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【初心者向け】メタバースとは?現状と今後の可能性について

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メタバースについて、最近話題に取り上げられることが多くなりました。日本では法的課題などがありますが、メタバースの今後の可能性を考えると胸が膨らみます。

そこで今回は「メタバースとはそもそもどういったものなのか」、「なぜメタバースはこれほど注目されているのか」「メタバースと決済の関係について」を分かり易く書いてみようと思います。難しい技術的な仕組みについては今回記載しませんので、気楽に読んでいただければ幸いです。

1.メタバースとは

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実はさまざまなメタバースの記事を読んでも、「メタバースの統一した定義は、まだ存在しない」ということが言われています。しかし、多くの方がメタバースについて、それぞれ定義を述べて記事を展開しています。例えばKPMGコンサルティング株式会社の作成した報告書には、次の様に定義されています。

「多人数が参加可能で、参加者がその中で自由に行動できるインターネット上に構築される仮想の三次元空間。ユーザーはアバターと呼ばれる分身を操作して空間内を移動し、他の参加者と交流する。ゲーム内空間やバーチャル上でのイベント空間が対象となる。」 (*1)

バーチャルな3次元空間に人々がアバターとして参加し、他の人との交流やゲームをしたり、イベントに参加したりする場所だということです。一度は遊んだことがある方もいると思いますが、ファイナルファンタジー14オンライン、プログラミング教育の現場でも利用されているマインクラフト、e-Sportsで使われるFortniteなどもメタバースに該当します。現在のSNSは2次元空間で、文字と2次元の画像と動画が中心であることを考えるとワクワクしますね。

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VRを例にあげて考えてみましょう。あの分厚いVRゴーグルを利用することで3次元空間への没入感を得ることは可能です。しかし、VRゴーグルはやや重いこともあり、長時間の利用は現実的ではありません。携帯性も高いとは言えないでしょう。これらの問題はやがて技術が解決してくれると思いますが、それまではスマホやタブレットで参加するユーザーも少なくないと考えられているようです。

それではいったい3次元空間でどの様なサービスが提供されるのでしょうか。米国金融機関Citiのレポート(*2)に書かれているメタバースの活用事例をあげてみました。

メタバースの活用事例

  • クリエイターエコノミー、ゲーム
  • バーチャルワークプレース、コミュニティ
  • デジタルイベント、コンサート
  • デジタル観光、テーマパーク
  • デジタルファッションショー
  • バーチャル広告
  • バーチャルコマース
  • 仮想都市、公共サービス
  • スマートマニュファクチャリング
  • ヘルスケア
  • 教育分野
  • リクルート、トレーニング
  • このリストだけではイメージが十分にわかないかもしれませんが、あらゆる分野のサービスが3次元バーチャル空間に出現する、3次元空間に新しい街ができると言ってもよいのではないでしょうか。

    実際に商品化・実現化されているものをいくつかご紹介します。

    バーチャルワークプレース、コミュニティ
    ■VRChat
    大人数でコミュニケーションを行うことが可能。オブジェクトを作成したり、モノの販売を行ったりもできるもの。
    https://hello.vrchat.com/

    デジタルイベント、コンサート
    ■バーチャルマーケット2022 Summer
    メタバース上で開催される世界最大のVRイベント。16日間の開催で100万人が来場。
    https://summer2022.vket.com/

    デジタル観光、テーマパーク
    ■淡路島 座禅リトリート
    メタバース空間を活用した新たな体験型オンライン観光をとして、地方創生を目指しています。
    https://awajishima-resort.com/eventfair/metazenbo/

    教育分野
    ■イーオン
    日本にいながらも海外にいるような英語学習を体験できます。
    https://www.aeonet.co.jp/online/vr/

    (*1) 出典:令和2年度コンテンツ海外展開促進事業(仮想空間の今後の可能性と諸課題に関する調査分析事業)
    https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/contents/downloadfiles/report/kasou-houkoku.pdf
    (*2) 出典:Citi GPS (Global Perspective & Solutions) 「Metaverse and Money」
    https://www.citivelocity.com/citigps/metaverse-and-money/

    2.メタバースが注目される理由

    メタバースが世界中で注目されている理由は様々あると思うのですが、大きな理由を2つあげてみたいと思います。

    まず1つめは、メタバースの膨大な市場です。すでに取り上げたCitiのレポートには、「私たちは、メタバース経済のターゲットとなる市場は8~13兆ドルの範囲になると推定している。」と書かれています。これは2030年のメタバース経済の規模予測です。
    前提として2030年の世界GDPが国際通貨基金(IMF)の成長予測によると127.9兆ドルといわれています。それを元にデジタルエコノミーの対GDP比を20~25%、デジタルに占めるメタバースの割合が30~40%と予想して算出したものです。日本円に換算するとおおよそ1,040兆から1,690兆円ということになります。メタバースによって、新しいビジネスや今までに考えられなかったモノが作り出せるチャンスがあるということです。

    少し大げさに言いますと、メタバースはこれまで存在しなかった新しいバーチャルな3次元空間に、人類の新たな生活空間を作ろうということに他なりません。現実世界で行っている生活空間を本気でバーチャル世界で実現させるために新たな市場を作ろうということですから、そこに大きな市場が生まれるのは当然のことなのかもしれません。

    2つめは、それはメタバースが次世代のインターネットになりえるということです。別の言い方では、インターネットの反復などと表現されることがあります。Citiレポートの中にNVIDIA副社長Rev Lebaredian氏の言葉が引用されています。

    「1993年にインターネットがどれくらいの大きさで、具体的に何なのか理解できなかったように、私たちがメタバースと呼んでいるものは、今まで知っていたものより大きくなるのです。」

    インターネットが世の中に認知されはじめたばかりのころ、インターネットによる現在の姿、膨大な市場を予測できた人はどのくらいいたでしょうか。私たちはまだ記憶に新しいこのインターネットの爆発的成長を、メタバースでもう一度反復するということです。私たちはメタバースの将来を今から予想することはできません。しかし、想像を絶する成長を将来見ることになるでしょう。

    3.メタバースと決済の関係について

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    メタバースは「人類の新たな生活空間を作ること」だと書きました。3次元空間上に新しい生活空間ができれば、そこにもお金のやり取りが発生することは間違いありません。つまりは金融、決済はメタバースの世界でも必要になります。そしてインターネット同様、現金は使えないため、デジタルで決済を行う必要があります。
    現時点では、現実での決済手段を使ったパターンと仮想通貨(ETH(イーサリアム)、ENJ(エンジンコイン)など)を購入して利用する2つのパターンが存在します。まだまだ課題は残っていますが、今後メタバース上でも「決済」をユーザーに意識させることなく利用してもらえるよう進化していくことが必要になってきます。

    新しい生活空間メタバースには、新しい概念や技術が最初から組み込まれています。(NFT、暗号資産、分散型金融(DeFi)、スマートコントラクト、CBDC、ステーブルコイン・・・等)これらは重要なキーワードであるものの、今回は説明しませんが、これまでとは異なる新しい分散型金融(DeFi:Decentralized Finance 特定の管理者が存在せず、誰でも参加できる金融サービス)というものが入ってくることは知っておくと良いかもしれません。

    メタバースの世界が進めば従来型のカード決済は無くなってしまうのでしょうか。Citiレポートによると従来型決済は存続するだろうとのことです。遠い将来はわかりませんが、当面は従来型カード決済も適材適所において併用されることになるでしょう。しかし、先述のとおり、メタバースという3次元空間における決済の提供方法はこれまでと形を変えていく必要があるのかもしれません。
    たとえばVRデバイスを装着した状態で支払いや送金を無駄なく効率的に行う方法などはTISもXR Payというサービスによって既に提案しています。3次元空間の中で本人確認はどのように行うのかということについて、これから生体認証や分散型ID認証などが積極的に導入されることでしょう。
    つまり、フリクションレスなUI/UXがこれまで以上に追及されていき、Embedded Paymentによるバックグラウンド支払いが主流になることが予想されます。

    メタバースは技術的にもまだ進化の途中にありますが、それ以上に法律の整備や、プライバシーなどを含む社会的課題に対して取組まなければならない問題がまだ山積しています。そのような状況においては、不正取引や詐欺などの横行に対しても対策が必要となることでしょう。しかし、それらは一度インターネットで通ってきた道でもあり、古くて新しい課題であると言えます。これからのメタバースにおける決済をいかに安全に、便利に行うかについて私たちは更なる研究と実績を積むことにより、積極的に取り組んでいきたいと思います。


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