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加速するキャッシュレス化 ~QR決済に対する期待と誤解~

こんにちは、畑です。いよいよ政府のキャッシュレス・消費者還元事業も取組みが開始され、また『GO! CASHLESS2020』 の告知ポスター等も発表されるなど、顧客である消費者向けへの取組みや、PRが活発化してきました。

「統一QR」ロゴ

決済事業者向けの取組みとしては、QR決済の統一規格「JPQR」が策定され、ますますキャッシュレスに関する取組みが、消費税増税のタイミングに向けて盛んになることでしょう。

政府もキャッシュレス比率をKPI化し、キャッシュレスポイント還元施策による全国比率アップと地域における比率アップの両面での底上げ施策に本格的に取り組みはじめています。しかし、前回のブログ日本のキャッシュレス社会が目指すものとはでもお話しさせていただいた通り、消費者からみて「この仕組みがないと生活が出来ない」と言った「なくてはならない存在」となる前に、一過性のインセンティブほしさ(チェリーピッカー)のため、各マネー事業者含めた体力消耗戦へと突入してしまった気がします。

また、地域のキャッシュレス比率の引き上げ=QR決済としていることも、QRが現時点では非常に使い勝手のいいツールであるものの、あくまでも進化の過程、通過点にすぎないツールであることを、しっかりと理解しておく必要があります。

QR決済と支払い手段の紐づけ方法の違いと可能性

ここで少しQR決済の誤解や期待のひとつである決済の「紐づけ」について整理したいと思います。
決済の手段には「前払い(Prepaid)」、「即時払い(Debit)」、「後払い(Credit)」が存在し、今世の中に出回っているQR決済サービスは、大きく3つの決済に紐づいています。

一つ目の「前払い」は
 -「バリュー」として、プリペイドやポイントなどのバリュー残高と紐づいた決済
二つ目の「即時払い」は
 -「銀行口座」直結としてダイレクト決済ともいわれる銀行口座残高と紐づいた決済
三つ目の「後払い」は
 -「クレジット」カード番号と紐づいた決済

クレジットカード番号に紐づいた支払い手段(後払い)は国際ブランド(いわゆるVisaやMaster、JCBといった世界中で利用が可能な)カードであればブランドとの精算が発生します。クレジットカード利用時に加盟店が負担する手数料は3%台が一般的ですが、QR決済になったからといってこの手数料がなくなるわけではありません。現在市場に登場しているQR決済サービスにおいては、加盟店手数料ゼロを提唱しているサービスが多く存在しますが、これらはQR決済サービス提供者が加盟店に替わり、加盟店手数料を負担していることが実態であり、資本や資金面に余裕がもてない又はグループ企業の支援がない新規参入者にはなかなか真似できないお金の使い方です。

また、決済に一番大事な安心・安全にご利用いただく仕組みや環境として、これら決済手段を利用する際、どのようなかたちで本人であるかどうかを確認・証明する手段・ツールとして、「カード」、「IC」、「QR」、「生体(顔、指紋等)」などがあり、認証の技術や組合せを進化させてきているのが現状です。

キャッシュレス比率が拡大するためには

クレジット業界による60年以上の取組みで、その歴史の過程のなかでプリペイドや電子マネーなども登場してきましたが、日本のキャッレス比率は現状約20%です。ある人に「キャッレスを日常利用で爆発的に伸ばす方法って何だと思う?」と聞かれた時にすぐには答えることが出来ませんでしたが、皆さんはどんな取組みが効果的と思いますか?

筆者の考える答えの一つは、日本全国のサラリーマンが「ランチタイムでキャッシュレスにすること」です。日本の飲食店でのキャッシュレス支払い対応の比率は低く、まだまだ夜は使えるけど、ランチタイムはキャッシュレス支払いができないというお店が多いです。飲食店でのキャッシュレス対応が広がり、ランチもディナーも関係なく当たり前にキャッシュレス支払いができる。

これが出来たら間違いなく日本のキャッシュレス比率は伸び、持続的な利用がされることでしょう。