前回のまとめ
ショッピングモール内にある全国展開の人気メガネ店に向かうキャッシーと決済博士。
キャッシーはそこで出会ったTISの荒川さんから
「ブランドプリペイドカードを発行する企業が増えている理由」や、
「ブランドプリペイドカードの発行を支える仕組み」などを聞いた。
第16回_ API型ブランドプリペイドカード1/2(進む非金融事業者によるカード発行)
メガネ店にて、購入したメガネのレンズ調整のため3人で待ち時間を過ごしている
あーっ! 博士、見て、見て!
どうしたんじゃ、キャッシー!?
あのポスター見て! 私の大好きなブランドがこのメガネ店とコラボしてメガネケース出してる!!
ホントだ、かわいいわね
えー、えーっ、どこにあるんだろう??
落ち着け、キャッシー。どれどれ…「WEBショップ限定」と書いてあるぞ
(すぐさまスマホで確認)あ、あったけど…残り1点! 支払いはカード決済のみだって! 私クレジットカード持ってないし…どうしよう博士!?
落ち着け、キャッシー。キャッシーのような学生でもスマホですぐに作れてすぐに使える、クレジットカードのようなカードがあったじゃろ?
そう言えばっ!
これなんかキャッシーにぴったりじゃないか?(スマホ画面を見せながら)
これはバーチャルのブランドプリペイドカードなんだが、限度額は低いが後払いサービスもついているな
スマホから名前などの基本情報を登録するだけだから、与信の低い学生や高齢者の方などにもぴったりだ。銀行口座がなくても後でコンビニから支払うこともできるようだね
それにする! サイト教えて! えっと…ええぇっと、
できた! 買えた!
早っ! (笑)
博士、なんかキャンペーンでポイントも貰えたよ!
…けど、こんなにポイントあげて、お店は損しないのかな?
クレジットカードを持ちたくても持てない人は多いからな。より多くの人が後払い可能になれば、お店としてはその分だけ販売する機会を提供できるわけだ。今のキャッシーの買い物はまさにその一例だろうな
お店からすると、顧客の囲い込みができるのよ。これまで決済の部分だけ他社のサービスに利用していたところを、自社カードを発行することでポイントやクーポンを直接届けられるから、自分のお店での再利用の後押しがしやすくなるの。それに他の加盟店でどんな買い物をしているか把握できるから、マーケティング活動にも役立てられるってところもあるわね
あとは、単純にスマホでいろいろなことが完結できるから、お客さんに利便性を感じてもらえるのはお店にとってプラスよね
なるほど、そうゆうことか〜
こうして見てると、ブランドプリペイドを利用した金融サービスのデジタル化も進んできたわね。法律の改正で規制緩和も進んでるし
銀行でもカード会社でもない「非金融事業者」が金融ビジネスに参入しやすくなっているのが今のカード業界なの。そして、次世代の「デジタル口座」はTISのAPI型ブランドプリペイドプロセッシングサービスがその主流になっているってところかしら。えへん!
さすがTISさんっ!
褒めて、褒めてーっ(笑) じゃあ、もう少し話しちゃおうかな
ブランドプリペイドカードのメリットって、実は他にもたくさんあるのよ。
たとえば、クレジットカードを発行するには、システムに対する投資はもちろん、与信や回収といった高い専門性が必要な業務構築も必要なの。それに比べて、API型ブランドプリペイドカードはクレジットカードよりも初期投資をはるかに安く抑えられ、発行枚数が少なくても始めることができる
だから大きな資本や顧客基盤を持たない企業でも、金融サービスを新たに始めやすいし、発行枚数が少ない機能特化型のカードでお客様の細かなニーズに合わせた金融サービスの実現ができるのよ
また、ブランドプリペイドを活用した疑似的なクレジットカードも出てきているわ。ブランドプリペイドの仕組みとカード発行会社独自の与信を組み合わせることで、カードを発行する企業が融資枠、つまり相手に貸せる金額を自由に決められるの。もちろん法律の範囲でね!
個人向けだとさっきキャッシーが発行したカードについていた後払いサービスがその代表格だけど、法人向けカードにも広がっているのよ。今までの法人クレジットカードだと審査に何年分もの決算書が必要だったり、融資枠がほとんどつかなかったりと、ベンチャー企業や新しい会社にとって敷居が高かったのよ
へぇ、そうなんだ。おもしろいですね!
最近は、今キャッシーが作ったようなバーチャルカードも増えてきて、企業にとっても利用者にとっても使いやすくなっているのは確かね
バーチャルカードは、スマホだけで「スグ作れて、スグ使える」こと、「カードを作って送付する工程や費用が不要」なことから、急速に広まっているんだと思うわ
他にもApple Payなどのモバイル決済、利用者自らがカードの利用停止をできるカードロック機能など、さまざまな機能を選んでAPIでつなぐことで、自社にぴったりの決済サービスを実現できるのよ
今後は高島さんの話していた給与デジタル払いが解禁されれば、チャージも簡単になって、デジタル口座はもっと広がっていくでしょうね
勉強になります〜
本当かぁ? キャッシー
本当だって!
あ、そうだ! さっきカード作ったときにもらったポイントあるし、ショッピングモールで使えるウェルカムクーポンももらったから、そこのカフェで3人でお茶しませんか? 私がおごるので!!
本当!? 嬉しい! じゃあ、お言葉に甘えようかしら
キャッシーのおごりなんて、雨でも降るんじゃないか?
博士、そこは素直に喜んで!
わるいわるい、では、そうしようか…
あれ、キャッシー、窓の外のみんなが傘をさしてるぞい…
……………(苦笑)
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登場人物紹介
与那嶺 淳(あだ名:決済博士)
大学では長年にわたり商学部の教授を務め、
昨今話題のDX技術や新しい決済の仕組みをずいぶん早くから講義の中で解説しており
学生には”決済博士”として慕われていたが昨年退職。
悠々自適な生活を送りつつも隣に住むキャッシーを気にかけている。
木山 祥子 (あだ名:キャッシー )
サークルやバイトに毎日忙しい元気印の大学生。
レジのアルバイトでいろいろな支払い方法があることを知り、
最近お金や決済に興味を持ち始めた。
荒川 亜沙子
デビット・プリペイドカードビジネスのプロフェッショナル。
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