と言えよう。国内のキャッシュレスの普及はまだ30%弱に留まっているが、「給与デジタル払い」が広がることで、キャッシュレスも普及することが期待されている
それならもっと前からやればよかったのに、どうして進んでなかったの?
それには理由がいくつかあって…おや、高島さん?
あれ、博士、ご無沙汰してます!
ちょうどよかった。キャッシー、こちらTISの高島さんだ。
前にTISさんのセミナーに招かれたことがあってな、それからの仲だ
TISって、ランプの魔人のCMの?
そうそう! そのTISです
高島さん、彼女は近所に住んでいる木山さん。就活生だよ
ちょっと時間大丈夫かい?
ええ、大丈夫ですよ!
彼女と「給与デジタル払い」の話をしていたんだが、よかったら“プロ”から詳しく教えてやってもらえないだろうか?
そういうことなら任せてください
えっ、いいんですか? ありがとうございます!
決まりだ。そろそろ昼の時間だし、近くで食事でもどうかな
いいですね
わーい! 博士、ごちそうさま!
お、おぅ(誰もおごるなんて言ってないんだが…)
登場人物紹介
与那嶺 淳(あだ名:決済博士)
大学では長年にわたり商学部の教授を務め、
昨今話題のDX技術や新しい決済の仕組みをずいぶん早くから講義の中で解説しており
学生には”決済博士”として慕われていたが昨年退職。
悠々自適な生活を送りつつも隣に住むキャッシーを気にかけている。
木山 祥子 (あだ名:キャッシー )
サークルやバイトに毎日忙しい元気印の大学生。
レジのアルバイトでいろいろな支払い方法があることを知り、
最近お金や決済に興味を持ち始めた。
高島 玲
給与デジタル払いのプロフェッショナル。
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