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スマートフォンでシームレスな決済を実現(In-App決済)~事例を使って解説~

 こんにちは。米木です。今回はとても便利な機能In-App決済というものをさまざまな事例を交えてご紹介していきたいと思います。

 読者の皆さんはIn-App決済というのをご存知でしょうか。アプリ内課金という表現もありますが、In-App決済とは名前の通りスマートフォンのアプリ内で事前にクレジットカード番号等の登録を行い、サービス利用後にその登録しているカードを使って決済する事が可能になる機能の事です。一般的にAppleが提供するものはIn-App Purchase(IAP)、Googleが提供するものはIn-App Billing(IAB)と呼ばれています。例えば最近タクシー配車アプリがいくつか登場していますが、あらかじめアプリから決済用のカードを登録することができます。実際にアプリでタクシーを呼び目的地に到着後、決済を行う必要はなく、料金は事前登録したカードで自動的に決済されます。

アプリの中に決済機能は含まれているのですが、決済機能がメインではなくサービス提供が目的のアプリをここではIn-App決済アプリと呼びたいと思います。

●Uberアプリ

 私が米国出張をする際、いつもお世話になっているのがこのUberアプリです。米国は車社会のため出張などで渡米する際、移動手段としてどうしても車が必要になります。少し前の時代であればレンタカーを借りる必要がありました。
しかし、今やUberやLyftといったタクシー配車アプリを使えば、容易にタクシーを呼ぶことができます。しかも事前に行先を指定できるので、乗車したときに行先を告げる必要はありません。英会話に不安がある人もほとんど英語を使う必要がないので安心です。目的地に到着したら「サンキュー」と言って降りるだけです。
UberやLyftアプリの使い方はとてもシンプルです。アプリ上に表示される地図に乗車位置と降車位置を指定し、乗車後は運転手の方を星(★)の数で評価します。決済は降車後、サーバー側の処理で行われるので、決済が行われていることを意識する必要はありません。たったこれだけのことですが、なんというイノベーションだろうと最初は感動を抱いたものです。

●Suicaアプリ

 Suicaにはスマートフォン用のアプリがあり、モバイルSuicaというネーミングで呼ばれています。私はこれこそまさに日本のIn-App決済アプリの代表格ではないかなと思うのです。
アプリの主な機能はSuicaの発行、チャージ、定期券、グリーン券の購入、利用履歴照会、JR東海のエクスプレス予約、オートチャージなど、各種設定を行うことができます。つまりSuicaに関連する多数のサービスをアプリの中で提供しているのです。チャージや定期券、グリーン券の購入時には決済が必要になります。これは予め登録してあるクレジットカード、もしくはiPhoneの場合Apple Payでの決済が可能になっています。どの決済方法を使うのか選択する場合もアプリとシームレスなデザインが採用されており、UI/UXがしっかりと作りこまれています。

●Starbucksアプリ

 最近の私のお気に入りはスターバックスのアプリです。スターバックス公式アプリということで、商品の紹介から店舗検索、ギフトの購入などが可能です。更にプリペイド型のスターバックスカードをアプリに登録することができ、店舗での決済時に利用する事ができます。
そして最近ではアプリから飲み物をオーダーすることができるようになりました。まだ東京、愛知、大阪の一部店舗が対象ですが、順次拡大される予定と聞いています。
このアプリでコーヒーをオーダーし、近場のスターバックス店舗を指定すると、店舗側でコーヒーを作り始めます。アプリ上でコーヒーが出来上がる時間が表示されるので店舗へ行くとすぐにコーヒーを受け取ることができます。
決済は登録してあるスターバックスカードをオーダー時に指定すると、そこから自動的に決済されます。店舗に行ってレジに並びオーダー・決済を行い、その後受取口で出来上がるのを待つという時間を省くことができ、待つことが苦手な私にとってはとても便利な機能だと思っています。

●今後のIn-App決済アプリ:自動車に注目

昨年11月にVISAが「A vision for in-car payments」という動画を公開しました。

 VISAが自動車における近未来の決済シーンをこの動画で一足先に私たちに見せてくれています。この動画を見るとわかりますが、決して夢物語ではなく、1~2年以内には実現するのではないかと思います。
動画のタイトルの一部に「in-car payment」という言葉を使っていますが、車の中に搭載されたデバイスのアプリによる決済と考えれば、広い意味でこれもIn-App決済アプリといえるのではないでしょうか。
車に乗っていると実は様々な決済シーンがあることに気が付きます(ガソリンの給油、ドライブスルー、ETC、駐車場など)。動画の中では運転中に車の音声アシスタントに向かって、コーヒーを声で注文し、即時に決済が行われます。あとはドライブスルーでコーヒーを受け取るだけです。私は今でも車の中からにiPhoneの音声アシスタントを利用して電話をかけたり、メッセージを送ったりしていますので、遠隔からのコーヒーオーダーサービスなどは今すぐ登場してもおかしくありません。

 このようにIn-App決済アプリはこれからの決済シーンにさまざまなイノベーションを起こすカギになるのではないかと考えています。とてもワクワクする分野ですが、いかに今までの「当たり前」を覆す発想が出来るかのアイデア勝負の世界です。TISはこれまで培ってきた技術や決済サービスの経験とチャレンジ精神で今後の決済シーンにインパクトを与えていきたいと思っていますので、是非注目していて欲しいと思います。

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