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コラム

クレジットカードの国際ブランドの役割とは?加盟店が知るべき決済の仕組みや違い、選び方を解説
クレジットカードの国際ブランドの役割とは?加盟店が知るべき決済の仕組みや違い、選び方を解説
INDEX

クレジットカード決済を導入する際、「VisaやMastercard、JCBなどの国際ブランドにはどのような違いがあるのか」「自社にはどのブランドを導入すべきなのか」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。国際ブランドは、クレジットカード決済を支える重要な基盤であり、加盟店が決済環境を整備するうえでも理解しておきたい存在です。

本記事では、国際ブランドの仕組みや役割、主要ブランドの特徴、加盟店における選び方について分かりやすく解説します。

1 国際ブランドとは?クレジットカード決済における役割を解説

クレジットカード決済を導入・運用する上で欠かせないのが「国際ブランド」です。VisaやMastercardなどの名称は広く知られていますが、その役割まで理解しているケースは必ずしも多くありません。まずは国際ブランドの基本的な仕組みと、クレジットカード決済において果たしている役割について解説します。

1-1 国際ブランドとは「決済ネットワーク」やルールを提供する存在

国際ブランドとは、クレジットカード決済を世界中で利用できるようにする「決済ネットワーク」を提供するとともに、安全なカード決済を実現するためのルールを策定・運営する事業者のことです。代表的なブランドにはVisa、Mastercard、JCB、AmericanExpressなどがあり、加盟店・カード利用者・カード会社をつなぐ役割を担っています。

決済ネットワークとは、カード決済時に必要な情報を安全にやり取りする仕組みを指します。利用者が店舗やECサイトでカードを利用すると、決済情報は国際ブランドのネットワークを経由してカード発行会社へ送られ、利用可否の確認が行われます。

また、国際ブランドは、加盟店やカード会社が遵守すべき運用ルールやセキュリティ基準も策定しています。代表的なものとして、ICチップ付きカードの国際標準規格である「EMV」や、ECサイトなどの非対面決済で利用される本人認証サービス「3Dセキュア」があります。これらのルールや基準により、カードの偽造や不正利用の防止、安全で円滑なカード決済の実現につながっています。

1-2 カード会社との違い

国際ブランドとカード会社は混同されがちですが、それぞれ役割が異なります。

国際ブランドは、VisaやMastercard、JCBなどのブランドを運営し、カード決済を行うための決済ネットワークを提供する事業者です。一方、カード会社は利用者へカードを発行し、利用代金の立替払いや請求、会員管理などを行います。

例えば、VisaやMastercardでは、カード会社がライセンスを受けてブランドのカードを発行する仕組みが一般的です。一方、JCBやAmericanExpressなどは、国際ブランドであると同時にカード発行会社としての役割も担っています。

このように、国際ブランドとカード会社はそれぞれ異なる役割を持ちますが、ブランドによっては両方の役割を兼ねている場合があります。加盟店がカード決済の仕組みを理解する際は、「国際ブランド」と「カード会社」は役割の違いを表す概念であり、必ずしも別々の事業者とは限らないことを押さえておくとよいでしょう。

2 クレジットカード決済の仕組みをわかりやすく解説

クレジットカード決済は、利用者がカードを利用してから加盟店へ売上金が入金されるまで、複数の事業者が連携して処理されています。決済がどのような流れで処理されるのかを理解することで、導入時の検討や運用時のトラブル対応にも役立つでしょう。

2-1 クレジットカード決済の基本的な流れ

クレジットカード決済は、利用者がカードを利用してから加盟店へ売上金が入金されるまで、複数の事業者を介して以下の流れで処理されます。

<瞬時に行われるやり取り>

  • 利用者が店舗でカードを提示したり、ECサイトでカード情報を入力したりすることで決済が開始される
  • 加盟店が決済情報を加盟店契約会社(アクワイアラ)へ送信する
  • 決済情報はVisaやMastercardなどの国際ブランドのネットワークを通じて、カード発行会社(イシュア)へ送られる
  • カード発行会社が利用可否を確認する(オーソリゼーション)
  • 承認されると決済が成立し、加盟店は商品やサービスの提供が可能となる

<後日行われるやり取り>

  • 加盟店が売上の確定処理(売上確定処理)を行う
  • 加盟店契約会社や決済代行会社などとの契約内容に基づいて精算が行われ、決済手数料を差し引いた金額が加盟店へ入金される

カード利用の承認は数秒で完了し、その後、売上確定や精算を経て加盟店へ入金されます。このように複数の事業者が連携することで、安全かつスムーズなクレジットカード決済が実現しています。

2-2 クレジットカード決済に関わる事業者

クレジットカード決済は、決済情報の処理や売上金の精算、安全な取引を実現するために、複数の事業者が連携して成り立っています。それぞれの主な役割は以下の通りです。

関係者主な役割
加盟店クレジットカード決済を受け付ける店舗・ECサイト
アクワイアラ加盟店を管理し、加盟店契約や売上精算を行う
イシュアクレジットカードを発行し、利用代金の立替払い・請求を行う
国際ブランド決済ネットワークを提供し、各事業者間のデータを中継する

加盟店がクレジットカード決済を導入する際は、アクワイアラと直接契約する方法のほか、決済代行会社を利用する方法もあります。決済代行会社を利用すると、複数の決済事業者との契約やシステム連携を一元化できるため、導入・運用負荷の軽減につながります。

また、イシュアやアクワイアラについて、詳しくは以下の記事でも解説しているので参考にしてください。

参考:クレジットカードのイシュアとは?意味や役割、アクワイアラの違いを分かりやすく解説
参考:
イシュアとアクワイアラの違いとは?クレジットカード決済を導入する方法や手順を分かりやすく解説

2-3 加盟店が知っておきたい決済の処理

クレジットカード決済では、決済フローを理解するうえで押さえておきたい仕組みがあります。ここでは、加盟店が特に理解しておきたい「オーソリゼーション(与信確認)」と「チャージバック制度」について紹介します。

・オーソリゼーション(与信確認)

オーソリゼーション(与信確認)とは、クレジットカード決済時に、その取引を承認できるかどうかをカード発行会社(イシュア)が確認する処理です。カードの利用限度額や有効期限、不正利用の可能性などを確認し、問題がなければ決済が承認されます。店舗やECサイトを問わず、クレジットカード決済を安全に行うために欠かせない仕組みです。

・チャージバック制度

チャージバックとは、不正利用や二重請求などのトラブルが発生した際に、カード発行会社が加盟店へ支払った売上を取り消し、返金を求める仕組みです。加盟店は売上の取り消しや追加対応が必要になる場合があるため、3Dセキュアの導入や適切な本人確認など、チャージバックを未然に防ぐ対策が重要です。

2-4 加盟店が理解しておきたいセキュリティ対策

クレジットカード決済を導入する加盟店には、顧客のカード情報を適切に管理し、不正利用を防ぐためのセキュリティ対策が求められます。

代表的な対策の一つが、「PCI DSS」への対応です。PCIDSSはクレジットカード業界が定める国際的なセキュリティ基準で、カード情報を安全に管理するための要件が定められています。加盟店は、PCIDSSに準拠した決済サービスや決済代行会社を利用するとともに、カード情報を適切に管理・運用することが重要です。

また、実店舗では偽造カード対策としてEMV対応端末の導入、ECサイトでは本人認証サービスである3Dセキュアの導入など、決済方法に応じたセキュリティ対策を講じる必要があります。

近年は、加盟店がカード情報を保有しない「カード情報非保持化」や、カード番号を別の識別情報に置き換える「トークナイゼーション」も普及しています。これらの仕組みを活用することで、情報漏えいや不正利用に伴うリスクの低減につながります。

また、不正利用やチャージバックへの対策として、不正検知サービスの活用や取引状況の適切な監視も重要です。自社の業態や決済方法に応じたセキュリティ対策を講じることで、安全な決済環境の構築や安定した事業運営につながります。

3 主要な国際ブランドの種類と特徴

国際ブランドごとに加盟店網や利用者層、強みを持つ地域などが異なります。加盟店が導入するブランドを検討する際は、それぞれの特徴を理解しておくことも重要となります。

3-1 Visa(ビザ)

Visaは、世界最大規模の決済ネットワークを持つ国際ブランドです。世界200以上の国と地域で利用されており、加盟店数も非常に多いため、国内外を問わず幅広い利用者に対応できます。

特に海外利用に強く、訪日外国人や海外顧客を対象とする事業者にとって重要なブランドです。また、越境ECでも利用率が高く、グローバル展開を視野に入れる企業に適しています。

近年はVisaのタッチ決済の普及も進んでおり、店舗での利便性向上にも貢献しています。世界的なシェアと利用環境の広さから、多くの加盟店で優先的に導入されるブランドの一つです。

出典:VISA「当社のサービス」

3-2 Mastercard(マスターカード)

MastercardはVisaと並んで世界的に高いシェアを持つ国際ブランドです。世界中で利用できる加盟店網を構築し、高い普及率を誇ります。

近年はデジタル決済分野への投資を積極的に行っており、オンライン決済やモバイル決済への対応を強化しています。また、企業間取引(BtoB決済)向けのサービスにも力を入れている点が特徴です。Visaと並んで多くの利用者が保有しているため、加盟店にとっては導入優先度の高いブランドと言えるでしょう。

国内利用だけでなく、海外利用やEC事業を展開する場合にも重要な選択肢となります。

出典:Mastercard「世界で最も多くの場所で使えるMastercard」
出典:Mastercard「MastercardがグローバルB2B決済市場を刷新する「MastercardTrack&trade ビジネス決済サービス」を発表」

3-3 JCB(ジェイシービー)

JCBは1961年に日本で誕生した国際ブランドで、日本国内で高い認知度を誇ります。国内利用者が多く、幅広い業種で加盟店網が整備されていることから、日本市場を主なターゲットとする加盟店にとって重要なブランドの一つです。

また、JCBは日本企業ならではのサポート体制も強みで、日本語によるサポートや国内事業者向けサービスが充実しています。近年は海外での加盟店開拓も進めており、アジアを中心に利用可能エリアが拡大していることも特徴です。

さらに、訪日外国人の中にはJCBブランドのカードを利用する旅行者もいるため、インバウンド需要への対応という観点でも導入を検討する価値があるブランドです。

出典:JCB「沿革」
出典:JCBPLAZA
出典:JCB加盟店サイト「便利な加盟店向けWEBサービス」
出典:
JCB新卒採用情報「JCBの海外戦略」

3-4 AmericanExpress(アメリカン・エキスプレス)

AmericanExpress(アメリカン・エキスプレス)は、充実した付帯サービスやプレミアムなブランドイメージで知られる国際ブランドです。比較的高所得層や旅行・出張機会の多い利用者から支持される傾向があり、高価格帯の商品やサービスを提供する事業者に適したブランドとされています。

また、旅行傷害保険や空港ラウンジサービスなど、旅行関連の特典が充実していることも特徴です。そのため、宿泊施設や旅行業、百貨店、高級レストランなどでは一定の利用ニーズが見込まれ、導入メリットが期待できます。

加盟店手数料は比較的高めとされる一方で、高単価な利用が見込めることから、顧客層によっては売上の拡大につながる可能性があります。

出典:AmericanExpress「アメリカン・エキスプレスの旅行特典」
出典:AmericanExpress「【公式】アメックスの年会費/月会費は?会費を超える特典やメリットを解説」
出典:
AmericanExpress「ご利用可能枠/ご利用可能金額」

3-5 DinersClub(ダイナースクラブ)

DinersClubは、世界で初めて誕生したクレジットカードブランドの一つであり、ステータス性の高いブランドとして知られています。年会費が比較的高額で一律の利用限度額を設けない運用が特徴とされており、利用者には経営者や役員、専門職などのビジネスパーソンが多く、高所得層を中心に支持されています。

また、グルメや旅行、エンターテインメント関連の優待サービスが充実している点も特徴です。そのため、高級レストランやホテル、会員制サービスなどとの親和性が高いブランドと言えます。顧客単価の高いユーザー層を取り込みたい加盟店にとっては有効な選択肢となるでしょう。

出典:DinersClub「クレジットカードの種類による違いとは?カード選びのポイントも解説」
出典:
DinersClub「カードラインナップ」

3-6 銀聯(UnionPay)

銀聯(UnionPay)は、中国で誕生した国際ブランドであり、中国国内において圧倒的な普及率を誇ります。中国ではクレジットカードやデビットカードとして広く発行されており、多くの消費者が日常的に利用しています。

そのため、訪日中国人観光客を主要な顧客層とする加盟店にとって、銀聯(UnionPay)への対応は重要なインバウンド対応施策の一つです。特に観光地の飲食店や宿泊施設、ドラッグストア、家電量販店、百貨店などでは、銀聯カードによる決済ニーズが高い傾向があります。

インバウンド需要の取り込みを強化したい事業者や、中国市場向けのサービスを展開する企業にとって、銀聯(UnionPay)は導入を検討したい国際ブランドの一つと言えるでしょう。

出典:中国銀行「銀聯デビッドカード」

4 国際ブランドのシェア率は?

国際ブランドを選定する際は、それぞれの特徴だけでなく市場シェアも重要な判断材料になります。世界と日本では利用されるブランドの傾向が異なるため、自社の顧客層や事業展開に合わせて検討することが大切です。

4-1 世界における国際ブランドのシェア

世界のクレジットカード市場では、VisaとMastercardが圧倒的なシェアを占めています。FAND.JPがNilsonReportを基に公表した調査データによると、グローバル決済額ベースでは2024年時点でVisaが38.7%でトップとなり、銀聯(UnionPay)が33.2%、Mastercardは約25%と推計されています。世界5大ブランドではあるものの、上位3社で約97%のシェア率を占めているのが実情です。

越境ECやインバウンド需要を取り込む場合は、Visa・Mastercardを基本としつつ、ターゲット市場に応じてJCBや銀聯(UnionPay)への対応も検討すると良いでしょう。

出典:FAND.JP「5大国際ブランドは昔の話?2026年更新版クレジットカード世界シェアと7大ブランド比較」

4-2 日本国内での国際ブランドシェア

日本ではVisa、Mastercard、JCBが主要な国際ブランドとして広く利用されており、多くの加盟店がこれらのブランドに対応しています。2024年に発表された調査によると、国内の国際ブランドシェア率はVisaが約60%と高く、次いでJCBが約20%、Mastercardが約16%となっています。

Visaが国内でも高いシェアを占める一方、JCBは日本発の国際ブランドとして約20%のシェアを維持しており、国内市場で高い存在感を示しています。JCBは国内の加盟店網の拡充や、日本市場に合わせたサービス展開を進めてきたことでも知られており、国内利用を中心とするユーザーから支持を得ています。一方、海外利用を視野に入れるユーザーは国内外問わず取り扱いが多いVisaやMastercardを選ぶ傾向も見られます。

出典:株式会社S& T「【2024年版】クレジットカードの国際ブランドシェア率に関する調査」

ECサイトにおいてもVisaとMastercardの利用率が高く、多くの事業者が優先的に対応しています。また、観光地や百貨店などでは、訪日外国人への対応を目的として銀聯(UnionPay)やAmericanExpressを導入するケースが増えていることも特徴です。

5 加盟店はどの国際ブランドを導入すべき?選び方を解説

国際ブランドの導入方針は、業種や顧客層によって異なります。購買の機会を逃さず、顧客にとって使いやすい決済環境を整えるためには、自社に適したブランド構成を検討することが重要です。

5-1 ブランド選定時に確認すべきポイント

国際ブランドを選定する際は、自社の顧客層や事業戦略に合わせて優先順位を決めることが大切です。また、シェアの大きさだけでなく、自社の利用者層や運用面も考慮する必要があります。

例えば、国内顧客が中心なのか、海外利用者や訪日外国人が多いのかによって、優先すべきブランドは変わります。また、決済手数料や導入コスト、管理業務の負荷も重要な判断材料です。EC事業者であれば越境ECへの対応、実店舗であればインバウンド比率なども確認したいポイントです。

さらに、将来的にQRコード決済や電子マネーなどの決済手段を追加する可能性がある場合は、拡張性も考慮しておくと良いでしょう。現在のニーズだけでなく、中長期的な事業計画を踏まえて検討することが重要です。

5-2 複数ブランド対応が重要な理由

加盟店にとって、複数の国際ブランドへ対応することは売上の拡大につながります。利用したいカードブランドが使えない場合、顧客が購入を断念したり、他店へ流れたりする可能性があるためです。

特にECサイトでは、決済手段の不足が購入途中での離脱につながるケースも少なくありません。また、海外ユーザーや訪日外国人は保有しているカードブランドが異なるため、対応ブランドが多いほど幅広い顧客を取り込めるでしょう。

顧客満足度の向上や販売機会の最大化という観点からも、複数ブランドへの対応は重要な施策です。

5-3 加盟店が直面しやすい課題

複数の国際ブランドに対応するメリットがある一方で、加盟店の運用負荷が増えるケースもあります。対応するブランドや複数の決済サービスを導入すると、契約や売上管理、精算などの運用が複雑になることがあります。

売上データや入金データの管理先が分散し、経理業務が煩雑になることも少なくありません。トラブル発生時には、国際ブランド・カード会社・決済事業者など複数の関係者へ確認が必要となり、原因の切り分けに時間がかかる場合もあります。

こうした課題を解消する方法の一つが、決済代行会社の活用です。決済代行会社を利用することで、複数の決済事業者との契約や接続を一本化でき、導入や運用負担の軽減が期待できます。

6 決済代行会社を利用するメリット

決済代行会社とは、加盟店と国際ブランド、アクワイアラなどの間に入り、クレジットカード決済の導入や運用を支援する事業者です。本来、加盟店は複数の決済事業者と個別に契約や接続を行う必要がありますが、決済代行会社を利用することで、それらをまとめて導入することができます。加盟店が決済代行会社を利用する主なメリットを理解した上で検討すると良いでしょう。

6-1 複数ブランドを一括導入できる

決済代行会社を利用する大きなメリットの一つが、複数の国際ブランドをまとめて導入できる点です。加盟店がVisaやMastercard、JCBなどを個別に契約する場合、それぞれに申請や審査、契約手続きをしなければなりません。

一方、決済代行会社を利用すれば、複数ブランドの申請や契約手続きを一括で進められるため、導入工数を大幅に削減できます。また、事業拡大に伴って新たなブランドを追加したい場合も、個別対応と比較し、スムーズに導入できるケースが一般的です。

契約管理や審査対応の負担も軽減されるため、限られたリソースでキャッシュレス対応を進めたい加盟店にとって大きなメリットと言えるでしょう。

6-2 運用・管理負荷を軽減できる

複数の決済手段を導入すると、売上管理や入金確認などの業務が煩雑になりがちです。決済代行会社を利用することで、売上や入金データの管理、問い合わせ対応の一元化により、日々の運用負荷を軽減できます。

例えば、ブランドごとに分かれていた売上データや入金情報を統合された管理画面で確認できるため、経理業務の効率化につながります。また、問い合わせ窓口の一本化も可能となり、トラブル発生時の対応もスムーズです。特に店舗とECサイトの両方を運営している事業者や、複数店舗を展開している企業では、管理業務の削減効果を実感しやすいでしょう。

6-3 セキュリティ・システム対応を強化できる

クレジットカード決済では、セキュリティ対策やシステム連携への対応が欠かせません。決済代行会社を利用することで、これらの対応を効率的に進められる場合があります。例えば、PCIDSSへの対応支援や3Dセキュアの導入サポート、不正利用対策機能の提供など、加盟店単独では対応負荷が高いセキュリティ施策を利用できるケースが見られます。

また、ECサイトやPOSシステムとの連携に必要なAPIを提供している決済代行会社も多く、システム開発や保守の負担軽減にもつながります。安全性と利便性の両立を図りながら、安定した決済環境を構築できる点は大きなメリットです。

6-4 決済手段を拡張しやすい

消費者における決済ニーズの多様化が進んでおり、クレジットカード以外にもQRコード決済や電子マネー、ID決済などへの対応が求められる場面が増えています。

決済代行会社を利用することで、新しい決済手段を追加しやすくなることも利点です。例えば、QRコード決済や電子マネーへの対応、定期課金が必要なサブスクリプションサービス向け決済、海外顧客向けの越境EC決済なども比較的スムーズに導入できます。

将来的な事業拡大や顧客ニーズの変化に柔軟に対応できるため、長期的な視点で決済環境を整備したい加盟店にとって、決済代行会社を利用することは有力な選択肢となるでしょう。

7 加盟店がクレジットカード決済を導入する流れ

クレジットカード決済の導入をスムーズに進めるためには、事前準備から運用開始後の体制整備までを見据えて検討することが重要です。ここでは、加盟店が押さえておきたい導入の流れと注意点を解説します。

7-1 導入前に整理すべきポイント

クレジットカード決済を導入する前に、自社の事業内容や顧客層に合わせた要件を整理しておくことが重要です。事前に方向性を明確にしておくことで、決済手段やコスト面における導入後のミスマッチを防ぐことができます。
主な確認項目は以下の通りです。

  • 対応したい国際ブランド(Visa、Mastercard、JCBなど)
  • ターゲット顧客層(国内顧客、海外顧客、訪日外国人など)
  • 実店舗・ECサイトのどちらで利用するか
  • QRコード決済や電子マネーなど必要な決済手段
  • POSシステムやECカートとの連携要件

特に将来的な事業拡大を見据えている場合は、現在のニーズだけでなく、今後追加したい決済手段やシステム連携についても検討しておくと良いでしょう。

7-2 導入から運用開始までの流れ

クレジットカード決済は、申込み後すぐに利用できるわけではなく、審査やシステム設定など複数のステップを経て導入されます。
一般的な流れは以下の通りです。

  • 決済代行会社へ問い合わせ・相談
  • 必要書類を提出し加盟店審査を実施
  • 契約締結
  • システム設定や接続作業
  • 決済端末の設置(実店舗の場合)
  • テスト決済による動作確認
  • 本番運用開始

導入期間は業種や審査内容によって異なりますが、数週間から1ヶ月程度かかるケースが多い傾向にあります。導入タイミングに合わせた準備期間を確保しておくことで、運用開始時のトラブルや機会損失を防ぐことにつながります。

7-3 加盟店審査で確認されるポイント

クレジットカード決済を導入する際には、加盟店審査が行われます。これは不正利用やトラブルを防ぐために実施されるもので、事業内容や運営状況などが確認されます。
主な審査項目は以下の通りです。

  • 業種
  • 取扱商品・サービス
  • 売上規模や事業実績
  • 法人・個人事業主としての運営実態
  • 不正利用やチャージバックのリスク
  • ECサイトの特定商取引法表記や利用規約の整備状況

業種によっては追加書類の提出を求められる場合もあります。スムーズに審査を進めるためにも、事前に必要書類やサイト情報を整備しておくことが重要です。

7-4 導入時の注意点

クレジットカード決済を導入する際は、契約やシステム設定だけでなく、運用面まで見据えて準備を進める必要があります。
特に注意したいポイントは以下の通りです。

  • 審査完了までの期間を考慮する
  • PCIDSSや3Dセキュアなどのセキュリティ要件を確認する
  • チャージバック発生時の対応フローを整備する
  • 将来的な決済手段の追加に対応できる環境を選ぶ
  • 売上管理や返金処理などの運用フローを整備する

導入時の準備不足は、運用開始後のトラブルや業務負担の増加につながる可能性があります。決済代行会社へ事前に相談しながら、自社に適した運用体制の構築が重要となります。

8 まとめ

国際ブランドは、クレジットカード決済を支える重要な決済ネットワークです。加盟店がキャッシュレス決済を導入する際は、各ブランドの特徴やシェア、決済の仕組みを理解した上で、自社の顧客層や事業内容に適したブランドを選定することが重要です。また、複数ブランドへの対応や運用負荷、セキュリティ対策などを考慮すると、決済代行会社の活用も有効な選択肢の一つとなります。

さらに、キャッシュレス決済の普及に伴い、加盟店にはクレジットカードだけでなく、QRコード決済や電子マネーなど多様な決済手段への対応も求められる場面が増えています。こうした背景から、決済手段の拡充や運用負荷の最適化を含めた全体設計が重要になっています。

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