過去のおさらい
過去(第7回、11回)にクレジットとデビットの仕組みや決済処理の流れについて
決済博士が説明してきました。
今回はこれらのコラムと比較しながら、国際ブランドプリペイド決済
(※国際ブランド以外やバーチャルカード等の説明は含みません)の
基本的な仕組みについて、説明します。
はーかせ!
わっ。なんだ、キャッシーか。急に驚かさんでくれよ。年寄の心臓には良くない登場の仕方だなぁ。“事前に”来るって連絡しておいてほしいものだが
ごめんごめん。友達との約束までに時間あったから、遊びに来てあげたよ!それでね、“事前”繋がりで一つお願いしたいことがあって・・・
(キャッシーからのお願いごと…何か嫌な予感…)
今日は別に嫌なお願いじゃないよ。
(ぎくっ。年を重ねるごとに勘も鋭くなってきているな…)
過去にクレジットとデビットの仕組みを詳しく教えてもらったんだけど、最近プリペイド形式の決済もよく使われているなぁと感じることも多くなってきていて。今回はこのプリペイド関連についても教えて欲しいなっていうお願い
キャッシーにしてはとても素晴らしい内容じゃないか
褒めているの?それ…
も、もちろん、褒めているに決まっているじゃないか。今回も前回同様Youtuberとして動画をUPできるように動画を取りながら説明したいのだが、いいかな?
どうぞどうぞ~(笑)
1時間後・・・・
ピッ (動画録音開始の音)
クレジット、デビットの仕組みと同様に、プリペイドについても消費者の動きを中心に説明を行います。国際ブランド(JCB、VISA、Mastercard、AMEX等)の働きについてはデビット編をご参照ください。
では話の流れは以下の3つだ。
1.プリペイドカードの申し込み
2.チャージの種類と方法
3.プリペイド決済処理と精算
ちなみに、プリペイドカードの定義についておさらいをしよう。
三井住友カード公式ページ₍https://www.smbc-card.com/prepaid/topics/features.jsp)には以下のように記載がある。
「プリペイド(pre=事前に、paid=支払った、支払済)カードはあらかじめお金をチャージ・入金して、その額面の商品やサービスを購入することができるカードです。「prepaid」の意味のとおり、「前払い」をすることで使うことができます。カード1枚で「現金をしまう財布」と同じ役割を果たすのがプリペイドカードであり、携帯しやすいことも利点の一つです。」
また、プリペイドカードの発行会社はクレジットカード会社や銀行の場合もあれば、流通業やメーカー他さまざまな業種の企業が、さまざまな用途でプリペイドカードを発行している。この点については別の動画で説明しようかなと思うので是非コメント欄に意見をくれるとありがたい
1.プリペイドカードの申し込み
ではまず、プリペイドのカードの申し込みについて説明しよう。プリペイドカードは、クレジットのように入会審査をする必要はなく、デビットのように銀行口座を作る必要もない。よってだれでも気軽に申し込むことができる。ここでは消費者のパソコン、スマートフォンから申し込む方法とコンビニで購入する方法について説明しよう
(だれでも気軽に作れるから多くの人が使っているのを目にするのも納得ね)
■消費者パソコン、スマートフォンからの申し込み
まず、消費者のパソコン、スマートフォンから申し込む方法について説明しよう
プリペイドカードの申し込みからカードが届くまで
①カードの申し込み
消費者はプリペイド発行会社のホームページからプリペイドカードの申し込みを行う。その際にWebサイトから必要事項を入力して、申し込みを行っている
②本人確認
プリペイドカードの申し込みを行うと、プリペイド発行会社の担当者は、申し込み者が間違いなく本人かどうかなどを確認している。(※1)近年プリペイドカードにおいても、なりすましなどの不正利用が増加しているため、取扱金額が高額(1回あたり10万円超、1か月30万円超(※2))な場合、本人確認書類を消費者に求めたり、マネーロンダリング(資金洗浄)対策等が行われている。これらについては法制化が検討されているんだよ
※1カードの種類によっては無記名のものも有
※2上限金額はカードによって異なります
(マネーロンダリングってなんだ??)
③カード発券データ作成
プリペイド発行会社の業務担当者による本人確認が終わると、プリペイドカードシステムに申し込み者を登録する。その後、プリペイドカードシステムは、カードを発券するためのデータを作成し、印刷会社に送信する。
④カード発券
印刷会社は、プリペイド発行会社から受信したカード発券データをもとに、プリペイドカードを発券する。プラスチックカードの券面の印刷から、磁気ストライプやICチップへのデータの書込みまで、ここで行っている
⑤カード送付
発券されたカードは印刷会社または、プリペイドカード発行会社によって台紙に貼り付けられ、各種印刷物と一緒に封筒に入れられて簡易書留や本人限定受取郵便等で消費者に送付さる仕組みとなっている
■コンビニにて購入する方法
次はコンビニで購入する場合を説明しよう。
コンビニでさまざまなプリペイドカードが陳列され、販売されている光景は、もはや当たり前になっているがそれらプリペイドカードの中に国際ブランドのプリペイドカードが含まれているのは知っているかな?コンビニのプリペイドカードはお店のレジでお金を払って購入すると、アクティベート₍カードの有効化₎と金額のチャージがなされ、初めて使用することができるようになる。
また、コンビニで購入するプリペイドカードは、カード券面上に名前を記載できない。よって所有者の情報が不明となるため、利用金額が通常10万円下(*3)に抑えられている。
※3 カードなどによって金額は異なります
キャッシー:(10万でも十分大金だけどね)
プリペイドカードをコンビニで購入する
流れは次の通り。
①カード発券(アクティベート前)
プリペイド発行会社がカードをコンビニで販売するためには、コンビニカード取扱会社に依頼する必要がある。プリペイド発行会社は、プラスチックカードを発行して、コンビニカード取扱会社に送付するがまだアクティベート前なので、使用することはできない。
②販売用にカードを梱包
コンビニカード取扱会社は、プリペイド発行会社から受けとったプラスチックカードを販売用に梱包する。店頭に陳列しやすいように加工され、カードのロゴやキャラクターが印刷された厚紙でカードを挟み込む等を行っている。
③梱包済カードの送付
梱包済カードはコンビニカード取扱会社からコンビニに送付され、店頭にて販売される。
④カードの購入
梱包済カードはコンビニ店頭にて販売さ消費者はプリペイドカードを購入する時に、チャージ金額をコンビニのレジで支払う。
⑤カードアクティベーション+チャージ
コンビニで支払が完了すると、その旨がオンラインでプリペイド発行会社のシステムに通知され、カードがアクティベートされる。そしてプリペイド残高にコンビニで支払われた金額がチャージされようやくプリペイドカードは利用可能となるんだ。
(細かく聞くと様々な工程を経て使えるようになっているのね。)
2.チャージの種類と方法
次はチャージの種類と方法について説明しよう。
プリペイドカードは、予めプリペイド口座にバリュー(お金)をチャージする必要がある。チャージの方法は、プリペイド発行会社によりさまざまな種類があるが、ここでは代表的な4種類のチャージ方法について説明する。
■コンビニ店頭からチャージ
■コンビニATMからチャージ
■銀行口座からチャージ
■クレジットカードからチャージ
■コンビニ店頭からチャージ
1つ目。これは先ほど説明した通り。
プリペイド発行会社が指定する店舗やコンビニのレジでカードを提示し、現金を店舗スタッフに渡す(①)と店舗の端末操作によって、プリペイド発行会社に入金通知が送信され(②)、プリペイド口座残高に入金金額が加算(③)されるという方法
■コンビニATMからチャージ
次はコンビニのATMからのチャージ方法。
プリペイド発行会社が指定するコンビニや銀行ATMにプリペイドカードを挿入し、入金する(①)と、プリペイド発行会社に入金通知が送信され(②)、プリペイド口座残高に入金金額が加算(③)される方法。
■銀行口座からチャージ
銀行口座からのチャージ方法だが、プリペイド発行会社の指定口座にお金を振込むことで、チャージすることができる。銀行振込はいくつか方法があるが、上の図は消費者のパソコンやスマートフォンから、インターネットバンキングで振込むことを想定している。消費者は銀行のインターネットバンキングにアクセスし(①)、プリペイド発行会社の指定口座にチャージ金額を振込む(②)。銀行は入金通知をプリペイド発行会社に通知(③)し、プリペイド口座残高に入金金額が加算(④)される。
■クレジットカードからチャージ
最後の4つ目。プリペイド発行会社指定のクレジットカードで、プリペイドカードにチャージすることが可能な方法だ。この場合、プリペイド発行会社はクレジットカード会社の加盟店という位置づけになる。消費者はプリペイド発行会社のホームページまたはスマホアプリから事前に登録してあるクレジットカードを使ってクレジット入金依頼を行う(①)。プリペイド発行会社は、消費者のクレジットカード番号によってクレジットカード会社にオーソリを要求(②)。クレジットカード会社からオーソリが承認(③)されると、プリペイド発行会社は消費者のプリペイド口座残高に入金金額を加算(④)する仕組みだ
₍なんかクレジットでチャージするのが一番お得っていう気がするけど。。。。実際はどのチャージ方法での利用者がいちばん多いんだろう・・・)
3.プリペイド決済処理と精算
最後はプリペイドの決済処理と清算について。
実はプリペイド決済処理と精算については、デビットカードとほぼ同じなので、以前のデビットカード動画を見て欲しい。ただ1点注意して欲しいのは、デビットはイシュアが銀行だったが、プリペイドの場合イシュアはプリペイド発行会社になるので気を付けること。プリペイドの場合の決済処理と精算の図を載せておくので確認するように)
商品購入時のプリペイド決済
国際ブランドスキームにおける精算
以上がプリペイドカードの説明としよう。最後までご視聴頂きありがとう。
この動画についてご質問、ご意見がある方は是非コメント欄まで。そして動画を見てイイネと思った方は是非イイネボタンも忘れずに。それでは次回の動画まで…ばぁい!
最後のばぁい!ってどうかと思うけど。
前回の動画で、最後に「ちゃお!」と言ったらキャッシーが変えた方がいいと言うから「ばぁい!」にしたんじゃがイケてないか…。事前に他のYoutubeもみておいたのだが…
あ、そうそう。途中で出てきた「マネーロンダリング」っていったい何??
お、その説明はしたことがなかったかの。マネーロンダリングとは「資金洗浄」のことでな…
あ!もうこんな時間!友達との約束に遅れちゃうから、行くね~っ!!!
バタンッ!(扉が閉まる音)
…相変わらず台風のような子じゃなぁ…
登場人物紹介
与那嶺 淳(あだ名:決済博士)
大学では長年にわたり商学部の教授を務め、
昨今話題のDX技術や新しい決済の仕組みをずいぶん早くから講義の中で解説しており
学生には”決済博士”として慕われていたが昨年退職。
悠々自適な生活を送りつつも隣に住むキャッシーを気にかけている。
木山 祥子 (あだ名:キャッシー )
サークルやバイトに毎日忙しい元気印の大学生。
レジのアルバイトでいろいろな支払い方法があることを知り、
最近お金や決済に興味を持ち始めた。
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