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OMOとは? 背景やO2Oとの違いを事例と共に解説します!

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今となっては当たり前のように使われている「O2O」や「オムニチャネル」という言葉がありますが、ビジネス領域では新たに「OMO」に注目が集まっています。

「OMO」とは「Online Merges with Offline」の略称。日本語に直訳すると「オンラインとオフラインの融合」を意味します。なぜ「OMO」に注目が集まっているかというと、『これからのアフターデジタル社会において欠かせない主軸となる考え方』だと言われているからです。
今後のビジネス領域で生き残るには、OMOの理解が必要です。今回の記事では「OMO」の基本的な知識と、今後OMOを取り入れるにあたって必要なことを紹介します。

●OMOとは?~オンラインとオフラインの融合~

まずは、「OMO」の基本的概念を紹介します。

前述しましたが、OMOとは「Online Merges with Offline」の略称。直訳すると「オンラインとオフラインの融合」を意味します。
OMOという言葉が生まれたのは2017年9月ごろ。元GoogleチャイナのCEOである李開復(リ カイフ)が提唱しました。「オンライン/オフラインの垣根にこだわらずUX(User Experience、ユーザー体験)を主軸に考える」という概念です。
 今や一般消費者の多くは、日常生活の中でもスマートフォンなどで常にオンラインにつながっている「アフターデジタル」の中で暮らしています。OMOという概念が広まる前から店やEC、アプリなどの購買チャネルを行き来していました。

アフターデジタル:あらゆるモノ・人の行動がオンラインデータ化し、オフラインがなくなる世界のこと

考文献:藤井 保文、尾原 和啓 アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る」 日経BP 2019年

 OMOは、店舗やECサイトなど購買チャネルを行き来する一般消費者が増えた今、企業目線でチャネルを分けるのではなく、適切なタイミングで適切なチャネルを提供し「ユーザーの購買体験をより良くしよう」という考え方なのです。

●OMOが注目される背景

OMOの概念が広まった背景には、「消費者の価値観」と「デジタル技術の進歩」の2つが挙げられます。

◆モノからコトに変わる消費者価値

インターネットやスマートフォンの普及によって、消費者は場所・時間を問わず買い物ができるようになりました。暮らしが豊かになり、商品やサービスの機能で差別化が困難になっている現代は、消費者の消費価値が「モノ」ではなく「コト」に置かれるようになっています。例えばインバウンド向けの「茶道体験」や「染物体験」など、商品やサービスを通した体験や経験が「コト消費」とされています。しかし、イベントやアトラクションなど、消費者が直接「体験」するコト消費も重要ですが、それらは店舗で扱っている既存商品を活かした購買活動とはいえません。そこで近年重視されているのが「シームレスな購買体験」です。商品の機能やサービスを所有するまでの一連の過程を「コト消費」として提供するため、自社の店舗の商品やサービスを活かしながら、消費価値を捉えられます。

店舗は非計画購買者に向けた、消費価値を「モノ」に喚起させるための仕掛け作り(動線の工夫やオンラインを使用した衝動喚起)を「コト消費」として捉えていく必要があるため、 適切なタイミングで適切なチャネルを提供するOMOに注目が集まっているのです。

◆デジタル技術の進歩
OMOはオフラインとオンラインを単純に合わせるのではなく、「オンラインとオフラインを融合し、デジタル起点で物事を考える」ことで生まれます。

OMOを発生させるにはデジタル技術の進歩が必須でしたが、今の日本はモバイルネットワークが普及し、QRコード決済などキャッシュレス化も進んでおり、その土壌は整いつつあります。ユーザーの情報を収集するためのセンサー、分析をするためのAIの発達により、常にオンラインに接続しその場でデータ処理をすることなども可能になりました。

 デジタル技術を活用した新しい店舗のあり方についてはこちらスマートストアとこれからの顧客体験

日本のデジタル技術が進歩したことでオンとオフの境界が曖昧になり、さらに融合していくことが考えられるため、日本でOMOが注目されるようになったと言えます。

●O2Oやオムニチャネルとの違いは?

次に、今では当たり前に使われている「O2O」と「オムニチャネル」について、そしてこの2つの言葉が「OMOとはどう違うのか」を説明します。

O2Oとは

「O2O」とは、「Online to Offline」の略。インターネット(オンライン)の情報から、実店舗(オフライン)での購買につなげるマーケティング戦略です。
ECサイトから実店舗で使えるクーポンを発行したり、メルマガやLINE@を使って実際の来店を促したりすることが挙げられます。

オムニチャネルとは

「オムニチャネル」とは、オンラインオフラインを問わずすべての販売チャネルを統合し、ユーザーとの接点を多く持とうとすること。「オムニ=すべて」「チャネル=販路」という意味を持ちます。

すべての販売チャネルを統合することで、ユーザー情報や購入履歴などの一元管理が可能になります。その結果、ユーザーは接点を持ったどのチャネルからでもスムーズに商品の購入ができるのです。

普段はオンラインで買い物をしているユーザーがカタログ通販を使って買い物をしても、購入履歴が統合されるので、次回以降オンラインからカタログで買った商品を購入できる、などの例が考えられます。

OMOと「O2O・オムニチャネル」の違い

OMOとO2O・オムニチャネルの違いは「オンラインとオフラインの区別」、「ユーザー体験(UX)」への考え方です。
「O2O・オムニチャネル」は「オフラインとオンラインを区別する考え方」です。オフラインがベースにあった上で、オンラインから実店舗にユーザーを誘導する施策がほとんど。購買行動を促すために、企業目線で施策を実施しています。
 一方、「OMO」は「オンラインとオフラインを区別しない考え方」です。実店舗ではレジのPOSシステムが常にオンラインに接続していて、来店するユーザーもスマートフォンで常にオンラインに接続しています。「オンラインとオフラインの融合状態」であることを理解し、企業目線ではなくユーザー体験(UX)を中心に設計した施策を実施しています。

●OMOの事例

ここからは、実際にOMOを取り入れている事例を紹介します。

Luckin Coffee(中国

2018年1月に創業した「Luckin Coffee」は事前にアプリで注文、決済を行い、時間になったらお店へ行くと行列で待たずにコーヒーが飲めると中国で人気のカフェです。

自宅や会社からアプリで事前に注文し、出来上がる時間にお店に行く(オフライン→オンライン→オフライン)。ユーザーの利便性を第一にUX(ユーザー体験)が考えられていて、オフラインとオンラインも融合している。まさにOMOを取り入れた好例と言えます。

その結果、成長が早いと言われている中国企業の中でも、史上最速でユニコーン企業(評価額が10億ドルを超える未上場企業)の仲間入りを果たしました。

無印良品「MUJIpassport」(動線分析)

人気ブランド「無印良品」を展開する良品計画のスマートフォンアプリ「MUJI passport」は、在庫検索や商品の情報収集、よく使う店舗など、オフラインとオンラインで起こるコミュニケーションをすべて可視化しています。

その結果、「WEB(オンライン)で情報を収集した半数以上は、店舗(オフライン)へ行って購入をする」という動線がある、 WEBで情報収集をした後にそのまま購入まで至るユーザーが3割はいる、といった、ユーザーを深く理解するために必要なデータを得られました。

また、データ収集だけではなく、コミュニケーションを可視化した「MUJI passport」には「無印良品におけるUXを向上させるアプリ」という側面もあり、ユーザーが『よい体験』ができるかどうかを顧客視点で考えることを大切にしています。

OMOを取り入れることで動線、データ分析もできるので、自社のファン育成にも役立つと考えられています。

●OMOを進める小さなデジタル化

OMOを進めるために、まずはユーザーとのオンライン上の接点をつくることが重要です。例えば会計時に現金だけではなくQRコード決済を取り入れて「キャッシュレス化」を進めたり、「デジタルサイネージ」を使って広告配信をしたり…など、小さなことからデジタル化をしていくことでオンライン上での接点ができます。

QRコード決済サービスについての詳しい説明はこちら急成長中のQRコード決済市場!各サービスを徹底比較

またデジタル化を進めればユーザーの行動データを収集、把握出来るだけでなく、さらにAIによる分析、活用といった領域までの深耕が可能になり、今よりワンランク上の「デジタルマーケティング」が可能になるでしょう。結果、アフターデジタルに対応することになり、ユーザー体験(UX)が向上。新規ファンの獲得、既存ファンの囲い込みなどにつながる、と考えられます。

●まとめ

OMOはこれからの時代を生きるために必要な概念

 2019年現在、欲しい商品の情報をインターネットで検索し、比較をしてから購入をしたり、気になるお店をSNSで探して実際に行ってみるなど、ユーザーがオンライン上で活発に行動をする時代になりました。
 アフターデジタルを享受する人が増え、デジタルネイティブ世代が活躍するこれからの時代に「オンラインとオフラインを分けて考える」のは、少し古い考えかもしれません。「キャッシュレス決済ができないから別のお店に行く」という消費者の機会損失にもなります。

アプリを開発して、AIを取り入れて…など大規模でコストがかかるデジタル化の前に、まずは自分たちでできる小さなことから「オンラインとオフラインの融合」を考えましょう。それだけで、今の時代を生きるユーザーの購買体験(UX)を見直すきっかけになるはずです。

※QRコードはデンソーウェーブの登録商標です。

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