コラム Column

2020年度 大変革のターニングポイントとなる年度の始まり【After コロナ】

 こんにちは。PAYCIERGE(ペイシェルジュ)の事業責任者を担当している音喜多(おときた)です。
 
「いよいよ2020年度もスタート!」の号砲が霞むほどの外部環境の大きな変化、つまり新型コロナウィルスの影響がさまざまなところで影を落とし、全業種/業界において、今までとは違った発想や考え方での対応が求められている事と思います。

私が担当しているキャッシュレス分野に関しても例外ではなく、今までの価値観とは違った考え方や、何となくそうであろうとボンヤリと普遍的に考えられていた深層心理などが、より“はっきりとした“価値観・深層心理として今後の流れを方向付けるような動きが加速しています。

「【アフター・コロナ】現金社会で広がる「非接触」生活-支払いはどう変わる」
https://www.coindeskjapan.com/48866/
参照元:coindesk JAPAN

例えば、この記事。現金の不衛生さについては従前より語られてきた事ではありますが、この状況下では「誰が触れたかわからない現金を触りたくない」という深層心理がより一層強く我々の心を支配し、キャッシュレスによる決済手段を利用しようという価値観が強く働き始めているのではないかと思います。
これは「現金を触りたくない」という事を踏まえれば、「支払いの際に現金を使いたくない」という思いだけではなく、そもそもATMからの現金引き出しに関しても相当な抵抗感が芽生えるのではないでしょうか。
実際、私の母と4月上旬に電話で話をしていた時には、年金の支給について「ATMへ行って現金を引き出しをしたくない」と言っていました。年金の支給日は金融機関等のATMや窓口がかなり混雑するようで、今のような状況下では相当なネガティブポイントになります。加えて現金に触れなければならないという二重のネガティブポイントが重なります。
年金に限らず、毎月のサラリー(給与)を受け取る給与所得者から見ても深層心理は同様で、やはり「現金を触りたくない」という思いが強くなっていると思います。

 現在、PAYCIERGEの新しいビジネスへの取組みの一つに、給与などの振込み先にデジタル口座を指定出来る取組みを進めています。こういった流れを踏まえるとやはり『Afterコロナ』を強く意識し、現金の無い社会を確立すべく今まで以上にスピードを速めていく必要があると感じています。

次にこちらのデータを元に購買(消費)行動の変化を考えたいと思います。
「POSでみるコロナ禍の購買動向:業態分析編」
https://www.rieti.go.jp/jp/columns/a01_0574.html

「コロナウィルス感染症と私たちの購買行動:POSデータでの記録」
https://www.rieti.go.jp/jp/columns/a01_0554.html
参照元:独立行政法人経済産業研究所

 POSデータを利用した小売業界中心の分析になっており、4月第1週までの購買動向を洞察したサイトです。非常に細かなデータを使い分析されており、政府や自治体におけるアクションと国民の深層心理による生活動態によってどう購買行動が変化しているのかを見る事が出来ます。更に緊急事態宣言以降の動きとしては在宅勤務者が急速増えた事による大きな購買行動の変化が現れると予測できます。
 私の感覚としては、4月第1週までの分析ではコンビニでの購買が前年度同週比で落ち込みを見せていますが、今後はコンビニでの購買が急速に回復するのではないかと思料します。会社員が居住するエリアの近場のスーパーはレジを減らし、混雑を招いている状況の中、外出時間を押さえつつ他人との接触を軽減できるコンビニの方が「買い物のしやすさ」「決済手段の多様さ」という観点からも軍配が上がるのではないかと考えるからです。(まとめ買いに一服感が出るであろうとの憶測もあります。)

このように国や自治体の施策・動向を把握しつつ、国民の深層心理を踏まえながら各企業とも対応を考えて行く必要があります。デジタルマーケティングの分野で各企業とも鎬を削ってビジネスをされていると思いますが、今こそ社会全体を見渡し『Afterコロナ』を見据え、「自社がどのように社会に貢献できるか?」をデータ分析に基づきながら見つめなおすタイミングにあると思います。

 PAYCIEREは2020年度、既存のサービスの付加価値向上に加え、前述の通り「Afterコロナ」を見据えながら柔軟に対応を進めて行きます。
その一つに、デジタルガバメントの領域に向けてID決済を軸に各自治体から見て価値の高いサービスを思考していく予定です。またデータ利活用のサービス領域においても、マーケットの皆様にご満足の頂けるような一歩踏み込んだサービスを立ち上げていきます。
その施策等については、またこのコラムにて適宜お伝えできればと思います。

今現在、日々生活していく中でさまざまな理由で不自由を感じている方々も多いと思います。TISは微力ながらも顕在化している社会課題の解決に貢献すべく、引き続き対応を進めて参りますのでどうぞ、今後共宜しくお願い致します。

<筆者プロフィール>

・音喜多 功 (おときた いさお)
 執行役員 
 サービス事業統括本部
 デジタルトランスフォーメーション営業企画ユニット
 ジェネラルマネージャー
・1995年 4月 東洋情報システム(現TIS株式会社)入社
・2011年 4月 産業・公共事業統括本部 産業・公共第1事業本部
        サービス&コミュニケーション事業部 サービス第2部長
・2013年 4月 金融第1事業本部 フィナンシャル第1事業部
        フィナンシャルシステム第1営業部長
・2016年 4月 金融第2事業本部 金融ソリューション事業部 副事業部長
・2017年 10年 ペイメントビジネス事業本部 ペイメントソリューション事業部長
・2019年 4月 執行役員
        サービス事業統括本部 デジタルトランスフォーメーション営業企画ユニット
        ジェネラルマネージャー(現任)